（一七二）

追憶も波間に消ゆる星の河

（一七一）

愛が根を下ろさぬうちに水仙切る

（一七〇）

北斗勃つ千代に一度の春されば

（一六九）

悲しみを歌ふをやめよ北の星

（一六八）

しのび逢ふ星の炎の凍る間に

（一六七）

君を忘れ凍る銀河を踊りけり

（一六六）

踊りつつ橋姫となる冬銀河

（一六五）

ダリエンソ氷の靴で踊るうた

（一六四）

狂えるを知らぬが狂気舞踏病

（一六三）

相ひ抱くままに氷れば冬銀河

（一六二）

踊れただ氷る銀河を燃やしつつ

（一六一）

踏みしだく嘘も真も霜の片

（一六〇. 五）

抓むより凍る星屑こなごなごな

（一六〇）

星やがて凍るを待ちて摘みにゆく

（一五九）

冬天に居所もなし棄て児星