野球小僧

東京六大学野球連盟

一般財団法人東京六大学野球連盟は、東京を所在地とした6校の大学の硬式野球部で構成された、現存している中では最も長い歴史がある大学野球リーグです。創設当初は他の野球団体からは独立した組織でしたが、現在は全日本大学野球連盟に所属しています。
プロ野球人気が高まりを見せるまで長く日本の野球人気の中心的存在であり、土日に神宮球場で開催されることもあって大学野球連盟の中では平均入場者数が最も多くなっています。

2017年秋季リーグは慶應義塾大が不屈の6連勝で7季ぶり35度目の天皇杯を獲得しました。開幕カードの東京大戦で黒星スタートとなり、法政大との2カード目には勝点を落としましたが、残る3カードは6連勝でV奪還を遂げました。

■所属リーグ 勝敗は2017年秋季リーグ戦
 慶應義塾大 13試合  9勝  3敗 1分 勝点4
 明治大   11試合  8勝  3敗 0分 勝点4
 法政大   14試合  6勝  6敗 2分 勝点3
 立教大   12試合  5勝  6敗 1分 勝点2
 早稲田大  11試合  3勝  8敗 0分 勝点1
 東京大   11試合  3勝  8敗 0分 勝点1

優勝回数 5大学リーグ以前(=1925年春季以前)の記録は含みません。2017年秋季リーグ戦時点
 45回 早稲田大
 44回 法政大
 39回 明治大
 35回 慶應義塾大
 13回 立教大
   0回 東京大
※1940年春季は慶大・明大・立大の3校が7勝3敗でならび、優勝預かりとなった。

歴史
1903年 早稲田大学からの挑戦状に慶應義塾が応じ、初めての早慶戦を実施
1906年 応援団同士の加熱問題を理由に早慶戦が中止
1907年 横浜外人アマチュア倶楽部の主唱で、横浜商業・学習院・早稲田大の4チームで京浜野球リーグを結成
1914年 明治大が早慶戦中止を仲裁し、三大学野球リーグを結成
1917年 法政大が三大学野球リーグに加盟
1921年 立教大が四大学野球リーグに加盟
1925年 東京帝国大が五大学野球リーグに加盟し、9月20日に東京六大学野球連盟発足。10月19日に早慶戦再開
1926年 神宮球場落成。奉献式に昭和天皇が出席

1929年 明治神宮体育大会での早慶戦に昭和天皇が観戦。最初の天覧試合
1931年 神宮球場拡張、春季より全試合の試合会場を神宮球場とする。春季慶明2回戦で「八十川ボーク事件」
1932年 早稲田大がリーグを脱退。東京大学野球連盟と改称。秋季より早稲田大が再加盟
1933年 年間1シーズン制を採用。早立3回戦で「宵越試合」、早慶3回戦で「リンゴ事件」
1939年 文部省の干渉により週日試合が禁止、1日3ゲームの短縮日程に変更
1940年 東亜競技大会で連盟選抜が優勝。文部省の圧力により秋季リーグ戦が1回戦総当たりに短縮
1941年 文部省の意向により土曜日の試合が廃止、1日3試合の変則日程を採用
1942年 春季リーグ戦開幕日に空襲警報発令(ドーリットル空襲)。開幕を1週間遅延
1943年 野球用邦語集を作成。文部省によるリーグ解散令。出陣学徒壮行早慶戦
1946年 春季からリーグ戦が復活、上井草球場で開幕式。前半戦は上井草球場、後半戦は後楽園球場使用での1回戦制。秋季には神宮球場が一部開放

終戦後のリーグ戦再開時に、同じく東京都内の大学野球有力校が多く所属している東都大学野球連盟などからの合併打診などがありましたが、そのまま変わらぬ加盟校構成を堅持したま現在に至っています。当時の東都合併拒否は、その直後の三大学野球王座決定戦の開催と全国大学野球連盟の結成の遠因になりました。

1947年 大学野球王座決定戦開催のため、東都大学野球連盟、関西六大学野球連盟(旧関西六大学)とともに全国大学野球連盟を結成。春季から東大に初めて応援団が登場
1948年 春季から勝ち点制を採用。首位同勝ち点の場合は勝率関係なしで優勝決定戦を行なう方式
1950年 昭和天皇天覧早慶戦開催。秋季から戦後初めて全試合が神宮開催
1952年 春季より、同勝ち点の場合は勝率で優勝を決める事に規約を改正。大学野球の統一組織である全日本大学野球連盟の結成に協力、同連盟に所属
1959年 背番号制を導入
1965年 プロだけで使用していた神宮球場左右両翼のラッキーゾーンを固定して使用することに変更
1968年 明治維新百年を記念して優勝校に明治神宮杯が贈られる
1975年 連盟結成50周年記念試合として六大学OBのプロ野球選手による紅白試合実施
1976年 神宮球場竣工50周年記念試合として東都大学野球連盟との対抗試合、東京六大学・東都大学のプロ選手OB戦を実施。
1979年 連盟100シーズン
1988年 昭和天皇ご不例のため、試合中の太鼓応援が自粛。その後、周辺住民の感情に配慮し、太鼓応援の一部制限
1992年 プロ野球日本シリーズ開催に配慮し、初のナイター試合を実施
1994年 今上天皇天覧早慶戦開催
1995年 連盟結成70周年記念試合として六大学現役選抜対六大学OBとの試合実施
1996年 明治神宮外苑創建70周年記念試合として東都大学野球連盟との対抗試合実施。また岐阜県長良川球場にて東京六大学野球トーナメントを実施(1999年まで毎年開催)
2000年 関ヶ原合戦400年を記念し、関西学生野球連盟と協力し両連盟によるオールスター東西対抗学生野球大会を実施(岐阜県長良川球場および大垣北公園野球場で各一試合ずつ)
2003年 早慶戦100周年記念行事。両校シニアOBによる親善試合と全早慶戦を実施
2006年 明治神宮外苑創建80周年記念試合として東京ヤクルトスワローズと試合
2007年 2007日中文化・スポーツ交流年記念日中大学野球交流戦として東京六大学選抜対中国大学選抜の試合を実施
2010年 愛媛県松山・坊っちゃんスタジアム開場10周年を記念した東京六大学野球オールスターゲームを実施
2013年 一般財団法人に移行。
2016年 明治神宮外苑創建90周年記念奉納試合として東京ヤクルトスワローズとの試合を実施

特徴
早慶戦を起源とすることから、最終戦の対戦カードは必ず早慶戦となっています。よって、早慶両校は全5カードを戦うのに最大8週間かけることが出来、かつ3週連続で試合を行うことは絶対ないのに対し、第1節で早慶両校が出場しない場合は実質6週間(3週連続を含む)で5カードを消化しないとならない大学が出るので、選手の疲労度を考慮すると、日程面では早慶両校が他校と比較して有利になります。

プロ野球の人気上昇前は日本の野球において高校野球と人気を二分してきました。1980年代以降は以前ほどの人気を集めていませんが、東京六大学野球連盟の発表する観客動員数によると早慶戦を含まなくとも大学野球では全国一の動員力となっています。

コンバットマーチ(早稲田大)、ダッシュケイオウ(慶應大)、狙いうち(明治大)、チャンス法政(法政大)、セントポール(立教大)、鉄腕アトム(東大)など、現在の高校野球やプロ野球で使われる応援曲の多くが東京六大学から生まれています。また、野球応援にチアリーダーが登場したのは、東京六大学が最初とされています。

運営方法
加盟大学6校による固定リーグです。

対戦方法
春秋でそれぞれリーグ戦を行ないます。全チームが全て同じ日に試合をすることはなく、毎週最大4チーム=2試合ずつ開催します。早慶戦は必ず最終週に組まれ、この週は1試合のみになります。

2戦先勝方式
2戦先勝方式の総当たりによる勝ち点制。引き分けは再試合。同一の対戦校に対して先に2勝したチームがその相手校との対戦に勝利したとして対戦を終了し、1勝1敗の場合は第3戦を行い決着を付けます。対戦校のいずれかが2勝するまで、対戦は終わりません。
引き分けはプロ野球との併用日は9回終了時、それの1・2回戦は12回終了時、3回戦以降は1勝1敗の場合、15回終了時同点であれば引き分けとなります。この時にプロ野球との併用であれば、第2試合(1試合のみの場合はその試合)は15回を満たしていなくても、17時を過ぎた時点で次のイニングスに入りません。7回終了(後攻チームがリードの場合は7回表終了時)をもって試合成立とし、それ以前の試合中止はノーゲームとなります。得点差によるコールドゲームの成立は採用していません。2011年東日本大震災が発生したのに伴う節電対策の一環として、同年春季リーグにおいては「日没で試合続行が不可能となった場合はコールドゲーム」とするなど特別ルールが制定されました。

順位決定方法
同一対戦校に勝ち越した場合に勝ち点1を獲得し、勝ち点が多い方が上位、勝ち点が同じ場合は全体の勝率比較によって順位を決定する勝点制を採用しています。
勝ち点も勝率も同じ場合は、優劣の決定が必要な場合=優勝校の決定に限り決定戦を行ないます。2校で実施の場合は1回戦制で勝者を決め、3校で実施の場合は各校1回戦総当たりで試合を行い、3校とも1勝1敗の場合は優勝は預かりとし、全国大会への出場は抽選により決定します。同点決勝の場合、延長戦は回数無制限(原則引き分けなし)とします。決定戦の成績は選手個人の成績を含めリーグ戦の成績累計には含めません。

審判・公式記録員
審判員・公式記録員とも、各校が各々選任したOBが務めています。審判員は各校から3名ずつ選出され、球審及び塁審3名の4名(照明点灯時は線審2名が加わる)で審判を行います。また、試合判定に関わる規則委員も各校から1名ずつ、選任されたOBが務めます。各試合の審判員・記録員とも、対戦当該校以外の者が務めます(例:早慶戦では明・法・立・東の4校のOBが審判員及び記録員)。

フレッシュリーグ
リーグ戦の前座として、開幕日を除く毎日1試合及びリーグ戦最終日の翌日から3日間は各2試合、6チーム総当たりリーグを行われます。出場は一・二年生が対象で(他校より部員数が少ない東大は三・四年生も参加可能)となっています。

その他
スタンドインしたホームランボール、ファウルボールを拾得した観客は前記のボール係に返しますが、代わりに連盟オリジナルのピンバッジがもらえます。

試合会場
すべて神宮球場のみで行なわれます。

東京六大学野球連盟は神宮球場の建設時に協力をし、また1931年の神宮球場の拡張の際に工費を負担した経緯から、球場の使用割り当てを決定する上で最優先の配慮を受けています。

球場内の座席は学生席(500円)、内野席(800円)、外野席(700円)、内野席(1,100円)、特別指定席(1,300円)に分けられています。

全国大会成績
 法政大   全日本大学野球選手権大会 出場20回:優勝 8回:準優勝 1回:ベスト4 7回
       明治神宮大会       出場15回:優勝 3回:準優勝 5回:ベスト4 5回
 明治大   全日本大学野球選手権大会 出場17回:優勝 5回:ベスト4 5回
       明治神宮大会       出場13回:優勝 6回:準優勝 2回:ベスト4 2回
 早稲田大  全日本大学野球選手権大会 出場14回:優勝 5回:準優勝  4回:ベスト4 1回
       明治神宮大会       出場11回:優勝 1回:準優勝 5回:ベスト4 5回
 立教大   全日本大学野球選手権大会 出場  5
回:優勝 4回
       明治神宮大会       出場  3回:準優勝 2回:ベスト4 1回
 慶應義塾大 全日本大学野球選手権大会 出場10回:優勝 3回:準優勝 3回:ベスト4 2回
       明治神宮大会       出場  9回:優勝 3回:準優勝 1回:ベスト4 1回


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
やっと出ました東京六大学。
昨年、ちらっと神宮球場で見かけた六大学野球ですが、面白いですね。応援風景は、今までに経験したことのない新鮮な感じでした。

確かに東京六大学といえば特別な感じはします。ネームバリューが違いすぎますものね。

あと5つ・・・はい、確かにそうです。

eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

やっと東京六大学がでてきましたかぁ~
何故かわからないですけど私、早稲田シンパなんです。
誰か好きな選手がいたわけではないですが・・
野球は勿論箱根駅伝も密かに応援しています。
BIG BEARSも気にはしています(笑)
尤も野球は東京大学も応援していますが!(判官贔屓かな?)

偏見だと思いますが大学野球の頂点という感があります。
他の連盟の方ごめんなさいm(_ _)m

21連盟目・・あと5連盟ですね!
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