主に在京テレビ局で1980年代ごろから「♪ゆったり たっぷり の〜んびり」で始まるCMソングでおなじみの、ホテル三日月グループ。
ホテル三日月グループは千葉県内の外房に「勝浦ホテル三日月」「鴨川ホテル三日月」、内房の木更津に「龍宮城スパホテル三日月」、栃木県日光市に「きぬ川ホテル三日月」、ベトナムに5ホテル1113室を所有しており、国内9社・海外1社の会社によって運営されています。
2019年9月の台風15号で千葉県内が大規模な被害を受けた際にも、自慢の大浴場を無料開放しました。
また、今回、新型コロナウイルスによる政府チャーター機第1便で日本に帰国した方々を滞在先として受け入れており、まさしく「神対応」です。
日本政府はチャーター機派遣を決めた直後は、帰国後の検査で症状のない人は帰宅させる方針だったそうです。しかし、感染拡大防止に万全を期すため、急遽、症状のない人も当面滞在できる場所を確保する方針を決めました。しかし、チャーター機の第1便が1月28日午後8時すぎに日本を飛び立った時点では滞在先は決まっていなかったそうです。
いくつかの民間ホテルが候補となったようですが、どこも交渉は進まず、チャーター機の離陸予定時刻のわずか数時間前に千葉県勝浦市にある「勝浦ホテル三日月」へ依頼したとのことです。政府からの依頼を受け、千葉県や勝浦市に確認を求め、受け入れを決定したとのことです。
受け入れ当日となる1月29日に従業員への説明を行うことにしましたが、政府からの受け入れに関する要請書がまだ発行されておらず、首相官邸からは、「従業員には総理からの要請ですと伝えて欲しい」と口頭で要請があったそうです。
実はホテル三日月グループの小髙芳宗社長は、自民党の海外視察の際に経済界の一員として参加したこともあり、接点があったこともあり、今回の依頼の切り札として白羽を立てたということです。また、宿泊予定者を千葉県内の2つのグループのホテルへ移すことも可能なこと、2019年の台風15号で被災した地元住民に大浴場を無料開放した例もあったため、「政府は彼の男気にかけた面もあった」とのことです。
ちなみに、話題になった相部屋問題について、受け入れる人数は当初の予定は100人前後でした。ホテル三日月は、収容人数の関係上、最大でも177部屋しかないことは伝えてあったそうです。そして、実際にホテルに到着したのは191人だったという顛末です。
ホテル三日月の経営理念の1つに「地域貢献」があります。今回の対応は、人が困っている、地域が困っているときに役に立たなければならないという思いがあったということだと思います。
一方で、ホテルや従業員、その家族に対して心無い言葉が浴びせられたことがあったようです。周囲が不安を覚えるのもわかる気がしますが、それでも心無い言葉を向けることは絶対にあってはいけないと考えます。
ホテル三日月の公式サイトには、「様々な困難があることも予想されましたが、当社は、同じ日本人として、帰国者のために、政府の要請に応えることを決断しました。当社は、本件の受け入れのみならず、これからも地域、日本の繁栄のために邁進していく所存です」と書かれています。
なお、ホテル三日月グループには、三日月インを除いてすべてのホテルに、開運の湯 「K18黄金風呂」と「純プラチナ風呂」が設置されています。これは、2019年現在約2億9,000万円(時価)の18金で作られた浴槽の風呂だそうです。通称、「黄金風呂」「金風呂」とも言われています。
2009年1月に2009 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の監督だった原辰徳さん(現;読売ジャイアンツ監督)が「金風呂入って金メダルを獲ろう」と言って入浴し、実際にWBCで優勝しています。
まだ、「♪ゆったり たっぷり の〜んびり」とはならない状況が続いていますが、いつの日にはホテル三日月に行ってみたいと思います。
きっと、すばらしいサービスが待っていると思います。