今、注目はブラジルにいる32ヵ国。
そこには出場していない、米領サモア代表というチームを知っていますか?
オセアニア地区に所属し、FIFA(国際サッカー連盟)最新ランキング197位(まだ、その下には12チームもあるのですが)。
米領サモアは人口約5万5000人の6つの島などで構成されています。
2009年のサモア沖地震では、4.5~6mの津波が4回到達。この地震でサモア、トンガも合わせて140人が死亡、約70の村落が壊滅、数万人が家屋を失ってしまいました。
ナショナルチームは、AFC(アジアサッカー連盟)に転籍する前の、2001年4月11日のオーストラリア代表とワールドカップ予選の試合で0-31で負けました。これは国際Aマッチ史上最大点差の敗戦です。
米領サモア代表は1994年の初公式戦以降、30試合で0勝。しかも、30試合の内容が12得点で229失点。
最新FIFAランキング205位(その下には4チームのみ)のクック諸島にさえ、勝てないチームです。
今回、ブラジル大会のオセアニア予選は2011年11月22日から開催されました。
この映画はその2011年の予選の戦いをドキュメンタリーとして撮影されたものです。
YouTube: 映画『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』冒頭映像
ワールドカップと言えば、世界最大のスポーツイベントの一つ。
その頂点に立つのは、どのチームにとってもはるかに長く、厳しい戦いです。今回20回目ですが、過去に優勝チームしたのは、たった8チーム。予選敗退をしたことがないのは、2チーム(ブラジルとドイツ)だけ。
ポルトガル、イタリアやイングランドでも予選で負けていますので、必ずしも強いチームが必ず出場できるわけではないのですよね。
当たり前のようにワールドカップに出場しているチームもあります。
でも、どんな小さなチームも戦っているのです。その戦いには歴史があるのです。
そして国の名誉のため、愛する家族のため、自分自身のプライドのために戦っています。
米領サモアが最後にゴールを決めたのが2007年8月25日のソロモン諸島戦(1-12)。
たった1点であっても、一勝だけであっても、その事実がどれほど国民に、家族に、チームに勇気と希望を与えるか。
そして、そこから、もちろんワールドカップ予選に勝ち上がって、世界一を目指していく。
「夢をあきらめない」、「挑戦する理由がある」、「何度でも立ち上がる」
困難をチャンスに変える挑戦心とチームで戦う団結力。
日常に慣れて、忘れかけている物を思い出させてくれる映画です。
(もちろん、K陵中も”ネクスト・ボール”に挑戦です!!)