一期一会(いちごいちえ)とは茶道に由来することわざです。
「あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう」と言う意味であり、江戸時代の有名な茶人千利休の茶道の筆頭の心得で、利休の弟子の山上宗二の「山上宗二記」に「一期に一度の会」という一文を記しているところからの由来です。
そして、この考えを幕末の大老・井伊直弼が「茶湯一会集」という著書の巻頭に「一期一会」という言葉にして世の中に広めたものです。
つまり「これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人には接しなさい」ということです。
生きている一瞬一瞬のすべてのことが「一期一会」なのですよね。
昨年、チーム創設初優勝と日本シリーズ初制覇した東北楽天ゴールデンイーグルスのセカンドを守る藤田一也選手。
その守備は現在のプロ野球界、そして過去にさかのぼってもトップレベルの評価がされています。
難しいバウンドの打球もたやすく手なずけるグラブさばき、二塁ベースを挟んで遊撃側のゴロまで捕る位置取りの確かさ、視野の広さと判断力は抜群です。
それは他チームで名手と言われた奈良原浩さん(埼玉西武ライオンズ守備走塁コーチ)、白井一幸さん(北海道日本ハムファイターズ内野守備走塁コーチ)らも高評価しているほどです。
また、星野仙一監督は「藤田の守備で10勝は拾った」と感謝するほどです。
その藤田選手の座右の銘が「一期一会」。
野球だって同じことですよね。
バッターボックスに立ってピッチャーの投球を待つ。そこで投じられるボールは何球もあるかも知れませんが、まったく同じボールは二度と来ないだろうと考えなければいけません。守備の際の打球だって同じことです。
だからこそ、一球一球を大事にしなければなりません。
ボールとの縁を大切にしなければいけません。
もう、その瞬間、そのプレーは二度と訪れないのですから。