今年もあと一週間。
クリスマスソングの定番である「Last Christmas」(Taylor Swiftバージョン)をBGMにして、お読みください。
YouTube: Last Christmas Taylor Swift Music Video
米国での話です。
23歳で化粧品会社を設立。でも、その年の年末には会社が倒産し、一文無しになってしまいました。
飲まず食わずで一週間。仕方なくレストランに入り、食事をしてしまいます。請求書を出されても、もちろんお金は持っていません。財布を探すフリをしながら、警察に通報されることを覚悟します。
すると、店主が肩を叩いて、
「お客さん、落としましたよ」
と店主はそっと20ドル紙幣をテーブルに置きました。
店主の勘違いだと思い、しかし、本当の落とし主が現れたら困るので逃げるようにお金を受け取り会計を済ませてしまいます。
その後、その男は警備会社を設立し、最初は順調で結婚して子どもにも恵まれます。
でも、成功は長続きせず、また会社は倒産し、またも無一文。
そして、ついに銀行強盗を決意し、銀行に向かってしまいます。
銀行に入って、ポケットの中の銃に手をかけたとき、目の前の女の子が貯金をしようとカウンターにお金を出しました。
それは20ドル札。
このとき、男は4年前にレストランで受け取った20ドルの事を思い出したという。
そのまま何もせずに銀行から出て、そのままあのレストランへ向かいます。
「僕のこと覚えていますか。4年前このレストランに来た者です。あの20ドルは・・・」
店主は男に
「クリスマスは皆がハッピーになれるんだよ」
と一言。
その後も、一所懸命働いたのですが、上手く行かず、途方に暮れていた時。
売店でポップコーンを注文したのですが、店員の女性は暗い表情で違う商品とお釣りを手渡されてしまいます。
男は彼女が困っているのだと思い、
「メリークリスマス」
と言って、今度は自分からお釣り中から20ドルをプレゼントしたのです。
驚いた女性は笑顔で礼を言います。
その女性の笑顔を見て、男は銀行に行き、残った全財産を20ドル紙幣に換えます。
そして白いオーバーオール、赤い服とベレー帽の姿で街に出て、困っている人や貧しい人に20ドルをクリスマスプレゼントとして手渡していきます。
家に戻ると「銀行にお金が残っていない」と奥さんから聞かれますが、「落としてしまった」と答えると、「仕方がないわね。でも、あなたは幸せそうね」と。
翌年。友人と長距離電話の会社を設立。遠く離れて生活している人のためにという奉仕の精神で会社を設立。
そして、その年のクリスマスにも困っている人々に20ドルをプレゼントする活動を続けます。
このことを続けていると会社も業績が上がり、大企業に成長していきます。
さらに大富豪になっても、クリスマスになると、このことを続けていました。
いつしか、この男は「シークレットサンタ」と呼ばれるようになります。
もちろん、家族にも内緒の事です。それから一年も休むまずにシークレットサンタの活動を続けますが、ついに奥さんに正体がバレてしまいます。すると、
「素敵なことじゃない。これからはもっと節約してたくさんの人を助けられるように協力するわ」
と言われ、それからは家族も活動を陰から支えます。
1999年12月。ミシシッピ州トゥペロという小さな町に行き、お店に入ります。
男は店主に会い、店主は28年前のことを思い出します。
そして、彼がしてくれたことをいつか誰かにしようと思ったのだと話した。 20ドルは、落ちていたものとして店主が彼にくれたものだったことに。その20ドルがなかったら刑務所に入っていただろうと。
店主は警察に連絡するのではなく、自らの過ちに気づき、他人への優しさを知って欲しいと思って20ドルを差し出したそうです。
それをずっと覚えていて、この活動を続けたことには頭が下がると店主は話します。
店主は男から渡された1万ドルを近所の病気で困っている人たちや生活に苦しい人たちのために使ったそうです。
その後、2001年には世界貿易センタービル爆破事件のあったニューヨークに行き、ホームレスや職を失った人々に、2005年にはハリケーンで被害を被ったミシシッピ州にも。シークレットサンタが27年間で配った総額は130万ドルになっていたそうです。
2007年1月12日。この男は58歳で静かにこの世を去ってしまったそうです。
その年のクリスマス。街にはシークレットサンタが現れます。
しかも、大勢のサンタクロース。男の意志を引き継いだ人たちがシークレットサンタになってお金を配っていたそうです。
「人々に優しくすると
私は温かい気持ちになれます
それは二重の喜びであり
相手のためだけではなく
自分のためにもなるのです」
男はLarry Stewart(ラリー・スチュワート)。