夢をかなえた瞬間に生まれる油断は誰にでもあります。
例えば、プロ野球選手に憧れ、ドラフト会議での指名が現実となれば、野球を続けてきたものにとって、ひとつのゴールであることは間違いないでしょう。もちろん、その後、一軍で活躍することがあるのですが。
でも、二十歳前後の若者ならばそこでほんの出来心とは言えども魔が差すのは、あって当たり前なのかもしれません。でも、そこで自制心を持つことが出来なければ、一人前の社会人ではありません。そりゃあ、褒められないような大人がいること自体は恥ずべきことですが、だからと言って、その予備軍のように、いつまでたってもルールを守れないようなままでは、何の批判も出来ないことは確かです。
大人になるという扉を開いた瞬間から、もうすでに普通の学生ではなく、いろいろな人の視線にさらされ、賞賛と非難を浴びる存在になっているという自覚が必要なのです。
2004年9月にプロ野球入り前(当時高校3年生)の喫煙写真が週刊誌に掲載され、高野連より厳重注意処分にを受けました。その年のドラフト会議で日本ハムに単独1位指名され、12月に契約金1億円、年俸1500万円、出来高5千万円で仮契約を結びましす。2005年1月の新人合同自主トレで、前年12月の自主トレ中に痛めた右ひざの関節炎の影響で、ドクターストップがかかり春季キャンプは二軍スタートとなりました。
ところが2月にパチンコ店で喫煙していたことが報道され、球団は同月21日に球団寮へ送還・無期限謹慎と謹慎中の社会貢献活動を命じる処分を言い渡しました。これを受けてまだ在籍中の高校は同月22日に本人を無期停学処分とし、3月1日の卒業式は停学処分期間中で参加できず。3月8日、停学解除を以って他の生徒より1週間遅れで卒業となりました。5月イースタン・リーグで初登板しその後完封勝利も記録。6月に一軍昇格し、同15日の対広島東洋カープ戦で一軍初登板初先発を果たし、プロ初勝利を挙げ、それ以降先発ローテーションに定着し、14試合に登板して完封勝利を含む5勝を挙げました。
以降、2011年までエースとしてリーグ優勝・日本一にも貢献し、2011年オフにポスティングでMLBへ移籍しました。2012年1月にMLB移籍を前に会見を行い、7年前の喫煙に触れ「二度とたばこは吸いません」と改めて謝罪しました。
2017年5月にはMLB通算50勝目を記録、9月にはMLB史上最速となる128試合目・812投球回で通算1000奪三振を達成し、現在ではメジャートップクラスの先発ピッチャーとして評価されています。
2012年のドラフト会議で埼玉西武ライオンズに2位指名された高校生。家庭の事情で中学時代を児童養護施設で過ごし、何度も道を踏み外しそうになったところを、施設の人々の協力により高校へ進学しました。その恵まれた体格から「房総のダルビッシュ」と呼ばれ、プロのスカウトの視線を集め、ドラフト会議で指名されました。それまでの人生がテレビドラマのようであることから、ドラフト会議の夜のテレビのドキュメンタリーでも取り上げられました。
しかし、仮契約を済ませた直後の12月4日、東京湾アクアラインで無免許な上スピード違反を起こし、千葉県警に摘発されました。まだ高校在学中ということもあり、無期限謹慎処分、契約も一時凍結され、もちろん入団会見を行う舞台に立つことも許されませんでした。
2013年の3月10日。当初予定されていた背番号は41から71に変更され、年俸も700万円から630万円に減額。家庭裁判所で保護観察処分を受けながらのプロ野球生活という違った意味で注目を集めてしまいました。8月にイースタン・リーグチャレンジマッチで初登板を果たし、二軍公式戦で6試合に登板し、シーズンオフにウインターリーグに参加。登録名も変更し、心機一転再スタートを切ることになりましたが、変わったのは名前だけと言われるような不祥事を起こしてしまいます。
2014年1月に未成年にもかかわらず飲酒、喫煙の事実があったと発表、6カ月の対外試合出場停止処分となりました。出場停止処分明け、二軍登板を経て、9月13日に東北楽天ゴールデンイーグルス戦で一軍初登板を果たします。
2015年には二軍で22試合12勝7敗でイースタン・リーグ最多勝利投手を獲得し、オフには背番号も入団時に提示された41となります。ただ、2016年に右ヒジ靭帯損傷で全治3ヶ月、復帰後一軍登板を果たすものの3回2/3ノックアウト。2017年にも一軍登板はあったが、ここでも期待に応えられず通算9試合5敗というのが、一軍での成績となっています。
「施設の子供たちに勇気や希望を与えたい」 とドラフト会議直後の会見で語っていましたが、入団以来失望させてしまった人たちへの謝罪に通じる成績を、いまだあげることが出来ないでいます。
2009年ドラフト会議で千葉ロッテマリーンズから3位指名を受け、11月15日仮契約を結び、兄弟選手誕生と話題になりました。しかし、約3週間後に地元市内の居酒屋で飲酒、喫煙しているところを警察に補導されます。まだ、この時は高校生であり、高校で2週間の停学処分を受けました。一時は契約取り消しまであるとされましたが、なんとか翌2010年1月17日にプロ野球選手としてスタートを切れることとなりました。
そんな入団までの経緯が、効果的なお灸になったのかもしれませんが、入団1年目からイースタン・リーグで90試合に出場。第17回IBAFインターコンチネンタルカップ日本代表にも選出されました。力のなさがあったかもしれませんが、同じ成績であれば良い印象の選手が使われることもあったのか、入団4年目まで一軍公式戦に出場する機会はありませんでした。それでも、腐らず地道な努力を続けたことがチャンスを引き寄せ、「原点に返るために何かを変えよう」という理由で、登録名をフルネームにした2014年に一軍初出場、初安打をホームランでで記録し、そこから年々打席を増やし、2017年は打率.206ではあるものの、91試合でホームラン5本とキャリアハイでした。
スタートでの躓づきによる出遅れを取り戻そうとしています。
2016年の夏の甲子園で優勝し、その年のドラフト1位で埼玉西武ライオンズに入団。2017年1月下旬に喫煙していたことが発覚したため厳重注意し、4月30日まで対外試合出場停止処分にしたと発表しました。また、キャンプなど練習には参加させるものの、ユニホームではなくジャージーを着用となりました。5月以降は本人の反省態度を見て判断するそうです。 プロ1年目の2017年は3度も右肩痛で離脱となり、イースタン・リーグで7試合1勝だけに終わり、今春キャンプも二軍スタートでした。
2年目のスタートも大きくつまずいてしまいました。
ちなみに、ライオンズでは2017年12月に未成年選手の喫煙が発覚したと発表しています。前日に当該選手が選手寮自室の灰皿に捨てた、たばこから上がった煙に火災報知機が反応して、喫煙の事実が明らかになったものです。このときには、上記と違ってなぜか実名報道はありませんでした(内部発覚だから?)。
甲子園出場こそないものの、強豪高校で外野手として一年からレギュラー。高校卒業後に大学へ進み、ここでも一年秋からレギュラーとなり、二年秋に新人王、三年春には首位打者、四年春にMVPとタイトルと同時に3度のベストナイン。当然のように2012年のドラフト会議で中日ドラゴンズから3位指名を受け入団しました。
しかし、まさかこの時、未成年だった2010年に地元の仲間と飲酒、それをSNSで拡散されてしまいました。大学側は事実を確認しており、学内処分を下していたこと、ドラゴンズも過去のこととしたが、指名会見がそのまま謝罪会見となってしまいました。
俊足強打の外野手として入団は果たしたものの、大学時代のケガの影響もあり、一軍での出場は2014年の16試合のみで、2017年オフ戦力外通告を受け、2018年からは社会人で野球を続けることになっています。
このようなことはプロ野球だけではありません。高校から大学へ進学し、野球を続けられる選手はその数はぐっと少なくなります。ある意味、幸せだと思わなくてはいけませんが。
関甲新学生野球連盟1部リーグの強豪白鷗大硬式野球部で2018年2月に未成年の部員が、今春入部予定の高校生に飲酒を強要していたことが発覚しました。2月13日夜、未成年の一年生部員2人が部の寮の部屋で、春に入部予定の県外の高校三年生2人(在学中)に一緒に飲酒することを強要し、4人でビールや焼酎を飲んでいたそうです。14日未明に酒がなくなると高校生2人に近くのコンビニまで買いに行かせ、近くのコンビニエンスストアで泥酔状態で会計を済ませずに店を出ようとしたため、店員が県警小山署に通報。県警は生徒2人を補導したそうです。
白鴎大は入部が決まった高校三年生を2月から入寮させ、練習に参加させていたそうです。大学側の調査に対し、部員2人は「歓迎したいという思いで飲ませてしまった」と話しているそうです。
硬式野球部は14日から活動を自粛し、19日からの和歌山などで予定していたキャンプも中止し、再開は未定となっています。春のリーグ戦参加については「全日本大学野球連盟の判断を待ちます」とコメントしています。
ルールを破ればそれなりのペナルティがあるのも当然のことです。
でも、悪いイメージを払拭するのも実力です。マイナスからのスタートとなった彼らには、過去を打ち消すだけの強いアピールが必要です。野球に対する考え方、技術もですし、周りからのプレッシャーに勝つだけの心の強さも必要です。それが等しくファン、周りの応援してくれた人々に「過去のこと」と思わせることに繋がると思います。
ちょうど冬から春になる時期です。自ら撒いた悪い種を枯らし、新しい花を咲かせて欲しいと思います。
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まっくろくろすけ
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