今回の「信州を紹介します」は、信州のほぼど真ん中にある「長野県塩尻市(しおじりし)」のJR塩尻駅です。
塩尻市は松本盆地の南端に位置し、地形は扇状地形で、東西約18km、南北約38 km、面積290.18平方kmであり、よくわかりませんが、とりあえず広いです。また、「塩尻峠」「善知鳥(うとう)峠」「鳥居峠」は太平洋側と日本海側への分水嶺になっています。
いろいろな説がありますが、以前、県内の土地家屋調査士の方が、地図で調べたところ、今ではアニメ「ゆるキャン△」、映画「君の名は。」の聖地らしい標高約1665mの塩尻市にある高ボッチ高原になったそうです。
高ボッチ高原の頂上からは、「北アルプス」「中央アルプス」「南アルプス」などや、さらには富士山まで360度のパノラマ風景であり、眼下に諏訪湖が丸見えという絶景地です。
県内には19の市がありますが、人口的には上から7番目の約6.7万人。とは言っても、長野市が約37.8万人、松本市が約24.3万人ですから、その3分の1以下という数字です。
さて、海なし信州は塩を生産することができず、昔は日本海側から塩売り(北塩)と、太平洋側からの塩売り(南塩)やってきたりしていました。そして、各地を回って売り歩いていると、ちょうど塩尻近辺で売り切れるため、「塩の道の終点=塩尻」という名前がついたと言われていますが、定かではないようです。ただ、「塩の道」と呼ばれる道が信州にはあることから、各地の塩が塩尻に入っていたことは事実のようです。
なお、塩尻市の見解は定説はないとしたうえで、上杉謙信さんが武田信玄さんに塩を送った義塩伝説、食塩を由来とする説、地質・地形からなる説の3つを挙げています。ちなみに、「塩尻」という地名は上田市と栄村にもあります。
鎌倉時代から戦国時代にかけて、諏訪大社下社の神領として筑摩郡塩尻郷と呼ばれ、江戸時代には中山道(なかせんどう)や北国西街道の宿場町として塩尻宿や洗馬宿などが栄えました。今では「国道19号」「国道20号」「国道153号」などの主要な幹線が交わり、鉄道においても、東京からのJR東日本のJR中央本線(中央東線)、名古屋からのJR東海のJR中央本線(中央西線)、そして、北へ延びるJR東日本のJR篠ノ井線のターミナル駅(っぽい)交通の要衝でもあります。
JR塩尻駅が開業したのは1902年(そういえば、2022年で120年になりイベントが行われていました)。まずはJR松本駅側から線路を延ばして開業し、1906年に中央東線がJR辰野駅~JR岡谷駅方面へ、1909年には中央西線がJR奈良井駅まで延伸し、現在の三方向に線路が分かれる原型となりました。ただ、このときのJR塩尻駅は現在の場所から数100m南東側に設けられており、1983年にJR塩尻駅とJR岡谷駅を直接結ぶ塩嶺トンネルが開通するまでは名古屋方面からの列車が松本方面に向かうためにはスイッチバック方式となっていました。
さてさて、そんなJR塩尻駅の3・4番ホームには全国で唯一のブドウ棚があります。
1988年に塩尻市のブドウとワインのPRの一環として植えられ、市内のワイナリー従業員、JR職員、市内ボランティアが中心となって栽培を行なっています。ブドウは「ナイヤガラ」と「メルロー」の2種類を栽培し、収穫されたブドウは市内のワイン醸造会社に引き取ってもらいワインを醸造しています。この収穫には、市内の保育園・幼稚園の園児がお手伝いにきています。
ちょうどこの時期はあちこちからブドウの甘い香りが漂ってきます。列車の出発時刻よりも早くホームに入り、ブドウの香り漂うベンチで電車を待ちながら、コバルト色の空を見上げ、ゆっくりと時の過行くままを感じるのもいいかも知れません。
今日はどのような一日になるのでしょうか。または、どのような一日を過ごされたのでしょうか。
その一日でほんの少しでも楽しいことがあれば、それを記憶にとどめるように努力しませんか。そして、それをあとで想いだすと、その日が明るくなる、それが元気の源になってくれるでしょう。
それを見つけるために、楽しいこと探しをしてみてください。昨日よりも、ほんの少しでも、いい一日でありますようにと、お祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。