見出し画像

忘憂之物

やばせの船は早くとも 急がば廻れ瀬田の長橋




江戸時代初期。東海道を下って近江の国の大津に出る方法はふたつ。歩いて行くか船で行くか。瀬田廻りの陸路で歩いて琵琶湖を越えるか、草津宿の矢倉から八橋に出て、琵琶湖を船で渡るか、だった。

距離にすると8キロほどしか違わないが、船で行けば先ず、歩かないで済む。荷物を持たないで済む。それに絶景を眺めながらの船旅だ。のんびりと酒でも飲んでいればいいし、合わせて「早く着く」とのことで人気は船だった。しかし、琵琶湖は比叡おろしの強風が吹くから荒れることもあった。つまり、危険を伴った。連歌師の宗長はこれを「やばせの船は早くとも 急がば廻れ瀬田の長橋」と詠んだ。「急がば回れ」の由来になる。

今月半ば、近江の国にも「民主党への逆風」は吹き荒れていた。比叡おろしならぬ「民主おろし」の冷たい突風は竜巻となり、民主党も元民主党も吹き飛ばされた。そんな大荒れの中、急がば廻らなかったオバサンが近江の国の知事だった。ハリボテだらけの「未来」の船は無残に引き千切れて沈んだ。「風」を舐めていた。生き残ったのは61議席の乗組員のうち9議席だった。大参事ではある。

生き残りのひとり、亀井静香は選挙前、素敵なオバサンのスカートの中に潜り込む、とか悪ふざけを言った。でも、よほど居心地が悪かったのか、さっさと出て行ってしまった。小沢一郎もまた出ていくのかと思ったら、今度は名前を変えて居座った。悪い在日みたいだが、これで未来の党が受け取る予定だった約8億6500万円の過半が懐に転がり込む。近江のオバサンは、自分で作って放り出された鳩山由紀夫と同じ愚を犯した。「脱」を「卒」に変えて「急がば廻った」つもりのオバサンのところは政治団体になった。もっと廻らねばならなくなった。たぶん、辿り着けない。

比して、ちゃんと「急がば廻って」いるのが安倍政権だ。着実にツボを押さえている。

靖国やら竹島やら、村山談話と立て続けに突き付けられる「諸問題」に脊髄反射、これぞ真正保守だとして荒れ狂う海に船を出すこともしなかった。これを受けて早速、安倍はヘタれた、竹島の記念式典をやらぬなら反安倍だ、村山談話を引き継ぐなら総攻撃を開始する、と朝日新聞を喜ばせている。日本の国を憂う愛国者に言いたい。焦るな逸るな。

NHKに出ていた大学教授。国際政治の専門家らしいが、トチ狂って「なぜ1月にすぐ、韓国に行かないのか」とかやっていたが、それと同じだ。なんか焦っている。韓国大統領の就任式は2月だ。正月明けてすぐに行ったら迷惑だろうが。それから韓国大統領が決まり、そのコメントとして「日本は歴史に向き合え」とか「歴史問題の解決に努力せよ」と言うのも、ラーメン屋のチャルメラと同じで、それがないと何が何だかわからない。

「戦後レジーム」とはその存在自体が「負の遺産」だ。民主党が騒いでいた「自公政権の負の遺産」とは比べ物にならぬ大量の瓦礫みたいなモノだ。その腐り具合、汚染範囲は想像を絶する。沈むかもしれない、でも頑張る、で船を出すわけにはいかない。歩かねばならない。確実に勝たねばならない。まだ、完全に「日本を取り戻した」わけではない。油断するなと言うのだ。

物事には順序がある。それから「抵抗勢力」も国内外にいる。振り返れば仲間にもいる。ど真ん中を突っ切るのはカッコよろしいかもしれないが、それだけ抵抗も表面化して強くなる。正論を言うだけで世の中が変わるのなら、とっくに平沼さんが総理になり、西村慎吾は防衛大臣になっている。ならば北朝鮮なんぞ焦土と化し、金正日は病気では死ねなかった。実に理想的だ。

しかし、現実はどうか。政権を取るどころか、落選までさせていたのが事実ではないか。2009年の夏、大阪の堺でも「拉致被害者を奪還する」よりも「国民の生活が第一」が選ばれたのである。これが現実であった。それとも、日本の有権者の過半以上が安全保障とか日本の国体に目覚めるまで待て、と言うのか。贅沢を言うな、と思う。

日本という国では選挙に勝ち、その後も安定して運営できなければ物事は動かない。こんなことは大阪市長でも知っている。つまり、世論が支えれば必ず「村山談話」は過去のモノになる。一応、騙し打ちとはいえ、アレでも「閣議決定」されている。だから新たに「安倍談話」を閣議決定、それを表すればよろしい。河野談話などは何の法的根拠もない。馬鹿な宮澤政権のとき、馬鹿な官房長官だった男が勝手に勝手なこと言っただけのことだ。だから「修正」ではなく「見直し」になっている。つまり、見直して破棄する。

安倍首相は28日、英、露、豪、印、インドネシア、ベトナムの6か国の首脳と相次いで電話で会談した。支那朝鮮を外した「自由と繁栄の弧」だ。また北方領土についてプーチンが「建設的な対話を行う」と言ったら、安倍さんは「高く評価する」と述べた。これも今までは逆だった。領土を盗られた日本が「建設的な対話」を重視していた。それをロシアが「評価する」と褒めてくれるのがパターンだった。

集団的自衛権も行使できるようにする。朝鮮学校の無償化はしない。「アベノミクス」もやる。つまり、いますぐに答えを出さねばならないこと、いますぐに答えを出しても問題ないこと、についてはサクサク進めている。「急がば廻って」いる。

もうすぐ正月だが、安倍政権は年末年始返上で仕事をするとか。我々は正月を過ごしながらでいいから、安易に脊髄反射せず、マスコミに流されず、ネットに踊らず、しっかりと「日本を取り戻す」と断言する政権を支えねばならない。応援せねばならない。「民主党と比べたらマシ」ではない。「消去法で」はもう止めよう。必要なのは積極的、且つ、能動的な「支持」である。先を見据えた「評価」である。反日メディアの扇動報道、あるいは先走りの分断工作に引っかからず、安倍政権を安定させるのが「日本を取り戻す」基盤となる。まだ始まったばかり。急がば廻ろう。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「過去記事」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事