モデリング第七天

拠り所 なんのためにかと自問する

データを整理した記念その04

2008-02-08 20:35:30 | 画像つきの投稿
データを整理した記念その04
なんかのネットワークゲームのキャラクター。
孫請けの孫請けぐらいでやったものなのでどこにどんな風に使われたのか知らない。
でも自分的にはとても気に入っている。
この頃やっと人並みかな?って思えるようになった。
2200ポリゴン
テクスチャは256×256が4枚くらい

長いよ

2008-02-01 00:05:19 | 雑文
学校は学生の為にあるのではないのか?
それは理想論?

学校から給料をもらっている僕は学校の為に働く義務がある。
何が学校のためなのか?
それは学生を集める事。どうしたら学生が集まるかと言えば学生にいい教育をして就職に結びつける事。就職率が上がれば評判が上がって学生は集まる。
正論。そして理想論。
でも現実はそんなにシンプルではない。
僕が教えるCGの世界はハードルが高い。作品を作って十分な実力を身につけることで就職への道が開かれる。
そういう業界を目指す学生の為に僕がするべきことは何なのか?
5年間かけて、学生がそれを目指せるような環境と教育内容を作り上げてきた。

僕がはじめてこの学校に来た時、うちの学校のカリキュラムは1年次にはパソコンの基礎と国家試験の勉強し、2年次からコースが分かれ、マルチメディアコースはCGやデザインの勉強と国家試験をプログラムコースはプログラムと国家試験の勉強をすると言う仕組みになっていた。
CGを勉強したみんななら分かると思うけど、このカリキュラムではもちろんデザイン系の仕事なんかに就けるわけがない。ソフトの使い方を覚えるのが2年の秋過ぎでは、そっからどう頑張ったって大した作品なんか完成させられるわけがない。
当然、学生は方向転換を余儀なくされる事になる。
じゃあ何でこんなカリキュラムなのかといえば、このカリキュラムには大きな保険がかかっているから。国家試験の勉強をしているから、目指す就職にたどりつけなくても、方向転換をしやすいわけだ。
これは誰のため?確かに学生のためだとは思う。人の幸せは何かの基準ではかれるものではないけれど、どんな仕事だろうが働ける職場があって仕事が出来ると言う事は幸せな事なのだと思う。
だから、学生の就職のことを考えているこのカリキュラムは学生のため、学生のことを考えたカリキュラムだと思う。
でも、僕はどうしても素直にこれが受け入れられなかった。
なぜかと言えば、このカリキュラムでは逆に100%学生の目指す就職にたどりつく事ができないから。
1年目、2年目と僕は理想や希望を持ってこのコースを選び、思っていた事と違った事を勉強して希望を諦めた学生を何人か見てきた。
どんなに強い思いがあっても、週にたった数コマしかない授業と自分の目指すものと方向性の違う勉強と言う現実。そして十分な学習がすまないうちから周囲からは就職を早く決めるようにとの圧力がかかり、わずかな時間で作った作品を応募して不合格になれば、これはもう方向転換をせざるを得ない。そういう学生を2年間僕は指導した。もちろん全員が全員、高い理想があってその中で挫折して行ったというわけではなく、中にはただ遊んで過ごしたような学生も居たけれど。
だから僕はこのカリキュラムは学生に夢を諦めさせて現実の安定した幸せを手に入れさせるためのカリキュラムだと思った。それが学生のためなのか?…そうかも知れない。でもわからない、納得できなかった。
これは学生を騙している事になるのではないのか…?そう思えて仕方がなかった。
1年目当時2年生だったS田君のお兄さんを指導した。彼はゲームのグラフィックの仕事をするのが夢でうちの学校に入ってきて、2年目になって初めてグラフィック関係の勉強をした。前期は確か週にフォトショップが3時間だったと思う。後期になってイラストレーターを3時間。3Dは3年生になってから。彼は3年過程だったけど、2年過程の同級生はそれで卒業をしていった。もちろん十分な作業の時間も無いから結果は推して然るべくも無い。
3年になってやっと3Dの勉強を始めた時、彼は
「この勉強をするために2年間待ちました」
と言った。今のみんなが1年の10月ぐらいまでに学んだ事を彼は3年の12月頃に学び終え、結局卒業するまでに就職が出来なかった。けれど、彼は諦めず、僕も彼が卒業してからブログやメールで彼の指導を続け、1年間就職浪人をして作品を作り続けて翌年にやっと就職を決めた。僕はこの1年を通してソフトの使い方を学び、十分使いこなせるようになって作品を作れるようになるには、やはり、少なくても2年間の時間が必要だと強く実感した。そして、その考えをもとにカリキュラムを改変し、設置したコースが今のみんなの3Dデジタルコース。
このカリキュラムは、正直なところある意味カケだとも言えなくもない。一つの事に特化したので潰しが効かないから、みんなは途中で方向転換をしにくい。でも、全くノーアイデアなわけじゃなく地元でも他の就職が目指せるように、Webデザインや課題制作といった部分も強化させた。(ただし、暗黒騎士ガイアについては完全に計算外。個人的にはガイアの人選は一刻も早く刷新してもらいたいと思っている。)
目標により強く突き進めるように指導をする事が僕は学生の為になると思った。実際、このカリキュラムがみんなの為になったのか、それともみんなを危険な一本道に引き込んでしまったのかわからない。
でも僕は確かにこの改変をしてよかったと今は信じている。みんなが希望を持って進んでいるし、ちゃんとデザインや映像なんかにかかわる仕事に内定したり目指したりしているから。
でもその一方で、確かに今後もこの路線を進んでいけば就職をする事ができない学生を生み出していく事になるのではないかというのをこの2年間ずっと考えていた。
たまたま、今日、会議の中でそんな話が出て今のカリキュラムは危険だと、ニート予備軍を育成する事になりかねないと改めて他の職員から指摘があった。自分でずっと思い続けていた事だったから改めてそうかもしれないと考えた。
これは学生のためなのか?学生のためではないのか?
一ついえるのは、今のこのコースは間違いなく学校の為になるコースではないということ。学校という組織は学生が就職させる事さえ出来れば、実際のところ、その仕事がデザイナーだろうがプログラマーだろうが介護職職だろうが工場仕事だろうが、何でもかまわないわけだから。どんな仕事だろうが就職率という数字の上では一緒だし、事実最初にも言ったようにどんな仕事であろうが仕事に就けるということ自体が幸せな事だから。こらは多くの保護者の立場から見ても同じ事だと思う。親が子どもの就職に望むことは、なるべく安定していて、収入が人並みと言う事だけだと思う。どんな仕事をするかって言うのは正直それほど関心がないはず。もちろん子どもの仕事をさせたいと思いはするけど、それは二の次で、とにかく安定し就職をして欲しいと願う。まあ、当たり前だよね。それが幸せな事だと身をもって知っているから。親の思考はとても正しい。そんな中で僕の目指すリスクのある教育は学校の為の教育ではない。
先生という仕事は…いや、それでは語弊があるか。先生と言うよりももっと狭義として「うちの学校でCGデザイン系を教える人」の役割は学生に理想を諦めさせて、現実的な幸せに導くのが本当の役割なのだ。
これが、僕の五年間の結論。間違っていないと思う。学生の幸せを考えるならば、この結論は間違っていない。別に皮肉とか揶揄じゃなく本当にそう思う。
自分の理想や理念は周りを巻き込んでしまう。この結論に達した時に自分はここで先生をするべきではないと思った。
学校という組織から給料を貰い、働かせてもらっている身としては組織の不利益になるような事はしてはならない。
それが社会人のルール。
かといって、学生の夢を潰すような事をしなければならない事を耐えることもできない。
だから僕は辞めることにした。
5年間、そして2年間どうもありがとう。

一つ心残りで本当にいくら謝っても謝りきれないのはTG久保さんの事。
どう理由をつけたところで僕はTG久保さんを見捨てた事になってしまう。
本当のことを言うと、今年いっぱいで辞めるのは去年から決めていた事。さらにいうと、ホントのホントは去年の3月で辞める予定だった。それを1年間引き伸ばす事になったのは、去年1年間、ライセンスも3Dも含めて2IDの面々と付き合って、このメンバーともう1年時間を共有したいと心から思ったから。
今年、1IDのみんなと接する機会が少なかったのは、絆を深めるとまた来年決心が付かなくなるのが怖かったから。
1IDのみんなごめん。
ホントはみんなともっと一杯接したかった。中でもM村君には聞いておきたいことが沢山あった。

そんな中、今年1年間の僕の一番の悩みはTG久保さんの事だった。授業で接する時間も多く、現2年のメンバーと間違いなく一体化していたTG久保さんには、どうやったところで絆も感情移入も出来てしまって、どうすればいいのか正直わからないし、これからあと数ヶ月の間に何をしてあげられるのかもわからない。
せめてもの事はと思って、3Dに関する事は一通り全て学んでもらったつもりだけど、また、TG久保さんには光るものがあるから、余計に申し訳ない気持ちやもったいない気持ちばかり。
TG久保さんの事を書き出すと本文がこれからまた2倍ぐらいに増えますがよろしいですか?(笑)とりあえず十時ごろから書き始めたのに、もう日付も変わってしまったのでそれはまた別の機会にするけども…。


ははは。酔ってねーからな。
思いっきりシラフ。

ここまで読み飛ばさずにちゃんと読んだ人間が一体何人いるのか(笑)

もちろん辞めるのを決めた理由はこれだけじゃなくて色んな色んな色んな理由があって、
学校の為=学生の為じゃない(というよりも学校の為の行為=学生の為にならない行為)という現実がいろいろあって我慢できなかったりなんだけど、その一方でもちろん続けたい気持ちも色々色々あって、プライベートな問題も色々あってごにょごにょ。

とにかく、まだ就職が決まっていないMMの面々、笑って卒業式が迎えられるよう頑張ってください。行動をしなければ、結果を出さなければ、どんなに正しいことをしても、崇高な事をしても他人からは認められない。
あれこれ理由付けや弁解をしても結果がなければ、それは全て他人から見れば言い訳にしかならない。
他人は納得させるには、口先のやりくりじゃなく確かな行動としっかりとした結果だけ。上手く言いくるめられたと思っていても他人かけして納得しているわけではない。ただ、納得したフリをしてあげているだけ。
百の言葉よりもまず一つの行動を。