一般財団法人東都大学野球連盟とは、東京を所在地とした21校の大学の硬式野球部で構成された四部制の大学野球リーグです。旧制大学によるリーグから継続している数少ないリーグのひとつで、現在は全日本大学野球連盟傘下となっています。2016年の時点で全日本大学野球選手権大会で最多タイ、明治神宮野球大会では最多優勝をしているリーグであり、「人気の六大学」に対して「実力の東都」と評され、プロ野球界にも数多くの選手を送り出しています。
2017年秋季リーグは意地と意地のぶつかり合いとなり、亜細亜大と東洋大が勝点3同士で勝てば優勝の一戦を東洋大が制し、春秋連覇を遂げ、18度目のリーグ優勝を飾りました。この優勝は勇退する東洋大・高橋監督への花道となりました。
■所属リーグ 勝敗は2017年秋季リーグ戦
一部リーグ
東洋大 14試合 9勝 5敗 0分 勝点4
亜細亜大 12試合 7勝 5敗 0分 勝点3
立正大 12試合 7勝 5敗 0分 勝点3
國學院大 15試合 8勝 7敗 0分 勝点3
中央大 12試合 4勝 8敗 0分 勝点1
日本大 13試合 4勝 9敗 0分 勝点1
二部リーグ
駒澤大 13試合 8勝 3敗 2分 勝点4
専修大 14試合 8勝 5敗 1分 勝点3
青山学院大 12試合 7勝 5敗 0分 勝点3
拓殖大 12試合 6勝 6敗 0分 勝点3
国士館大 13試合 4勝 8敗 1分 勝点1
東京農業大 10試合 2勝 8敗 0分 勝点1
三部リーグ
学習院大 14試合10勝 2敗 2分 勝点5
大正大 12試合 8勝 3敗 1分 勝点4
順天堂大 12試合 7勝 5敗 0分 勝点3
成蹊大 14試合 6勝 7敗 1分 勝点2
上智大 12試合 4勝 8敗 0分 勝点1
一橋大 10試合 0勝10敗 0分 勝点0
四部リーグ
芝浦工業大 9試合 8勝 1敗 0分 勝点4
東京都市大 9試合 3勝 6敗 0分 勝点1
東京工業大 9試合 2勝 6敗 0分 勝点1
■優勝回数 2017年秋季リーグ終了時点(判明分の記録のみ)
一部リーグ
32回 専修大(3校同率優勝1回を含む)
27回 駒澤大
25回 亜細亜大
24回 中央大(3校同率優勝1回を含む、優勝預かり1回を除く)
23回 日本大(3校同率優勝1回を含む、優勝預かり2回を除く)
18回 東洋大
12回 青山学院大
3回 芝浦工業大
1回 國學院大(優勝預かり1回を除く)、学習院大、国士舘大、立正大
二部リーグ
20回 専修大
18回 国士舘大
15回 國學院大、青山学院大
12回 日本大
11回 立正大
9回 芝浦工業大、東京農業大、中央大
6回 東洋大
4回 学習院大、駒澤大
3回 亜細亜大、拓殖大
1回 東京文理科大(現:筑波大)、東京慈恵会医科大、東京工業大
三部リーグ
32回 大正大
23回 順天堂大
22回 拓殖大
7回 成蹊大、学習院大
6回 東京教育大(現:筑波大)
5回 上智大、芝浦工業大
3回 東洋大、明治学院大、國學院大、一橋大
2回 青山学院大、東京経済大、立正大、国士舘大
1回 武蔵工業大(現:東京都市大)、亜細亜大、東京農業大
四部リーグ
27回 一橋大
19回 東京工業大
12回 東京都市大(旧:武蔵工業大)、芝浦工業大
11回 上智大
7回 順天堂大、学習院大
6回 成蹊大
2回 拓殖大
1回 大正大
■かつて参加していた大学
日本体育大
成城大
明治学院大
東京経済大
武蔵大
東海大
東京教育大(旧:東京文理科大、現:筑波大) 以上7チームは1964年に首都大学野球連盟を創設
東京慈恵会医科大 1947年春季限りで脱退
■歴史
1925年 國學院大、専修大、日本大、東京商科大(後の一橋大)、東洋大、宗教大(後の大正大)によって東京新大学野球連盟(後年の同名の連盟とは無関係)が結成され、同年春に第1回リーグ戦を実施。これは六大学野球の最初のリーグ戦です。しかし翌年に改編され、今度は國學院大、日本大、東洋大、東京農業大、上智大、東京帝国大農学部に青山学院、高千穂高等商業学校、早稲田大高等師範部、東京高等工芸学校などの専門学校(旧制)も加えて東京新十大学野球連盟となりましたが、長続きしませんでした。また、日本大、國學院大は六大学リーグへの加盟を度々申請。1929年には、リーグ戦の枠外で六大学各校が日本大、國學院大と各1試合の対抗戦を行うこととなりましたが、その結果、現時点では実力不足と判断され、将来的な技量の向上次第で加盟を歓迎するとしながらも加盟は見送られました。
1931年、六大学リーグ加盟を断念した日本大、國學院大は、専修大、中央大、東京農業大とともに東都野球連盟の前身となる五大学野球連盟(当時は通称で新五大学野球リーグと呼ばれた)を結成。1936年、東京商科大(現・一橋大)が加盟する際に名称を現在の東都大学野球連盟と改称。六大学野球連盟とは対照的に、戦後は新規加盟校を積極的に受け入れて規模を拡大、その後いくつかの大学の脱退を経て現在に至っています。
創設当時は全国的な統括組織が存在しなかったこともあり、東京六大学野球連盟や関西六大学野球連盟と共に独立した連盟でしたが、前述2連盟と共に第二次世界大戦後に結成した全国大学野球連盟を経て、現在は全日本大学野球連盟傘下となっています。2015年の時点で全日本大学野球選手権大会では設立以来永らく単独トップだった東京六大学野球連盟の優勝回数と並んでおり(準優勝まで含めると大差でトップ)、特に近年(1990年〜2015年)の実績では六大学の優勝4回に対し東都12回と大差をつけています。「人気の六大学、実力の東都」などとも評され、他リーグに比して東都大学野球連盟出身のプロ野球選手の圧倒的な活躍を評する報道もされています。
1931年 中央大、日本大、専修大、國學院大、東京農業大が加盟する五大学野球連盟(当時、通称で新五大学野球連盟)として発足、早大戸塚球場にて発足式を開催
1936年 東京商科大(現:一橋大)が加盟し、東都大学野球連盟へ改称
1940年 東京慈恵会医科大(数年後に脱退)、上智大、東京工業大、東洋大、東京文理科大(現:筑波大)が加盟し、二部制と入れ替え戦を施行
1943年 戦時命令により各学生スポーツ競技が禁止。東都もリーグ戦を中止
1946年 前年の第二次世界大戦終戦を受けて連盟の活動を再開
1947年 東京六大学野球連盟および関西六大学野球連盟とともに全国大学野球連盟を結成。同年から大学野球王座決定戦が開催される(1回戦総当り制)
1948年 駒澤大が加盟。秋季に大正大が加盟
1949年 紅陵大(現:拓殖大)が加盟
1950年 学習院大が加盟(全国新制大学野球連盟の東京地区から移籍)、秋季から参加
1951年 青山学院大、芝浦工業大、成蹊大、武蔵工業大(現:東京都市大)、秋季に紅陵大が脱退した代わりに明治学院大が加盟(以上全て全国新制大学野球連盟の東京地区から移籍)し、三部制を施行。以後19校目以降の加盟校は、三部との入れ替え戦への出場権のみを有した別運営の準加盟リーグとして編入
1952年 全国大学野球連盟と全国新制大学野球連盟が合併し双方とも発展的解消。全国大学野球連盟加盟の3連盟は同年8月実施の全日本大学野球選手権大会の代表枠において連盟単独の代表枠
1955年 秋季から背番号を導入
1958年 順天堂大(千葉県大学野球連盟からの移籍)、成城大、日本体育大(いずれも東京都新制大学野球連盟からの移籍)が加盟
1959年 亜細亜大、東京経済大(東京新大学野球連盟からの移籍)が加盟。国士舘大と立正大が準加盟二部に加盟
1961年 第10回全日本大学野球選手権大会において、日本大が連盟代表として初優勝
1963年 拓殖大が再加盟(準加盟スタート)
1964年 三部~準加盟一部と二部から成城大、日本体育大、東海大、東京教育大(現:筑波大)、東京経済大、武蔵大、明治学院大の7校が脱退(7大学は首都大学野球連盟を設立)。残りを三部と四部に再編成1967年 第16回全日本大学野球選手権大会において中央大が優勝したことにより、東都大学野球連盟としては初、連盟別としては東京六大学野球連盟(過去2回達成)の記録に並ぶ同一連盟代表による4連覇を達成。この頃より「実力の東都」の称号が一般に普及し始める
1970年 明治神宮野球大会が始まる
1971年 明治神宮野球大会において、日本大が連盟代表初優勝
1976年 神宮球場竣工50周年記念試合として東京六大学野球連盟との選抜チーム対抗試合を実施
1981年 連盟のオフィシャルガイドブックの発行を開始。テレビ神奈川にてリーグ戦の生中継が実現(各週1日のみ、本年度のみ)
1982年 神宮球場の改装こけら落としのお披露目興行として、学生野球協会からの協力要請に従い、東都大学野球連盟対東京六大学野球連盟の前季優勝校対戦を実施
1986年 神宮ガイドブックの発行により、オフィシャルガイドブックの発行を廃止
1991年 連盟創立60周年を記念し全加盟校によるトーナメント大会を例年の新人戦に代わり実施。以後4年に一度の割合で一部~四部の交流試合(各校1試合ずつ)の実施を決定
1993年 秋季に連盟のオフィシャルガイドブックの発行を復活
1994年 女子マネージャーの登録およびベンチ入りを承認(東京六大学野球連盟も同様に同季から承認)
1994年 秋季の一部リーグ戦に限り、第一週を土日週末開催(神宮球場を六大学野球が未使用のため)、以後恒例化
1994年 秋季開幕戦で駒大の女子マネージャーが連盟初のベンチ入りを果たす
1994年 秋季から指名打者制を初導入
1995年 秋季で連盟のオフィシャルガイドブックの発行を再び廃止
1996年 明治神宮外苑創建70周年記念試合として東京六大学野球連盟との選抜チーム対抗試合実施。また、連盟結成65周年記念として、東都OBプロ選抜対現役選抜交流戦を実施
2001年 連盟創立70周年式典を挙行。同時に連盟としては初になる連盟70年史を発行。また、記念試合として東都OBプロ選抜対現役選抜交流戦を実施
2002年 CS・J-SKYスポーツにてリーグ戦数試合の放送が開始(放送2シーズン目には一部二部入れ替え戦まで中継だったが、その後は中継試合数が縮小し、2004年を最後に終了)
2005年 第54回全日本大学野球選手権大会において青山学院大が4度目の出場で4度目の優勝。連盟別での優勝回数が21回となり、東京六大学野球連盟を抜いて全国最多。また、秋季の終了をもって、1971年から駒澤大を35年間70シーズン率いた太田監督が勇退(監督としての生涯戦績:501勝393敗19分け、リーグ優勝22回、大学選手権優勝5回、神宮大会優勝5回、二部降格は1季のみ。501勝は全国の監督の中でも最多)
2007年 秋季において、好評を博していた秋季の開幕戦のみの一部リーグ戦土日開催(六大学リーグ戦未使用時期に当たるため)に加えて、そのメリットを活かすために試験的に開幕週を6校登場の3試合とし、リーグ戦期間を7週制で行う
2009年 秋季において2007年秋季以来6校登場の3試合開幕戦を行い、期間を7週制で行う
2015年 一般財団法人に移行
■試合会場
東都大学野球連盟は創設にいたる経緯や時期の関係で、関東で2番目に結成された大学野球リーグとして早い時期から東京六大学野球連盟に次ぐ存在と認知されてきたことから、明治神宮野球場および神宮第二球場の使用割り当て優先の配慮を東京六大学野球連盟に次いで受けています。
そのため、一部は東京六大学野球連盟が使用しない場合の火曜日と水曜日(東京六大学野球連盟が雨天等で延期になった場合はその分日程が後日にずれる)を中心に神宮球場を使用して試合を開催しています。1994年以降は、秋季に限り開会式と一部リーグ戦開幕を土日の神宮球場で週末開催しています(球場が六大学野球の未使用日に当たるため)。また、以前は二部のほとんどの試合は神宮第二球場の平日を優先利用おり、二部の予備日と三部以下は各大学が所有する球場を使用して試合を実施しています。また、一部リーグ戦の他に、各部入れ替え戦も基本的には神宮球場を使用して行われています。
■運営方法
加盟校数の関係から前シーズンの成績を基にした各部6校構成を基本に一部から四部まで分けたブロック運営を行なっています。最上位リーグを一部リーグ、順次下位リーグを二部以下と称しています。なお、二部リーグ以下の試合記録は表彰選手も含めてあくまで参考記録扱いであり、リーグ記録としては扱われていません。
■対戦方法
各部共に春季と秋季にそれぞれリーグ戦を実施。2戦先勝方式の総当たりによる勝ち点制。引き分けは再試合。なお、四部のみはチーム数の関係で勝ち点制の総当りを2巡り行ないます。また各シーズン終了後に各部の間で入れ替え戦を実施します。
2戦先勝方式同一の対戦校に対して先に2勝したチームがその相手校との対戦に勝利したとして対戦を終了します。1勝1敗の場合は第3戦を行い決着を付けます。一部リーグにおけるコールドゲーム点数差によるものはありません。
天候不良他自然災害などを理由として試合が出来なくなった場合は7回を終えたところでコールドを認めています(2011年度春季は東日本大震災発生に伴う節電・省エネ対策の一環として日没の場合はその時点で試合を打ち切るが、コールドについては天候不良などに形式を準じる)。
■順位決定方法
勝ち点制:同一対戦校に勝ち越した場合に勝ち点1を獲得し、勝ち点が多い方が上位。勝ち点が同じ場合は全体の勝率比較によって順位を決定。勝ち点も勝率も同じ場合は、優劣の決定が必要な場合に限り決定戦を行ないます。それ以外の場合は同順位とします。決定戦での記録・成績はリーグ戦のチーム・個人の成績には含みません。
■入れ替え戦
各部のリーグ戦の終了後に上位リーグの最下位校と下位リーグの優勝校との間で対戦を組み、勝者チームを次シーズンの上位リーグの所属とします。敗者チームは次シーズンは下位リーグ所属となります。対戦方法は2戦先勝方式。また、入れ替え戦の試合記録・成績は決定戦と同様に個人やチームのリーグ公式戦記録・成績には含みません。
■審判員
一部リーグ戦の審判員は、所属校OBをメインに全員が連盟登録の公式審判員が務めます。二部リーグ戦は球審と二塁塁審に関しては一部リーグ戦と同様ですが、一塁塁審と三塁塁審に関しては一部所属校の野球部員が当番制で務めます。三・四部のリーグ戦では、球審に関しては一・二部リーグ戦と同様で、塁審は二部所属校の野球部員が当番制で務めます。
■入場料
神宮球場で行われる一部及び二部リーグ戦、神宮第二球場で行う場合の二部リーグ戦、入れ替え戦(一部二部、二部三部、三部四部)、一部新人戦、交流試合は、それぞれ一般券が¥1,300、シニア券が¥1,000、学生券が¥600(2015年秋季現在)にて入場可能。その他の試合は無料試合で行われている。なお、前記のように秋季一部二部入替戦が秋季高校野球東京都大会と同日開催の場合は先に試合開始となる高校野球との共通券として入場料一般¥800円(2015年現在)が適用される。
■全国大会成績
亜細亜大 全日本大学野球選手権大会 出場13回:優勝 4回:準優勝 5回:ベスト4 1回
明治神宮大会 出場11回:優勝 5回:準優勝 2回:ベスト4 2回
駒澤大 全日本大学野球選手権大会 出場13回:優勝 6回:準優勝 5回:ベスト4 1回
明治神宮大会 出場14回:優勝 5回:準優勝 3回:ベスト4 3回
青山学院大 全日本大学野球選手権大会 出場 5回:優勝 4回:準優勝 1回
明治神宮大会 出場 6回:準優勝 2回:ベスト4 2回
中央大 全日本大学野球選手権大会 出場 6回:優勝 3回:準優勝 2回:ベスト4 1回
明治神宮大会 出場 4回:優勝 1回
専修大 全日本大学野球選手権大会 出場 8回:優勝 1回:準優勝 3回:ベスト4 3回
明治神宮大会 出場 2回:準優勝 1回
東洋大 全日本大学野球選手権大会 出場11回:優勝 4回:準優勝 2回:ベスト4 1回
明治神宮大会 出場 7回:優勝 2回:準優勝 1回:ベスト4 4回
日本大 全日本大学野球選手権大会 出場 8回:優勝 2回:準優勝 5回
明治神宮大会 出場 4回:優勝 1回
立正大 明治神宮大会 出場 1回:優勝 1回
国士館大 明治神宮大会 出場 1回
國學院大 明治神宮大会 出場 1回
芝浦工業大 全日本大学野球選手権大会 出場 1回