囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

口を出すな、手を出すな

2023年02月12日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

【悪いクセは直しましょう/友を失うこともあります】

 

囲碁のマナー違反として

「横から口出し」というのがある

 

岡目八目とはよく言ったもので

観戦者は、頭が冷静なので

実力以上に「手が見える」

 

このため、つい教えたくなる

よく見かける悪いクセである

 

わたしも普段、我慢しているが

お弟子さんの級位、初二段には

つい口が滑り勝ちである

 

最も迷惑なのは

ヒソヒソ話だったり

「あっ」とか「うっ」とか

うっかり声を発することである

 

対局者には聞こえる

 

できるなら、勝敗決着後の並べ直しが良い

局後に「あの局面だったら……」と言っても

級位・初二段には「アノ」が分からない

並べ直しても、途中で分からなくなる

それでも、やらないよりは、マシだ

 

最初から序盤だけでも並べ直すことは大事で

慣れると、案外できるものであり

やっていくと棋力も向上するのである

 

以上、対局者も、観戦者も

口を動かすな、頭と指を静かに動かすべし

これを守りたいものである

 

     ◇

 

数年前、アマ大会での出来事――

 

わたしの対局を観戦していた碁友が

最後の最後のダメ詰めの局面で

「ここが、残っている」と言いつつ

手を出したところ、ヘマをして

盤面の石が大きく崩れた

まったく余計なお世話、

迷惑千万である

 

わたしと相手が並べ直してみたが

細部が複雑でなかなか上手くいかない

相手は怒り、碁友を強く叱責し始めた

 

いたたまれなくなったわたしは

「投げようか」とも思ったが、

それも筋違いで、ただ困惑するのみ

 

幸い、憤慨した相手が言うだけ言って

大人げないと思ったか事を収めて

並べ直しもナントカ上手くいって

わたしの惜敗となった(腑に落ちない)

 

なんとも後味悪い出来事だった

あの光景がリアルに浮かぶことがある

「口出し・手出し」は普段からやめましょう

マナー違反は友を失う可能性がありますから

 

 

 

 

 


ケンカを売りに行くか?

2023年02月11日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

【〝場を守る〟ということ / 会の運営は 丁寧に きめ細かく 大胆に】

 

碁将棋は、勝負であり、決闘である

勝つか負けるかのスリルとサスペンス

ああ、怖い、ドキドキする、ワクワクする

 

としても、決着がつけば

双方平和にノーサイドである

それが親睦・交流のしるし

 

負けて、相手の手に悪態つくか

自分の所作を棚に上げて

相手のマナーを非難するか

これは下の下である

 

あなたは一体、

何故に碁会に行くのか?

 

     ◇

 

まもなく

世話人3年を終えるあたり

つれづれに思うこと

 

会員のなかの最年少にもかかわらず

代表を仰せつかってきたわたし

皆さんに敬語で接するのは当然としても

へりくだってばかりじゃ務まらぬ

 

責任者として

言っておかねばならぬことは

断固として譲らないし

立場をわきまえない他の世話人を

絶対に許しはしない

和を乱す会員には

イエローカードを出す!

 

世話の手間暇は苦にならずとも

みながみな紳士淑女ではないから

ときに、代表というお役目は

気を強く太く持たねばならぬ

 

このへんもまた真剣勝負である

さあ、どっからでもかかって来い!

 

 

 

 


大人になってから友達が出来ましたか?

2023年02月10日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

60歳で正社員定年を迎え、

念願の地域碁会に入れてもらい

6年半が過ぎた

 

最初は非世話人として過ごし

その後は副会長1年、会長2年

後半の計3年は世話人として

多くの愉しみを皆さんと共有し

少なからずの苦痛も味わってきた

 

1週間前のこと

リーグ戦の賞品(図書カード)を

ある世話人が三十人弱に配布する様子を

会長改め代表世話人のわたしは

じっと横で観察していた

 

どうもありがとう、ご苦労さん

と、賞品を押し抱くヒトあり

頭一つ下げず、ひったくるように

賞品をつかんで去るヒトあり――

 

地域の碁会に何を求めるか、は

個々の勝手といえばそれまでだが

人生いろいろ、ヒトさまざま

あなたの老後はバラ色ですか?

 

 

 


審判を置かないゲーム

2023年02月09日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

【対局カードは、例会の〝出席簿〟でもある】

 

碁将棋は、原則として

「対局者同士が勝敗を確認しあう遊び」である

ふつう審判はいない

プレーヤー自身が審判である

 

棋院主催等の大きなアマ大会では、

専門家の審判団を置いてはいるが

当事者同士で事が片付かない場合にのみ

最後の最後に裁定を下すだけである

 

地域の囲碁同好会では

対局カードの記載を

「対局者同士で確認しあう」

というルールにしている

 

従って

弱い相手とばかり対局して勝率を上げたり

待ったなどの反則をナアナアにしたり

ありもしない対局を捏造記録したり

という不適切な行いが仮にあったとしても

当事者の良心・判断に委ねるほかない

 

だから数字は数字として、表彰基準に合えば

自動的に賞品を贈呈することになる

規定打席達成者に千円図書カードを配っているが

昇格者には追加の賞品はナシとしている

昇格すれば本人の励みになるから

不要と判断しているためである

 

コロナ期間の活性化策だから

勝ち負けはともかくとして

参加することに意義がある

というコンセプトでよいではないか

この点は軽視してはならないことである

 

会費を払うことは

会員資格を維持するマストだが 

そのうえで望むべくは

例会に姿を見せカード記録していただきたい

そうすれば、世話人が会員の動静を把握でき、

会運営を考える材料となるのである

 

熱心に例会に出てくるヒトの声を集め

重く受け止め、よき方向性を定めるのが

代表世話人の最大ミッションである

と、わたしは考えている

 

来ないヒト、記録しないヒトもいるが

〝ありがたいお客様〟とでも言おうか

極言すれば泡沫会員とでも言おうか

世話人が念頭に置く必要はさほどない

いうなればオカネだけ落としてくれる

だけの影の薄い存在と考えて構わないのである

 

 

 

 

▲イエローカード、レッドカードを出す審判がいない囲碁では、ただ数字が並ぶのみ

おおむね二勝一敗ペースであれば、四の五いわさず強制的に昇格していただく

 

▲カード記録を巡り、クレームやアピールも毎回あるが、大半は自己申告の中身に起因している

参加者には、精緻に、丁寧に、記録してください、と呼び掛けているのだが……

例えば、氏名を書き忘れた答案用紙は零点、これと同じ理屈と考えていただきたい

 

 


碁は調和なり、碁会も調和なり

2023年02月08日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

師匠の名棋士・瀬越憲作(明治22年~昭和47年)をして

「秀策の再来なり」と言わしめた

数百年にひとりの天才・呉清源は晩年に

碁の神髄とは調和である、と説きました

 

この「調和」という言葉は

強い石と弱い石の見極めであったり

地と厚みのバランスであったり

盤上の石の連絡や働きであったり

さまざまな解釈が成り立つようです

 

同様に、

人のつながりを重んじるべき

地域の趣味の会に置いては

勝負は真剣に精魂傾けつつも

一局が終わればノーサイドであり

清々しい心持ちで帰宅する――

これが本道といえましょう

 

碁会を巡ってあれこれ書いてきましたが

事の詳細はさておき、その心は何かといえば

「碁のルールや所作を大きく踏み外さず

碁会運営の各種役割義務については

コミュニケーションを取り合い、

個々の事情を理解し合って

穏やかに進めるのが妥当」

と、わたしは思うのです

 

義務を果たさねば退会せよ、

など乱暴な物言いはもってのほかであり

事の事情を丁寧に聴き、しかし、

あくまでも、ならぬものはならぬ

という公平無私の姿勢が肝要でしょう

 

この会は、年齢層が高いことにより

ちゃんとしても、ちゃんとできなくとも

そりゃ仕方がない、としたものです

ギスギスしても詮無いと収めましょう

 

 

 

 


なりたくないけど、やりたい

2023年02月07日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

【世話になるが、世話はしない主義のヒト】

 

ことし32年目の大規模囲碁同好会で

新年度の世話人会の人事が難航しています

 

昨年7月改定の新しい会則によると

「会の運営を円滑に行うため6人程度の世話人を置く」

「全ての世話人の任期は1年とする」

「毎年度二つの班を運営当番とし、当該班の会員の中から協議・選出する」

などとなっています

 

班は十人編成で、対象者は二十人

いまだ4人が内諾するのみで、

欠員2のまま膠着状態です

 

名簿を眺めると、それぞれの事情があり、

無理もないもの、さほどではないもの、

固辞する理由はさまざまです

 

でも、

「世話をかけあい、世話をしあう」という

ギブ&テイクの同好会の趣旨からすると

何年かに一度は全員が世話人をやりましょう

という互助精神が未だ浸透していないことになります

 

碁は打ちたいが、人の世話はしないというのでは

居心地が悪い、とわたしは思うのですが

そのあたり、それぞれお考えがあるのかもしれません

乗っかるばかりで、あなたはよろしいのでしょうか?

 

 

 

 

 


会は人なり、人は財なり

2023年02月05日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

下期リーグ戦の賞品(図書カード)配りも

昨日2月4日の例会で無事終え

今年度の世話人作業も峠を越えました

世話人、班長、協力会員の皆さん

ありがとうございました

少し早いのですが、

趣味の会の運営一年を

ざっくり総括します

 

今年度のハイライトは

会の再活性化を目指した

「会則の抜本的改正」でした

2年がかりで準備、広報、広聴し

昨年7月に二度の臨時総会で

大もめの末、なんとか議決しました

 

懸案のムリムダをそぎ落とし

「役員」を「世話人」と言い換え

可能な限り負担を減らす――という

わたしの基本方針を具現化しました

が、合意形成に至るには紆余曲折あり

いちどに理想的な形にできずに

自己採点するなら70点ほどでしょうか

 

名前を変えた「世話人会」も

大局的判断も、きめ細かな対応も、今一つ

〝和を持って人のお世話に徹する〟という

謙虚さも丁寧さもまったく不十分でした

結果、年度途中で会員の1割が退会

という事態を招き、忸怩たる思いです

 

しかし、会の責任者のわたしに

個別任命罷免権があるわけでもなし

人生の荒波を越えてきた先輩たちを

完全にグリップできるわけでもなし

しばし〝暴走〟が続きました

 

新しい世話人選びも難航しており

二つの当番班二十人から六人を選ぶ

という規定を定めたにもかかわらず

いまだ四人の内諾を得ているのみ

 

〝互いに世話を焼き合う〟という

理想から程遠いのですが

〝民主的運営〟の趣味の会であれば

やむを得ない、と収めましょう

 

「一斉メール」と「同好会ブログ」を立ち上げ

同時に適宜、電話連絡と家庭訪問を併用しつつ

会員とのコミニュケーションに努めたつもりですが

それでも行き届かぬことが多々あったと思います

 

が、ちょっと声を掛ける、ということは

日々のあらゆる局面でやっていくべきだと信じます

不和の原因の多くはコミュニケーション不足であり

高齢者の多くが苦手とする分野なのですから

 

     ◇

 

きのう高校時代の親友Yから連絡があり

「今年6月に札幌で同窓会を企画するから

来ないか?」との誘いがありました

もうひとり親しくしていたМが

昨秋に亡くなったといいます

 

Мは、いかつい風貌ながら気のいい奴で

卒業後もヒトとヒトをつなげる役を

買って出ていたといいます

大きな同窓会を企画していたのですが

コロナで延期続きだったのです

その遺志を、Yが引き継ぎ、

実現させようというのです

事情が許せば出席か、メッセージを寄せようか、

判断はもう少し先にしたいと思っています

 

 


千円図書カードを〝オールバック〟

2023年02月04日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

2月4日(土)例会前に

過去4カ月の下期リーグ戦で

20局以上(規定打席)の記録者に対し

千円図書カードを贈呈しました

 

コロナ事情を考慮して特例として

年会費を半額にしていましたので

上期・下期で達成すれば

〝全額が戻ってくる〟という仕掛けです

 

わたしも、その対象となり

しかも少し勝ち過ぎたため

昇段してしまいました

分不相応でチクっとします

 

ますます棋力・所作・マナー等

碁の世界全般での研鑽・向上に

努めねばなりませんね

 

 

▲今回の贈呈対象者は会員のちょうど半数、計27人となりました

こうして眺めるとオールバックの紳士が多いですね~どんまい

 

 

 

 

 

【級位限定】図書カードで何を買う? 2022/08/31 投稿

 

 


局後に反省しよう

2023年02月02日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

【あなたの評価・評判が決まる瞬間】

 

 

同好会の初段~三段あたりによく見られることとして

「負けた」と思ったら いきなり石を崩す光景があります

相手が不快、と分かってやっているのでしょうか?

 

初級者の碁将棋なら、一局終わると、すぐに

次の勝負を始める〝子供みたいな傾向〟がありますが

大人でも「番数をこなすことのみ」を

楽しみにする人は少なくありません

 

負けたら「もう一局」

また負けたら「もう一局」

そして三連敗、四連敗――

 

これでは

上達もへったくれもありません

 

プロでもアマ高段でも

反省のプロセス「感想戦」を

大切にするものです

 

「感想せん(しない)」なら

まずは万年級位者の特徴

とみて間違いありません

 

千局打ったとしても

〝ほんとうの初段〟には

なれません

 

アマでも

有段の階段を上がっている同士なら

自然と感想戦が始まるもので

その重要性が分かっている証拠です

次の対局に生かそう、という意欲があります

 

     ◇

 

さて、運の要素より実力の要素の強い遊びでは

勝負事はとかく感情が剥き出しになりがちです

 

勝った時には嬉しさを隠さずはしゃぎ

負けた時には露骨に悔しがるようでは

しょせん実力も人間性もその程度だな

と見られても致し方ありません

 

一手一手に自己の考えや思いを込め

精一杯に打ち、やがて勝敗が決する――

その時にこそ「人となり」が出てきます

 

あなたは「負けました」と口に出せますか?

 

局後、相手の考えを拝聴する度量がありますか?

 

この瞬間、その一言に、品格が表れるわけです

礼儀作法の有無も あわせて問われるのです

 

Keep your distance !  (あまり馴れ馴れしくするなかれ)

 

社交・親睦の場では

慈愛と礼節を胸に

暖め合いましょう

棘の痛さは不要です

 

 

 

 

 

 

 


なぜ「マナー」なのか

2023年02月01日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

【約束事を守らねば会は劣化する/勝負事で相手を不快にさせてどうなる】

 

気の置けない友と縁側で碁盤を囲んだり、

風呂上がりで碁友と一局愉しんだり、

とは違って、地域の同好会は

碁を通じて知り合う他人同士の

いわば社交・親睦の場であります

 

ここには

「例会では無原則に馴れ馴れしくしない」

一定の距離感を保つことが、

暗黙の約束事として

厳然として存在します

 

かつて同好会の会員だったヒトの何人かが

市内の碁会場で「出入り禁止」となったことを

仄聞・確認しています

マナー違反を、席亭に咎められたのです

 

なぜ、こういうことが起きたのでしょうか?

 

同好会の会則を紐解くと

「目的」と「会員資格」の項に、

それぞれ、こう明記されています

「囲碁を通じて

会員相互の親睦を図ると共に

棋力と品格の向上を目指す」

「会費を納入し、

会の運営に協力できる人をもって

会員とする」

 

つまり、

入会の際に、この辺をきちんと説明し

「会則の趣旨を理解し、きまりを守ります」

と確約したヒトのみを入会させる、という

基本的手続きが疎かになっていたことが

今日の同好会の劣化を招いたと

わたしは考えているのです

 

人間の性格には、

任せっきりで放任しておいて構わない

という性格などないといえましょう

初めて会った人を、無条件に良い人

と考えるのも、いかがなものでしょうか

まずは概念と規範を示しておかずして

後から「ああだった、こうだった」

と説明しても遅いとしたものです

 

 

 

 



マナー(manner) 態度。礼儀。礼儀作法。「マナーのいい人」「テーブルマナー」

デジタル大辞泉より