生活保護費引き下げに反対 14万人が署名
<厚労省は今年4月以降、生活保護費を引き下げる方針だが、引き下げに反対する人たちが22日、14万人分の署名を提出した。
障害者の男性「僕たちは障害があって働くところもないんですよ。働け働けと言われたって無理なんです」
生活保護費削減に反対する14万人分の署名を厚労省に提出したのは、生活保護受給者と支援者ら。
厚労省は自民党の公約通り、今年4月から生活保護費を削減する方針。これに対し、受給者は障害や病気などで働くことができない実情を訴えた他、弁護士らは子供がいる世帯の保護費削減は「貧困の連鎖を招く」として強く反対した。また、保護費の削減は最低賃金や就学援助の年収制限など、保護を受けていない人にも広く影響すると訴えた>
前回から続けて毛沢東を褒めるのもアレだが、毛沢東の原始共産主義、いわゆる「均霑(きんてん)思想」でも「貧しきを憂えず、等しからざるを憂う」だった。等しければ貧しいのは仕方ない、喰えるだけ幸せじゃないか、という思想だが、なかなか馬鹿にしたもんじゃない。
日本には「等しからざる」に憂うどころか威張る。それなら「貧しき」は憂えないのかと思いきや、なんと、これも憂うどころか署名活動とかする。支援者とか弁護士も付く。
先ず、この記事の障害者男性。<僕たちは障害があって働くところもないんですよ。働け働けと言われたって無理なんです>。
だれが「働け」と言っているのか。巷の野次は知らないが、厚労省は「引き下げる方針」と言っている。働け、ではなく、ちょっと減らしますから、と前もって説明もしている。つまり、働けではなく、倹約してね、だ。だからせめて「減らされたらやっていけない」と訴えるならわかる。もちろん、そのときは具体的な説明も求められる。プライバシーも人権もヘチマもない。これが「相談に乗る」ということだ。なんか勘違いしていないか。
厚労省の試算では、子ども一人の低所得者世帯の年収は120万円ほど。同じ条件の世帯で言うと生活保護費が月額7200円上回った。無論、子供が増えたらこの差額は広がる。これを是正します、というのが今回の「見直し」だ。それに忘れちゃいけないのは、生活保護とはそれだけじゃない。所得税も要らない。住民税も要らない。家賃の扶助もある。医療費がいらない、介護保険も健康保険も支払わなくていい等々、いまなら豪華特典付きなわけだ。さすがは福祉大国・日本だ。素晴らしい。
それらを勘案すると、その差額とやらは7200円で済むわけない。手取りで20万円強、あるいは30万円に届く「実収入」になるという数字もある。私はそちらのほうが実態に近いと思う。それで「もらい過ぎ」を言われると、NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子なんかが<当事者の状況を見ずに困窮者同士を比べて、『もらい過ぎ』という試算を出すのはおかしい>と毎日新聞に書く。もちろん、この赤石なる御婦人は「年越し派遣村」でお馴染み「反貧困ネットワーク」の副代表。湯浅誠やら宇都宮健児の赤い仲間だ。それから憲法9条から女性の権利、ジェンダー教育に脱原発までなんでも揃う「ふぇみん」の代表も務める。つまり名前の通り、赤いところにはどこでも顔を出す。
この赤いオバはんが<おかしい>と言おうが、だからってそのままにするのはおかしい。おかしいものはおかしい。そもそもの方向性もおかしい。署名するなら「不正受給を無くせ」だろう。生活保護費に関して「不正受給」の問題は小さくないはずだ。赤い阿呆の中には「不正受給なんて全体からすれば0.4%じゃないか」と言うのもいるが、わかったときの総額が3兆3300億円、0.4%は129億円になる。しかもその内訳は、働いて得た収入があるのに申告しなかったケースが43.5%。次いで年金の無申告が27.7%だった。つまり「氷山の一角」すら当てはまらない。もっと悪質なのがあるだろう。もっと計画的で組織的なモノがあるだろうと言っている。
香川県で捕まった43歳の女は結婚後の姓で生活保護を受け、結婚前の姓でパートをしていた。年間140万円の収入があった。コレに生活保護費をプラス。豪華特典のオマケ付き。生活レベルはそこらの部長クラスか。たぶん、このパターンは相当ある。
また、熊本県の78歳の男は生活保護費を211万円、不正に受給していたとして訴えられた。この男は投資勧誘業、収入は年間で1億4900万だった。夜店の屋台で年間、1千万円以上儲けながら、生活保護費を受け取り続けているのもいた。要するに「小遣い感覚」。もらえるものはもらわないと損、という乞食根性だった。
ヤクザもある。生活保護費をもらうためには、偽物の「脱会届」も用意する。義理も人情もあったものではないが、これも上手くやれば喰うモノと寝るところには困らない。闇医者にも行かずに済む。社会の裏街道を歩く美学を捨てれば、堅気に喰わせてもらって恥もない。任侠道の風上にも置けないチンピラではある。
同じようなのに「貧困ビジネス」もある。これは生活保護費をピンハネする、というハイエナ根性だ。これは議員が使われたりする。「口利き」だ。徳島県で共産党の県議が捕まったが、この元赤旗記者は地元に相談所を設置、そこで過去2000件以上の「相談」に乗っていたという。業者は金を取り、議員は票を得る。薄汚い「弱者の味方」もあったもんだ。
そして大切なことは「本当に必要としている人がいる」ということだ。いろんな事情があって世話になる人もいる。一時的な人もいれば、ずっと必要な人もいる。先進国日本、川で洗濯して道端でガラクタを売れというわけにもいかない。全員がホームレスになられても困る。治安の問題もある。町の美観、衛生の問題もある。なにより、憲法に書いてあるとかじゃなく、北朝鮮でもあるまいし、国家が国民をほったらかしというのはよろしくない。だから「本当に困っている人」はなんとかせねばならないし、日本国内における「それなりの生活」は保護されねばならない。そしてだからこそ、不正受給は「足を引っ張る」どころの話ではなく、本来、生活保護を必要とする人らこそが声を挙げねばならない。
単純な話、世の中には「なんで人のために」という福祉の概念をわからぬ人もいる。明日は我が身が想像できない身勝手もいる。そういう人は、本当の弱者に対してでも「勝手にしろ」と言えるが、私の主観からすれば、そういう人は大した社会貢献はしない。せめて関連する税金を納めていれば御の字。いつでも「そっち側」に行ける「素養」のある人らである。例えば障害者であろうと「働け。働かないなら死ね」とネットに溢れる雑言の発信者である。生活保護受給者はこれらの声を聞く必要はないが、不正受給の実態から「一度リセットして見直したらどうか」と言う「普通の感覚の納税者」の声には敏感であらねばならない。不正受給は明らかに「問題」であり、その矛先は受給者に向いている。
本当に困窮している人に行く金も、不正受給で私腹を肥やす輩にわたる金も金は金、それらを支える納税者からすれば知ったことではない。しかしながら、それはやはり「不正受給」の存在が明確になると、そのような問題を抱えたシステムに税金を投入し続ける意味を問われてしまう。関連する不正を「除去」できないなら、システムの稼働を一旦止めてしまえ、という論も説得力がある。
労働意欲も低下する。シノギもままならないチンピラを喰わせるために、我々は朝から晩まで汗を流しているわけではない。また、受給者の「もらって当然、だって憲法に書いてある」もそういう意味では構わない。回転寿司を喰うとか、スマホを持っているとかもどうでもいい。上手に遣り繰りして、こっそり自家用車に乗っていても結構だ。
無論、個別に感謝など不可能だし、表明したところで意味もない。少なくとも不道徳の誹りは免れないかもしれないが、それよりもシステム弊害である不正受給をなんとかせねばならない。これはシステム停止の要因になる。
14万人の署名を集めた受給者と支援者は、厚労省の削減方針に対して<貧困の連鎖を招く>と抗議している。これはつまり、不正受給のことなどそっちの勝手、困っている我々に迷惑をかけるな、と言っているに等しい。また、連中が「不正受給」に言及しないのは、それはやはり「疾しいこと」があるからだ。先の元共産党県議もそう。なんらかの「利益」を見込んでおり、且つ、それが現実問題として存在するからである。
受給者の中には「実のところ、もう少し頑張れば何とかなる」という自覚ある人もいるはずだ。「仕事を選ばなければないこともなかった」という人もいるだろう。自分の精神的未熟さ、あるいは染み付いた怠惰な生活習慣から脱却できず、まさに「3日やったら止められない」を実感する日々に悶々と過ごしている人も少なくないと想像する。そういう受給者には罪悪感が芽生える。頑張っている人をみると「申し訳ないな」とは思う。それに比べて自分は、と更に自分自身を卑下する。不正受給は悪いことだと思うが、広くとらえると「自分も同じようなモノ」と納得してしまう。それで黙ってしまう。興味も薄れていく。
赤い連中は耳に優しく語りかける。それから「なぜに最低賃金より、生活保護費が低くなければならないのか」と倫理もヘチマもないことも言う。湯浅誠は「景気が悪いから生活レベルが下がった。だから結果的に生活保護が良く見えてしまう」と、すなわち納税者のやっかみだと新聞に書いた。弱者を探してきて、あるいは作ってでも体制側に負担を強いる。立派な赤い活動、まるで「合法的不正受給」だが、多くの善良な受給者には迷惑千万だと自覚すべきだ。せめて「社会の世話」になっても「社会の迷惑」にならぬよう、そこは大いに意識すべきである。
受給者は恥ずべきことはない。生活保護費も金は金、それを使えば経済は回る。つまり、納税者と同じく「社会生活の参加者」なのである。赤い連中には気をつけないと、その参加資格すら危うくなる。
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