野球小僧

長野県に災害をもたらす台風

「関東地方および甲信地方に接近した台風」は毎年2~4個。近年の多いときでは2018年、2016年の6個。気象庁の統計開始後でも1965年の7個。

「関東地方および甲信地方に接近した台風」というのは、気象庁の定義では、「台風の中心が茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都(島しょ部を除く)、神奈川県、山梨県、長野県のいずれかの気象官署等から300km以内に入った場合」としています。

台風10号は熱帯低気圧になった2024年9月1日以降に長野県内に最接近。

9月1日は青空が見えているものの、元台風の置き土産なのか、お昼ころから南風が強く、午後3時ころには風速約7m/s。

9月1日の天気予報では、「南から暖かく湿った空気が流れ込む影響で、県南部を中心に3日にかけて大気の状態が不安定になり、警報級の大雨となる恐れがある」なんてことで、台風を辞めたあとでも、迷惑千万。

さて、長野県の台風災害はおおむね8~10月。

海なし県ではあるものの、過去には県内を台風が通過し、大きな被害がでたこともあります。

■長野県を通過するコース
県内を通過する最悪のコ-ス。大雨と強風の被害が発生。全県的に大雨と強風の被害が発生し、千曲川水系では厳重な警戒が必要。

5907(1959年8月12日~14日)
県の東部・北部を縦断したため風、雨ともに非常に強く、死傷者453人、住宅への被害が約2万戸に達する空前の被害。44市町村に災害救助法が適用。

■西側北上コース
西側を北上するコ-ス。全県が暴風・大雨域に入り、風水害が発生。特に木曽川、天竜川水系では厳重な警戒が必要。

9515/伊勢湾台風(1959年9月25日~27日)
強風による住家の全半壊が約1万戸。全体の70%が南部に集中。死傷者は約272人。農作物被害は、りんご、ぶどう、梨など全県。

9807(1998年9月21日~22日)
和歌山県に上陸し強い勢力を保ったまま西側を北上。全域で南よりの強い風が吹き、松本の最大瞬間風速は37.6m/s、伊勢湾台風時の最大瞬間風速35.3m/sを上回る。

■東側北上コース
県の東側を北上するコ-ス。台風の吹き返しによる強風の被害大。特に台風に近い佐久地方の山沿いは雨、風が強まる。東部や北部では大雨に警戒が必要。

5821(1958年9月17日~18日)
県の北東部と東部周辺で総雨量が140~200mm以上。千曲川水系の中小河川が氾濫・決壊し、死傷者約150名。

8218(1982年9月10日~13日)
佐久から北部で総雨量が140mm~200mm以上、南部200mm~300mm。千曲川水系の中小河川が氾濫し、飯山市の樽川が決壊。死者2名、負傷者33名、被害総額は約554億円。

1919(2019年10月10日~13日)
県の東と北東部を中心に総雨量が140mm~300mm以上。千曲川堤防の決壊などによる洪水や大雨で多大な被害。記録的な大雨により、県内43市町村に初めて大雨特別警報を発表。



■南側東進コース
太平洋側を東に進むコ-ス。典型的な雨台風で伊那谷や木曽谷、佐久地方などを中心に一様な大雨。

8210(1983年9月28日~29日)
中部・南部で総雨量が200mmを超え、各地で土砂崩れが発生。諏訪湖が増水し約1,083haが浸水(床上・床下浸水家屋は約6,600戸)。飯山市常磐地区では千曲川が決壊。

■対馬海峡から日本海中部を北東進コース
全般に雨量は少ないものの、北部の山沿いで強風となり、北アルプス一帯では強い風と雨。

9119(1991年9月27日~28日)
全県で強風となり特に北部の千曲川沿いで、最大瞬間風速が30m/s~40m/s。この強風により果樹中心の農作物に被害が発生。

私の記憶のあるものとしては、「9807(1998年9月21日~22日)」。

ちょうど午後に台風の中心が松本付近を通過。そのときに、会社の玄関まえの植木が風で根こそぎ倒れたのを見ていました。

「1919(2019年10月10日~13日)」のときは日本にいませんでした。ただ、その影響は大きく、大雨で氾濫した千曲川の水が流入し、長野市中心に大きな被害があり、松本市周辺でも河川の堤防道路が崩れ、いまだに復旧工事しているところもあります。

災害から学び、未来への備えを万全にしておきたいですね。

本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。

今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。

また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

3000m級の山によって四方を守られている「天然/自然の要塞」ではありますが、「はまる」と行き場がなくなって被害があるのも現実ですね。

ただ、台風が近づいてくる時期はちょうど農家さんの収穫の時期ですから、それはもう対応が大変です(どこでも同じでしょうけど)。

自然が相手ではどうにもならないことが多いですが、いかに災害を減らし、そのあとの復旧をいかに早く対応するかですよね。
eco坊主
おはようございます。

信州はアルプスに守られていて台風の影響や被害が少ないというイメージですが・・
こうやって羅列されるとかなりあるのですね。不知案内でした。
我が県も秀峰大山が守ってくれるという言い伝えがありますが・・

先日も述べられていたように我が国においては地震と台風(と政治屋さんの不祥事)を避けて通る事はできないですもんね。何処に住んでいてもきをつけなくっちゃ!

今日もありがとうございました。
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