家PCがぶっ潰れた。そらもう物理的に、である。だから日記の更新も滞ったのである。新しいデスクトップを購入したのである。もうすぐ我が家に届く。
先日、休みの日だったから妻と芝居を観に行った。「東京セレソンデラックス」という劇団の「流れ星」という舞台である。泣いた。評価は「SS」である。山田まりあが出てきたときには「やちゃったかぁ~~」と焦ったが、なんのどっこい、良い女優になった。
んで、気になったところだが、ストーリーはともかく、「東大の先生」役の男性が出てくる。この先生は「ヒロイン役」であるケロンパの「憧れの人」という設定だ。若かりし頃に出会ったこの先生を想い、現在の旦那と結婚した人生を悔やむところから劇は始まる。
「あらすじ」などぶっ飛ばして書くと、この先生は「東大爆破予告事件」の犯人だったわけだ。実に爽やかで優しく、頭が良くて人格者である先生だが、時代は1970年当時、先生は共産主義者の過激派グループに属しているということらしい。ちなみに、この舞台となっている学生下宿には、この先生の他にも共産主義に染まった学生が住んでいるという設定になっている。所々で左翼思想を語る青年として出てくるが、ま、そんなことはどーでもいい。
さて、劇の半ばでこの先生の正体がバレる。そして、「なぜ、このようなことをするのか」と先生は舞台の真中で語りだすシーンがあった。主催はテレビ朝日。協賛はTBSである。
「2」へ
■2009/10/06 (火) 死刑制度とちょんまげ 2
自室に時限爆弾を隠し持っていた先生は、舞台にあるテレビを指差して言う。
「このテレビも、近い将来はカラーになって各部屋に一台の時代が来る!!」
時代設定は1970年。私が生まれる1年前だ。事実、モノクロのテレビは残っていただろう。
また、この先生は炊飯器をみて、
「今はこれで十分。コレが最新だったとしても、いずれ、すぐに最新型が出回って、もっと便利な炊飯器ができるはずだ!」
コレも事実。ワンタッチで阿呆でもメシは炊ける時代になった。
「電話もそうだ!コレも一人に一台の時代がやってくるんだ!しかも、持ち歩けるようになっていくんだ!!」
セリフの最後のほう、この先生は、
「モノが豊かになっていく!!だが、それで人々は幸せなのか!このままでは“金さえあれば”幸せだという時代がくるんだ!電話機も“持っていないだけ”で不幸せだと感じてしまう日本人が増えるだろう!この炊飯器でも十分、人々は幸せになれるんじゃないのか!モノが豊かに溢れても、家族はバラバラになり、心は荒んでいくだろう!!そして、絶対に“あの時代がよかった”と後悔することになる!だから、今のうちに、この日本で、僕らのような価値観があったと刻みこんでおかねばならないんだ!!」
と左翼丸出しの熱弁を振るう。その前に散々「感動的なシーン」が出てくる。私も含めて周囲の客も泣いている。真後ろからもすすり泣く声が聞こえてくる。妻は横で「キャラメル」を喰っている。私の泣き顔を見て笑っているのである。恐ろしいのである。
ともかく、だ。
この先生は「モノが豊かになる=家族の絆が壊れる」とし、「携帯電話は便利だけども、それと家族の笑顔はどちらが大切なのか?」という問いにすり替えるのである。「豊か・裕福=心が貧しい」と断定し、舞台の上から2009年を予想してみせる。バッグに携帯が入っている客は、なんとなく、「そうだよなぁ・・」となる人もいたかもしれない。
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■2009/10/06 (火) 死刑制度とちょんまげ 3
なんともまあ、「貧しい=善人」を絵に描いたような薄ら寒い価値観であると再確認する。この短絡な発想は「障害者=心がキレイ」とか「失業者=犠牲者」とか「女性=我慢」とか「未成年=純真」とか「アジア(支那朝鮮)=被害者」とか「在日朝鮮人=努力家・ど根性」とか「=差別と闘っている人たち」などとなる。短絡思考なのだ。
テレビドラマなどでも、「金持ち家族=旦那の浮気・長男が不良」という設定も多い。貧乏な家族は工夫して暮らし、笑いと感動が溢れる「絆で結ばれた家族」であり、子供は皆「心がキレイ」で「親は子供のために一所懸命に働いて」いて、悪いことには手を染めず、争い事は嫌いで、いつもみんなのことばかり考えている主人公は、その金持ちと対決してやっつける。もしくは視聴者に「本当に幸せとは・・」と偉そうに考えさせようとする。
無論、「モノが豊か=心も豊か」ではない。そうではない人もいるだろう。しかし、だ。
金のあるなしと心の豊かさには、何ら因果関係はないと思うのだ。
だから、この人もダメww
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091006-00000565-san-pol
<「家族間殺人は大企業に責任」発言取り消さない 亀井金融相>
「死刑廃止」なんかを大真面目に語る人間などこの程度だ。安易なのだ。短絡なのである。
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■2009/10/06 (火) 死刑制度とちょんまげ 4
「世の中が便利になって人間が劣化する」という説も「それだけ」ではあるまい。同じように「市場原理主義がすべて悪いのだ」という論もおかしいのである。それだけならば、まるで北朝鮮ではないか。
<亀井静香郵政改革・金融相は6日午前の閣議後の会見で、「家族間の殺人が増えている責任は大企業にある」とした5日の講演での自らの発言について、「取り消す気は全然ない。市場原理、市場主義が始まって以来、身近なところで不満や利害の衝突が起き、殺人という形につながった面が多い。そういう社会風潮を作ったという意味で、大企業に責任があると言った」と説明した。>
世の中には「貧しさから子を売る」という現実もある。貧しさゆえに犯罪が横行している国も少なくない。だから、例えば民主党は「アフガニスタンに民生支援すべき」などと言いだしているのではないのか。つまり、大企業が成り立つほどの「豊かな国」にアフガニスタンをすれば、テロとの戦いは終焉を迎えるのではなかったか。
普通に考えれば「アフガニスタンに学校を建て、病院を作り、仕事を与えればタリバーンを辞めて働く人が増える」という案は現実的に不可能であるとわかる。その目的として「タリバーンの弱体化」を挙げているのに、タリバーンが指をくわえて見ているはずもないからである。
そんなことをすれば、また、多くの一般国民が危険に曝されることになろう。小銃しか持たない日本の自衛隊にも甚大な被害が出るだろう。つまり、安易なのであり、短絡なのだ。
「便利」で「豊か」が人間を壊すのではない。要するに「その理由」を教えない、考えさせないからである。「その手段」を教えない、考えさせないからである。これを「平和」に置き換えればよくわかる。「平和」は人間を壊さない。人間を壊すのは「なぜ平和なのか」を教えない、考えさせないからである。だから「護れない」のである。
なぜ、今、こんなに「豊か」なのかを考えるとき、過去に触れないわけにはいかない。不思議なのは「今」なのだから、その理由は「未来」にあるはずもない。なぜ、今、なんだかんだといって、日本は「平和」でおれるのかを考えるときも同じく、過去に触れないわけにはいかないはずだ。それも正しく、公平に触れなければ「今」が矛盾する。
「5」へ
■2009/10/06 (火) 死刑制度とちょんまげ 5
例えば、教えられているのはこうだ。
「日本は過去の戦争で酷いことをした。そして世界を相手に戦争をすることになった。結果、悪い日本はボロボロにされて、原爆も落とされたし、空襲で多くの日本国民が殺されたりした。だから、もう、日本は軍隊を持たず、世界と仲良くせねばならない。今、平和なのは日本に軍隊がないからで、日本には9条という平和憲法があるからだ。」
この「屁理屈」をもって、子供らに「平和」を説くとき、そこには大いなる矛盾が転がる。先ず、「なぜ、日本だけ」なのか?日本にだけ平和憲法なるものがあり、日本だけが軍隊を具備していないのはなぜなのか?これに答えるにはもう、
「日本はそれほど悪い国だった。軍隊を持つと、また、他国に攻め入るような国だ。」
と教える他ない。もしくは、「他国は野蛮なのだ」というトンデモ理論にさえ発展する可能性もある。まあ、マトモに答えるなら「日米同盟があって~~~」としか言いようがない。
そして問いたい。そう教えられる「日本の子供」は自分のことをどう思うのだろうか。自国のことをどう考えるようになるのだろうか。そこに「精神的豊かさ」などあるのだろうか。そう、「モノの豊かさ」でも同じだ。今、なぜ、日本が豊かなのか?を教えるとき、
「戦後の日本人が粉骨砕身、信じられないほどの努力をして、今の冨を成し得た」
とした場合、なぜ、それが「日本の家族を壊した。親が子を、子が親を殺す世の中になった」となるのか。戦後からの復興とは「日本人を壊すため」に成されたとでも言うのだろうか。また、日本を支えてきた日本の企業に何の責任があるというのか。
「6」へ
■2009/10/06 (火) 死刑制度とちょんまげ 6
自分のじいちゃん、ばあちゃんが必死に働いて、それこそ、外国の人よりも働いたから、今の豊かな日本があるのだと教えないから「その価値」がわからないまま、当たり前のように、それこそ「金さえ払えば」当然の権利だと胸を張る、その「感謝を忘れた心」こそが問題なのではないのか。その「時間の縦軸」に嘘があるから、日本は壊れかけているのであろう。「他国を侵略しまくった悪鬼日本人」の生き残りが、どうして、なぜ、いきなり「真面目にコツコツと働く、勤勉な日本人」に転化したのかわけがわからないのである。
占領軍に押しつけられた「平和憲法」をいつまでも守る日本民族が、その64年前には国際法を無視して残虐な行為に明け暮れていたというのは無理があるのだ。
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私は妻に言う。
私は心から日本人になりたいから帰化するのだと。便利だからでも、韓国籍が嫌だからでもなく、ただ、本当に心の底から日本が好きなのである。そして、その「真実」は学ばねばわからない。学校や社会では教えてもらえないのだ。私はそれが口惜しいのである。
でもたしかに、モノが豊かになったら堕落する面も否定はしない。人は面倒くさくなったり、嫌になったりするものだ。喰い物も「美味いものを選んで喰う」ことは当たり前となった。伊勢神宮に歩いて行く人もいない。しかし「戦国時代の日本人は~~!!」と偉そうに抜かす保守オヤジにも「ならば先ず、あんたはチョンマゲをしる!」と言いたい。
便利は便利でいい。豊さ平和もありがたいことだ。ちょっとだらしなくなることも、まあ、仕方がない。しかし、その「理由」だけは忘れてはならない。ましてや、その所為にするなど本末転倒も休み休み言えと思う。死刑制度賛成。
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久代千代太郎
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