ニュースとして突如報道された話。2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会がメインスタジアムの新国立競技場に隣接する明治神宮球場に大会期間前後の使用中止を求めているそうです。期間は2020年5月頃から約半年間となり、明治神宮球場を本拠地とするプロ野球東京ヤクルトスワローズや大学、高校野球など約200試合以上に影響が出そうとのことです。この間は機材置き場や観客らの待機場所としての利用を想定しているという。
そもそも、この話は3月下旬に所有している宗教法人明治神宮からスワローズ、大学野球関係者、東京都高野連に連絡はあったものの、代替案は示されていないとのことです。
スワローズ球団社長
「球団の方には(組織委から)電話一本、文書一本、接触はない。うちとしては言いようがない」「うちは神宮球場でやらないと。代替案とか簡単に言うけど、そうできるものでもない」「(球場内に)広告を出していただいて、年間シートだって買っていただいて、何千人とお客さんがいる。簡単によその球場でどうのこうのとかは言えない」
東京六大学野球連盟事務局長
「現段階で検討のしようがない」
東都大学野球連盟事務局長
「驚いている」
東京都高野連
神奈川、千葉、埼玉など近隣の高野連理事長、日本学生野球協会などと検討部会を立ち上げ、協力を要請する予定。さらに、駒沢オリンピック公園総合運動場内にある硬式野球場(世田谷区)の改修を都に要望する方針。
遠藤利明五輪相
「これは全部交渉事ですから、議論があってしかるべきですし、こういう交渉事はこれからも数多く出てくる。なぜ、これが大事になるのかという思い」
ちなみに、東京オリンピック開催に伴う新国立競技場を初め、明治神宮外苑のスポーツ施設の再開発は(1)2020年大会までに秩父宮ラグビー場を取り壊し、駐車場として整備する(2)明治神宮球場はオリンピック・パラリンピック期間中は現状のままとして使うという主に2点が軸でした。さらにオリンピック後は、秩父宮ラグビー場の跡地に300億円規模の「新神宮球場」、神宮球場の跡地に「新秩父宮ラグビー場」を2025年までに建設する計画でした。ところが、この案は昨年4月の合意から交渉は進んでいないらしいのです。
それはともかく、機材置場などは普通に考えれば新競技場の付帯設備として、最初から考慮しておくべきだと思いますが。付帯設備で思い出しましたが、そういえば聖火台の設置場所がなかった問題はどこへ行ってしまったのでしょうね。
プロ野球、大学野球、高校野球にしても、おいそれと代替案が見つかるとは思えません。学童野球の練習試合だって、場所を探すのに苦労するのですからね。そもそも、組織委側からの打診では、中止が必要な理由はおろか、中止に伴う代替会場、補償額など具体的な交渉は、まったくないそうです。
その昔、前回の東京オリンピック前の1961年に東映フライヤーズ(現; 北海道日本ハムファイターズ)が都から駒沢球場(世田谷区駒沢)の立地を1964年の東京オリンピックの会場整備に充てるため、用地を返還するよう命じられ、都の仲介によって1962年から本拠地を神宮球場に移し、駒沢球場は9年で歴史に幕を下ろすこととになりました。なお、この1962年にフライヤーズは球団史上初のリーグ優勝を果たし、日本シリーズも制して初の日本一に輝いています。
これで思い出すのは、事情は違いますが、プロ野球・千葉ロッテマリーンズがロッテオリオンズ時代の1973~1977年までの5年間、宮城県仙台市の県営宮城球場(現; 楽天koboスタ宮城球場)を暫定本拠地とし、1978年から川崎球場に落ち着くまでの間、首都圏(後楽園、神宮、川崎)や静岡(草薙)などを転々としながら主催試合を開催していました。なおこの間、1974年にはリーグ優勝、日本シリーズも制して日本一にも輝いていますが。
大学野球、高校野球ならば都内にまだ試合可能な球場があり、何とか試合することは可能だと思います。それでも、今までどおりとはいかない苦労はあると思います。一方、プロ野球の一軍の試合を開催するには、球場の規定があり、そう簡単に代替地は見つからないでしょう。
うーん、どうでしょう。いっそのこと、新潟ハード・オフスタジアムを使うと言うのは。東京音頭の代わりに佐渡おけさ。
東京音頭にこだわるならば、東京ドームで早朝野球。
ただ、過去の事例では2チームがリーグ優勝し、日本一。ということは、2020年のセントラル・リーグ優勝予想は東京ヤクルトスワローズで決まりですね。