忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

2009.2.7

2009年02月07日 | 過去記事
「ネットによる誹謗中傷」で19人が書類送検された。そのうちの一人は「脅迫の疑い」だったという。つまり、「死ね」ではなく「殺す」と書いたのだ。ことは深刻なのだろう。あの朝日新聞が社説でも書いているほどだ。▼しかし、少し気になることがある。やたらと「事実に反する」とか「根拠もなく」などと書いているが、そこは「事実であっても書いてはいけない」とするのが良心的勢力の朝日新聞の役目ではないだろうか。単なる誹謗中傷は「事実」であっても書く必要はない。馬鹿に馬鹿だと言えば問題となろう。▼書類送検された阿呆どもも「事実かどうか」は問われていない。それは単なる「名誉棄損」であり「脅迫」であるからだが、まあ、比して朝日新聞はネット掲示板ではなく「報道機関」なのだから「事実」しか書いてはいけないと釘をさしておこう。▼そういえば、「南京あるある大虐殺」に関する裁判でも「事実かどうか」をぼやかした判決が出たそうだ。いわゆる「あった・なかった」の事実ではなく、1998年に出版された「『南京虐殺』の徹底検証」と「『南京虐殺』への大疑問」という著書についてだ。その中で「南京大虐殺」の生存者とされる夏淑琴という証人が「別人」であるとする記述があった。それを名誉棄損として訴えたわけだ。つまり、「本人」が「本人だ」と訴えたわけである。▼1審判決では原告の勝訴となった。根拠は「偽物だとは認められない」である。あくまでも「本人だった。証拠はコレだ。」ではなく、「本人ではなかったとは認められない」である。どこかで聞いたことのある雰囲気だが、最近では「沖縄集団自決訴訟」がそうだった。▼「軍による命令があった。証拠はコレだ。」ではなく、大江健三郎が「軍命令があったと認識していても仕方がない」とし、つまるところ「名誉棄損とは認められない」という驚くべき屁理屈がまかり通ったことは記憶に新しい。▼マスコミは「事実」を曲げて発信し続けるだけでなく、それで金儲けまでしておいて、今更「インターネットは事実無根の誹謗中傷が跋扈する」と書いても失笑を買うだけだろう。どちらが悪質で、どちらに影響力があるのか問うまでもない。▼都合の悪いことは「悪魔の証明」を用いて勝った勝ったと騒ぎたて、都合のよいことは「それだけ」を摘まみあげてみせつける。それが通じぬネットは、さぞかし都合が悪かろう。

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