広島大学は、広島県に本部を置く広島の国立大学です。旧制広島文理科大学をはじめ広島地区に所在していた官立(国立)の7校を包括、さらに広島市立の1校を併合して、1949年に新制大学として設置されました。2004年4月に国立大学法人化、2006年4月には全部局の大学院講座化(大学院部局化)完了により、現在11学部と11研究科を設置した大学院大学です。
略称としては「広大」=「ひろだい」が用いられることが多いのですが、「ひろだい」の呼称が通用するのは中・四国地方を中心とした西日本に限られることが多く、東日本では「ひろだい」といえば弘前大学を指す場合が多いです。
野球の広島六大学春季リーグ戦を10勝4敗、勝ち点5で完全優勝し、17季ぶりに制した広島大が全日本大学選手権に35年ぶりに出場します。
昨年春季から3季連続で3位。国公立大はなかなか勝ち上がれませんが、今季優勝の立役者が3季連続最優秀防御率賞とベストナイン、この春も6勝を挙げ、最優秀選手に輝いた中田朋輝選手(四年・宇部高)です。最速150km/h近い本格派右腕です。
昨年秋季までは抑えピッチャーに不安があり、本田昂大選手(三年・刈谷高)を先発から抑えに回したのが上手くいき、そこへ制球が安定した技巧派左腕の橘知哉選手(三年・長田高)が先発を担えるようになったことが上位躍進につながりました。
練習環境は恵まれてはおらず、練習グラウンドには、今頃はシロツメクサの白い花が咲き、雑草がくるぶしの上まで伸び、外野ノックも一苦労になるそうです。もちろん(?)ナイター設備もありません。
就任1年目の毛利祐太監督は東広島市職員のため、平日は練習に参加することができず、2人の学生コーチが練習メニューから戦術まで考え、選手たちも暇さえあればネットや本で技術向上につながるヒントを探しているそうです。
主将の国政隆吾選手(四年・松山東高)は「公立だ、私立だと意識して、自ら敵を大きくするのは愚かなこと。神宮でも、その姿勢を貫きたい」と言っています。
さて、全国出場の準備で忙しいのは野球部だけではありません。
「急募! 臨時チアリーダーを募集します」
ということで、野球部の応援をするため、体育会応援団のチアリーディング部が広島大に在学中の学生助っ人を募集しています。
呼びかけているのは、唯一の部員の松原美由さん(二年)です。入学時、部員がおらず休部状態だったチア部を、たった一人で復活させました。昨年の秋の学園祭では友人の助けを借りて演技を披露し、野球部の公式戦にも、学ラン姿の応援団とともに、スタンドで声を張り上げて応援しています。
今回、明治神宮球場と東京ドームで始まる選手権大会に、「せっかくの機会。もっと華やかに応援したい」と、臨時チアの募集を決めたそうです。
松原さんは応援部や野球部の助けを借りながら、5月30日、31日に学内で募集のチラシを配っり、部の公式ツイッターで呼びかけました。その甲斐あって、5月31日現在、5人が助っ人を申し出てくれたそうです。吹奏楽部も応援に駆けつける予定で、応援歌や振り付けを準備しています。
広島大野球部は6月11日の開幕1回戦で東北福祉大と対戦します。その日は偶然にも松原さんの21回目の誕生日だそうです。
野球部の全国1勝が松原さんへのバースディプレゼントになるでしょうか。