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思いもよらない疫病の発生で生活が大きく変わった方が多いのではないでしょうか。
私どもも卸業を中心としておりましたが、これから予想される荒波を乗り切っていくために、小売業にも乗り出していくことにしました。
陶器を扱うようになってほぼ45年。たくさんの陶器を扱ってきましたが、次から次に新しいものが出てきて、決して飽きることがありません。ただ、自分の好きなものと時代の流れに沿ったものとが必ずしも一致するわけではないところがつらいところです。
これから今まで体験したことのない局面に社会全体が差し掛かります。不安はたくさんあります。こんな時に思い出すのが、敗戦後に再び制作をはじめた先人たちの作品です。
見出しの作品は昭和30年の河井寛次郎の作品です。練上(ねりあげ)という色の違う土を重ねて模様を出す技法です。現代は土を着色して重ねるカラフルなものが主流ですが、この頃はまだ着色料を使う技法はありません。組成分の違う土を重ねるので、焼成中に土の境目がひずみを起こして、すき間が空いてしまうおそれがありました。土の層を薄くすれば失敗しにくいのですが、河井寛次郎はあえて土の層を厚くして、作りにくいものにあえて挑戦します。たくさんの失敗作を経て、上記のような隆々とした完成作が生み出されました。
国が敗れても、人は立ち上がり、また前に歩き続けます。
より良いものを作ろうとする気持ちが原動力です。
無いところから有るを生み出す河井寛次郎の力の大きさには本当に感動します。
その大きさゆえに没後50年以上を経ても、愛好家の熱が冷めることはありません。
河井寛次郎 練上扁壷 高さ20cm
ブログランキングから来ました。
素晴らしい作品ですね。
これが着色じゃなく、土を重ねてできたのもだなんて信じられないくらいです。
私も感動しました。