2020年 17回 / 0回
2019年 8回 / 1回
2018年 16回 / 0回
2017年 7回 / 0回
2016年 31回 / 2回
2015年 7回 / 5回
2014年 6回 / 2回
2013年 9回 / 2回
2012年 16回 / 3回
2011年 97回 / 9回
これは、「緊急地震速報(警報および予報)」が発表された回数と、「津波警報・注意報」が発表された回数です。
TVなどで緊急地震速報が流れますと、震源地が内陸部であったとしても、津波の有無についての情報が出ます。気象庁では地震が発生したときには、地震の規模や位置をすぐに推定し、これらをもとに沿岸で予想される津波の高さを求め、 地震が発生してから約3分、日本近海で発生し、緊急地震速報の技術によって精度の良い震源位置やマグニチュードが迅速に求められる地震については約2分を目標に、津波に関する警報や注意報を 津波予報区単位で発表するようにしています。
このときに予想される津波の高さは、通常は5段階の数値で発表しますが、マグニチュード8を超えるような巨大地震に対しては、 精度のよい地震の規模をすぐに求めることができないため、その海域における最大の津波想定などをもとに発表します。その場合、最初に発表する警報などでは、予想される津波の高さを「巨大」や「高い」と発表して、非常事態であることを伝えようにしています。
先日の2021年2月13日午後11時7分に福島県沖で発生した地震でも、緊急地震速報が流れた3分後には、「若干の海面変動があっても、津波被害の心配はありません」という情報が出ました。
地震や津波の情報は発生しないに越したことはありませんが、万が一に発生してしまったときに、これほど速さと精度の高さのある情報は、私たちに安心と安全を与えてくれたりもします。
日本には、地震の規模や震源位置の推定機能を持つ多機能型の地震計や、震度を計測する震度計、津波の観測機器などが全国に1000地点ほど設置されています。それに加えて、自治体や防災科学技術研究所などが設置している5000地点を超える観測施設からも、地震や津波の観測データが気象庁に24時間365日休まずに送られ、蓄積されていきます。
その観測データを解析するのが2007年から運用が開始されている、「地震活動等総合監視システム(Earthquake Phenomena Observation System:EPOS)」というシステムで、日本各地から地震や津波の観測データを集めて、リアルタイムで解析しています。
気象庁では、地震の発生から津波速報を出すまでに、1990年代は5分を目標としていました。1994年からは津波・地震早期検知網を全国的に整備し、1999年から3分程度で速報を出せるようになりました。そして、そのときから「量的津波予報」という、津波がどれくらいの大きさになるのか数値的に発表するシステムを開発して、発表するようにしました。
2011年3月11日の東日本大震災でも津波警報の第一報は約3分で発表されていました。
しかし、その時点ではシステムは改善途中だったことと、測定範囲を超える大きさで断層が3分以上動いていたため、津波の大きさを判定しきれず、東日本大震災で想定した津波の高さは宮城県6m、岩手県3mでしたが、実際には10m以上の津波が発生となり、低めの予想になってしまいました。
気象庁は震災を教訓に地震や津波情報の迅速化を改善し、震災以前は陸地と浅い海底にしかセンサーがありませんでしたが、震災後に防災科学技術研究所と協力して、「ブイ式海底津波計」というセンサーを水深の深い位置に沈め、日本東側にある日本海溝周辺に「日本海溝海底地震津波観測網(S-net)」を構築しました。
その後、防災科学技術研究所が「ケーブル式海底地震計・水圧計」を整備し、陸上から海底ケーブルを引いて北海道沖から千葉県房総半島沖の太平洋の海底に地震計・水圧計を配置しました。当初は156基の計器を設置しましたが、その後追加されて、現在では約180基が設置されています。
気象庁でもその観測データが使用できるようになり、光ケーブルなどでデータ伝送されるようになり、緊急地震速報の発表が最大約2.5秒早くなり、津波発生の有無、波の高さ予想なども、速く正確に計測して情報を発信することが可能になったそうです。ちなみに、このケーブル式海底地震計・水圧計は2021年から南海トラフでも整備が始まります。
なお、日本の近くで発生した地震の場合、津波は早ければ地震発生後数分で沿岸に到達するため、地震が発生してから到達時間や波高を計算するのでは、津波の到達までに警報が間に合いません。そこで気象庁には、津波を伴う地震の発生が予想される領域については津波の伝播過程のシミュレーション結果を蓄積した「津波データベース」が用意されています。
地震発生時には、震源や規模を早急に推定し、次にその地震要素に近いデータベースから、実際に起きた地震に合わせて修正し、最適な津波予測値を算出することで、地震発生から約3分以内の発表を実現しています。
日本から遠くの地震の場合は、地震の発生する海域ごとに複数国間で津波の防災体制により、地震や津波に関する情報を共有しています。日本は、太平洋津波警報センターに加盟し、北西太平洋・インド洋地域における津波の監視を24時間体制で行なっています。これらの海域でM6.5以上の地震が発生した場合、気象庁から各海域の関係国へ、津波発生の可能性の有無を発表し、津波発生の可能性がある場合は、津波到達予想時刻(北西太平洋の場合は、津波波高の予測値も)を発表します。
いつ、どこで起こるか分からない地震や津波。その発生をできるだけ早く伝え、身を守る行動がとれるように、気象庁では「緊急地震速報」と「津波警報」が発表しています。これらの情報を見聞きしたときは、素早い判断で身を守る行動をとることが大事だと思います。
あらためて、2度とこない今日という1日を大事に大切に過ごしたいと思います。
良いことはずっと続き、良くないことには、必ず終わりが来ると信じていきましょう。
今日も、私のブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。明日もまた、元気にここでお会いしましょう。