囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

五段になろうよ❺ ヨミの深さ/解答

2021年12月30日 | 【カベ突破道場】 部分

 

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 

 

内部から動いて

コウが最善です

 


コスミ、コスミ

の連打にて

コウになります

これ以外では

うまくいきません

 

黒のサガリは、

白はセキにできます

両方のハネをツゲば

死を免れます

 

では黒1で

左にハネるとどうか

といえば

白は「1」のところにノゾいて

黒につがせて

右ハネの一路左をツグ

これで白はらくらく

活きてしまいます

 

どちらのハネがよいか

それは隅との関係があります

類似の問題に当たってください

 

狭いところですから

慎重に幾通りかヨメば

おのずと正解にたどり着けます

 

 

  * * *

 

 

五段になろうよシリーズ

いかがでしたか?

やさしい問題ばかりで

拍子抜けしましたか?

「瞬時に分かる」のが

高段の入口なのでしょう

 

「プロ対プロの置き碁」

という趣向があります

4子局ならだいたい

50目ほど差がつきます

(石田芳夫九段vs戸沢昭宣九段は

4子で黒55目勝ち)

 

アマ対アマでは

五段が初段に

「4子置かせる」のですから

有段でも、レベルの差が

かなりあることが

お分かりかと思います

 

と、いうことは

アマの伸びしろは

相当にあり

やさしい問題でも

やるか、やらないか

で随分の差が付くことが

容易に知れることでしょう

 

 

だたし

ここでひとつ

申し上げておかねばなりません

 

「五段」とは高手の入口です

日本古来の芸事や武道で

最上の層に入ります

五輪メダリストの多くが

これにあたります

 

勝敗にのみこだわる者は

ここが終着点です

模範・指導・普及などが加わって

はじめて六段、七段、八段と

昇格していきます

 

多くを語らずとも

お分かりですね

 

 

  * * *

 

 

今年も、

実戦に有効と思しき問題を

断続的に出題してまいりました

 

新しい年には

ぜひとも、ひとつ

昇格されんことを

お祈りいたします

 

 

 

 

 


五段になろうよ❺ ヨミの深さ/出題

2021年12月29日 | 【カベ突破道場】 部分

 

 

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 


左右の1線を

白がハネています

もう内部を攻めるしか

手はありません

 

ヒント

問題集によく出てきます

実戦でもよく出てきます

覚えていますか?

     

     

 

2021年最後の出題になります

じっくり考えてみてください

30秒でヨメたら五段らしいですが

もう少し時間を掛ければ

そう難しい筋ではありません

やっていくうち

きっとヨミに速さがでてくる

そんな気分で気軽にどうぞ!

 

 


五段になろうよ❹ ヒラメキ派/解答

2021年12月15日 | 【カベ突破道場】 部分

 

 

 

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 


黒石を三つにして捨てる

 

これこそヒラメキの一手!

 

取り跡に

2の2の痛打を見舞いますと

次に「3」と「2」が見合いになり

白は〝二部屋〟が確保できません

 

 

       ◇

 


殺しはハネから

の格言があります

 

でも

黒が左方から1線にハネたとしても

白は2の2にアテを打ち

いつでも2眼が確保できます

オシツブシで白は活きです

(黒は1の1につげません=着手禁止点)

 

 

説明すると、

なあ~んだ

という感じでしょうか?

 

五段どころか

級位者でも

ちゃんと読めば分かります

 

30秒で、さまざまな変化が

しっかり読めますか?

 

狭いところですから

いくつかのパターンが読めて

アタマに残像が残っていれば

少なくとも有段といえましょう

 

 

 

 


五段になろうよ❹ ヒラメキ派/出題

2021年12月14日 | 【カベ突破道場】 部分

 

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 

 

だんだん

難しくなってきました

 

でも

よくみてください

 

狭い所ですから

考えれば

わかります

 

問題は

直覚のチカラと

ヨミを入れること!

 

     ◇

 

隅には魔物が棲む

といいます

ヨミに盲点があれば

解けない問題です

 

ヒラメク

ヒラメカナイ

それが問題なのです

 

 

 


五段になろうよ❸ 内乱の恐怖/解答

2021年12月09日 | 【カベ突破道場】 部分

 

 

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 

 

ハネやトビツケでは

無条件で白を殺せません

 


二子にして捨てよ

この手からヨムことができれば

解決します

 

白が二子を取りにいけば

もう二眼はできません

 

かといって

白がハネた黒一子を取りにいくと

五目中手になってしまいます

 

分断している石を

どう活用するか

センスが問われます

 

 

 


五段になろうよ❸ 内乱の恐怖/出題

2021年12月08日 | 【カベ突破道場】 部分

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 


三つと四つの白石集団を

まんなかで分断している黒石ひとつ

不気味な雰囲気が漂います

 

これをどう活用しますか?

 

普通のヨミでは

失敗します

 

   *  *  *

 

ひさびさに

あたまの体操をどうぞ

〝筋トレ〟は裏切らない

なんにもやらないよりは

ときどきでも効果があります

 

 

 


五段になろうよ❷ ヨミの盲点/解答

2021年11月20日 | 【カベ突破道場】 部分

 

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 


「1の1」

「極隅」に妙手あり

 

続いて

黒❸でトドメを刺します

 

白からは黒2子を

取りにいけません

右も左もダメが詰まって

何ともなりません

 

分からなければ

碁盤に並べてみてください

 

       ◇

 

白2で

「3」に打てば

2の1の白石一つを取って

ナカ手で白は全滅です

 

       ◇

 

黒は、普通の発想では、反射的に

2の2にアテを打ってしまいそうです

でも白から2の1にアテ返されると

コウになってしまいます

 

普通の着手では

上手くいきません

初手が全て!

でしたね

 

 


五段になろうよ❷ ヨミの盲点/出題

2021年11月19日 | 【カベ突破道場】 部分

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 

 

こぴっと難しくなりました

「初段突破」程度のレベル

ではないでしょうか?

 

 

         ◇

 


普通のヨミでは

コウになる

そこをヨムことで

無条件にムニャムニャしたいものです

 

初手が全て!

 


五段になろうよ❶ 打てない手/解答

2021年11月18日 | 【カベ突破道場】 部分

 

 

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 


指摘されれば

簡単な一手

なーんだ、と言うなかれ

 

白①とサガリ

 

これで

隅の白石は生きています

 

一路右に抱えると

「1」の地点に黒石を放り込まれ

コウになってしまいます

 

これは高段ならウッカリのミス

低段ならヤリガチの勝手読み

級位ならイツモの凡手

 

「無条件で、白生き」

としなければ高段といえません

30秒は、いらないでしょう

ノータイム!

 

いいえ

直覚したとしても

すぐに打ってはなりません

 

一呼吸入れて

ていねいに読んで

心静かに打つのが

高段のあかしなのです

 

        ◇

 

でも

最後にダメを詰めていくと

なかに二つも手を入れて

黒石を取り切らねばなりません

 

しゃくにさわりますが

活きるためには仕方がありません

 

アゲハマ(黒1子)を含め

5目の小さな地(陣地)ですが

全滅するのとは雲泥の差

 

2目の最小活きではありません

狭いながらも楽しい我が家

とも言い切れないのです

 

 

 

 


五段になろうよ❶ 打てない手/出題

2021年11月18日 | 【カベ突破道場】 部分

 

【30秒で分かれば「五段の壁」を突破

 ~ 死活のヨミを問う「コンピューター」が太鼓判】

 

 

おはようございます

今日もいい天気のようです

 

しし座流星群

見えましたか?

わたしの空は曇っていて

見えませんでした

 

気を取り直して

お出かけ前に

アタマを一ひねり

と参りましょう

 

 

   *  *  *

 

 

石田芳夫九段いわく

「日本のアマは

大局観に優れるものの

戦いの力が弱い

(「五段突破の詰碁100」より)

 

それを克服するには

「比較的やさしい詰碁を

数多く解いて

死活の基本や急所を

目で覚えてしまうのが大切」

と説きます

 

できそうで、できないのが

詰碁へのチャレンジでしょう

サボっても

四段までなら

なんとかなっても

五段突破はなりません

 

今回の出題は

五段向けといっても

<初段や上級(1~3級)でも解ける>

基礎的な問題ばかり

「比較的やさしい」のです

 

でも、ひと目で分からねばなりません

 

 

  *  *  *

 

 

 

本問は、スミの活き死にであります

黒❶と切り込んできたところ

白はどうやって活きますか?

簡単ですね!

 

 

このレベルの筋と形が

30秒で分かれば

「五段の力は十分にある」

といいます

ほんとでしょうか?

 

 

二十四世本因坊秀芳(1948年生まれ) 木谷實九段門下。1971年、22歳の当時史上最年少で本因坊となり、秀芳と号した。本因坊5連覇。正確な計算と形勢判断で「コンピューター」と呼ばれている。(写真は昭和64年ごろ)