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歴史Blogを志向しています。このBlogのSite Masterの名前は、高木紀久です。

シリーズ惨獄死(さんごくし) 第四回

2025-02-10 19:42:44 | 残酷史
惨獄死   第四回


左遷の巻


秦の時代の流刑地と関中王劉邦


昔、周末の戦国時代、いわゆる春秋戦国時代、秦がまだ王国だった当時、中華の大陸の西北に位置する秦王国の南に、未開の領域があった。西北の秦の南、すなわち中華の大陸の西南である。この地は、古くから蜀という地名で知られていた。秦では、罪科のある者が刑罰としてこの地に送り込まれ、居住を余儀なくされていた。いわゆる流刑地である。峻厳な山間の地であり、もとより人の手のついていない、この未開の土地を開発するという労働刑を、罪人としてこの地に送り込まれた者たちは課されていたわけである。


時代はくだって秦帝国滅亡後の中華世界。秦を滅ぼした項羽が、秦滅亡直後の論功行賞の場で、秦滅亡にあたって大功を立てた劉邦に対して、関中王に封ずとの処遇であった。“関中”とは、南鄭(漢中)の南に位置し、四囲を山岳で囲まれた地形の土地、蜀の別名であった。項羽は、劉邦が強大な権限を持つことを警戒し、この地に転封することによって、劉邦を監視することとしたのである。


蜀は、中華の大陸の左に位置する。秦の時代には、この地は流刑地であり、のちには劉邦がその勢力を削ぐ目的で転封された地でもある。これらのことから、「左に遷す」とは、流罪や降格といった否定的な言葉を意味する語彙となった。これが、左遷という語の由来となった、といわれている。

シリーズ惨獄死(さんごくし) 第三回

2025-02-08 20:07:26 | 残酷史
シリーズ惨獄死(さんごくし)   第三回


孫臏の巻


失脚の故事


孫臏は、ある時、斉の国にやって来た。仕官するためである。しかし、斉には、すでに孫臏の幼馴染みの龐涓が仕えていた。龐涓は、斉の国では、すでに重役に就いていた。龐涓は、孫臏の来国を知ると、孫臏の才能を知っていたため、自分の地位がおびやかされることを警戒した。そこで彼は、計略で孫臏をおとしいれることにした。彼の計略は奏功し、孫臏は、罪を着せられてしまう。捕縛された孫臏は、龐涓の計画どおり、彼(龐涓)によって処遇されることとなった。龐涓は、幼馴染みということもあり、命まで取るのは思いとどまった。孫臏は、五刑の一つである、足切りの刑に処されることとなった。この刑罰は、咎人の両足の膝から下を切断する酷刑である。龐涓としては、孫臏に対して命までは取らないことによって温情をかけたつもりであった。これが「失脚」という語の由来である。

シリーズ惨獄死(さんごくし) 第二回

2025-02-07 19:42:58 | 残酷史
シリーズ惨獄死(さんごくし)   第二回


臥薪嘗胆の巻


シリーズ惨獄死(さんごくし)第二回は臥薪嘗胆の巻です。


呉越春秋


ある時の戦で呉は越に対して敗戦を喫した。闔閭自身も、この戦での足のけががもとで亡くなった。息子の夫差は、越への報復を誓い、後年、越に対して勝利を収めている。越の王、勾践もまた、この時、呉への報復を誓い、達成している。


夫差は、敗戦の苦さを思い出すため、時としてたきぎの上に身を横たえて、その痛さに報讐雪恨の念を新たにするのだった。勾践もまた、時として胆を嘗めることで、敗戦を喫した時の心情を思い出すのだった。


感想(まとめ)
夫差、勾践の両者とも雪辱に成功しているが。今日では、臥薪嘗胆の四文字を好きな言葉に選定する向きはあまりいないであろう(と思う)。恨の概念にも通じるものがあると思うが。なにか大事業をなそうという時、なにか事を断行しようという時には、時として必要な概念かもしれないと思います。

シリーズ惨獄死(さんごくし) 第一回

2025-02-06 19:32:42 | 残酷史
シリーズ惨獄死(さんごくし)   第一回


劉瑾の巻


シリーズ惨獄死(さんごくし)第一回は、劉瑾の巻です。


刻切三千刀の漢


唐代の宦官。唐の時代、官界中枢で権勢をふるった。いろいろと贈答政治を行う。天文学的な数値のまいない金を受領する。しかし、好事魔多し。彼の行った不正は発覚し、劉瑾は、処断されることとなる。彼は、凌遅処死という残酷な刑に処されることとなった。処刑がはじまって一昼夜後に、彼は、粥を二椀すすった、と記録には、ある。この劉瑾の様子を見た見物人は、その彼の強健さ(身体的にも精神的にも)に、あるいは驚き、あるいは一種尊敬の目で、彼を見るのだった。その彼(劉瑾)も、処刑がはじまってから、二日後に、ついに絶命した。処刑のための執刀がはじまってから三千刀、一説に五千刀だった。

シリーズ惨獄死(しりーずさんごくし)

2025-02-05 20:11:52 | 残酷史
惨獄死(さんごくし)


シリーズ惨獄死(しりーずさんごくし)


アイデア段階ですが。考えました。古今東西のちょっと残酷な話の集大成です。(実際にはちょっとではないが。)第一回は、劉瑾の巻を予定しています。しかし、題材があまり手に入らず、第一回で終わってしまうかもしれませんが。いや、第一回どころか一回もやらないかもしれませんが(その場合、第0回)。この名前(惨獄死およびシリーズ惨獄死というタイトル)は、使ってもらってもかまいません。別に意匠登録とかもしてませんし。そういうことです。とくにオチのようなものはないかもしれませんが、そういうことです。告知のようなものと思ってもらいたいです。では。