私のブログにお越しいただいてありがとうございます。新型コロナウイルスによってお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、どうか、みなさまとご家族、関係者の方がご健康であっていただければと思っております。1日でも早く流行が終息の方向に向かうことを願っております。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であつた」という書き出しで始まる、川端康成さんの有名な長編小説「雪国(ゆきぐに)」。この「国境」の読み方には、「くにざかい」か「こっきょう」か、という議論がありますが、それはさておき、この国境の長いトンネルとは、群馬県と新潟県の間にあるJR上越線の清水トンネルです。そして、国境とは、かつての令制国である上野国(現;群馬県)と越後国(現;新潟県)の境という意味になります。
なお、「国境(こっきょう)」とは、現在では、「国と国との境界線」を意味し、日本の都道府県境の表現にはあまり使われません。
私たちの住んでいる日本は周囲を海に囲まれており、陸続きにおける国境越えというものはありませんし、空港などで出入国審査するだけですから、あまり意識することもありませんが、私は何度か中国~香港間と中国~マカオ間を陸路で越えたことがあります。やっぱり、その時には、「ああ、国を越えた」という雰囲気を直接感じることができます。
日本国内においても、県境を越える場合にはほとんど乗り物などで、意識することが少ないです。
さて、群馬県安中市松井田町坂本と長野県北佐久郡軽井沢町との県境に「碓氷峠(標高約980m)」があります。峠の長野県側に降った雨は信濃川水系として日本海へ、群馬県側に降った雨は利根川水系として太平洋へ流れる中央分水嶺の1つです。今でこそ、上信越高速道や国道18号碓井バイパスで楽に通行できるのですが、江戸時代の江戸五街道のひとつ、旧中山道の街道最大の難所と言われたのが旧碓氷峠(標高約1200m)です。ここも長野県と群馬県との県境です。
そのちょうど県境の峠町と呼ばれる場所に「熊野皇大神社」「碓井権現熊野神社」があり、神社前には、創業300年以上となる江戸時代から旧中山道を通る旅人をもてなした、お茶屋さんの「元祖力餅 しげの屋」さんがあります(2018年7月1日に訪問しました)。
ちょうど、県境の真上にお店があり、写真のとおり、お店の入口から店内まで分かりやすく県境の表示がされています。
もちろん、お店の住所は長野県と群馬県と2つあります。
このお店の創業当時からの名物「力餅」は、中山道を往来する旅人たちが力をつけるため、また、源義光さんの四天王の1人で剛力の武士・碓氷貞光さんから由来していとのことです。力餅は創業以来作り方を守り続けており、無添加のつきたての柔らかなお餅は、1口大に丸められており、味は創業当時からの「あんこ」と「辛味(おろし醤油)」などがあります。
私たちがいただいたのは「辛味」。おろし醤油はとてもさっぱりしていて、柔らかなお餅との相性は抜群でした。まるで飲み物のようでした。
力餅のほかにも、「信州碓氷そば」は信州産そば粉で打ったそばと出汁にこだわっており、冷たいそばと温かいそばがあります。種類も豊富であり、さすが長野・群馬両県をまたぐお店ですから、すべてのそばメニューは「上州うどん」に変更することもできます。
日本政府は5月14日に新型コロナウイルス感染に対する緊急事態宣言おいて、重点的に対応する「特定警戒都道府県」に指定していた茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、福岡県の5県と、特定警戒ではなかった34県を宣言の対象から外しました。ただ、安倍晋三首相は解除した地域を含め「今月(5月)は県をまたぐ移動を可能な限り控えてほしい」ともコメントしました。
屁理屈を言ってしまうとキリはありませんが、また、しげの屋さんに行き、美味しい力餅とおそばをいただき、気軽に県をまたぎたいものです。
ごちそうさまでした。
「Tomorrow is another day」
映画「風と共に去りぬ」の最後のシーンのセリフです。これは、「明日は今日とは別の日」という意味です。
同じように、「昨日は今日とは別の日」です。昨日よりも今日をいい日にするために、そして明日のために大切に過ごしましょう。
そして、また、明日、ここで、お会いしましょう。