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忘憂之物

13人の刺客と国会議員の資格

十年ほど前に知り合った、とあるBARのマスターから電話があった。

「最近どうよ?」という世間話をして、現在の状況を話す。私よりもひと回り年上のマスターも、あの店を閉めてから2度ほど就職したのだという。が、しかし「勤まらんかったw」ということで、現在は無職らしい。「山田バー」を引き継いでもらえばよかった、と私が軽口を叩くと愛想笑いをしてくれた。また、その雑談の中、大阪の「千林商店街」にあるパチンコ屋で起こった殺人事件の話が出た。入口付近でパチンコに興じていた男性が、いきなり刃物で喉を切り裂かれた事件だ。犯人は「パチンコで負けたから、誰か殺そうと思った」という腐った動機を供述していた。

そういえば、このマスターの自宅マンション前での出来事だった。「角台(端っこにある台)」が好きなマスターだったから、フロアに残る大量の血痕を見たあと、怖くてパチンコに行けない、と嘆いてもいた。私はその「千林商店街」付近に住んでいたことはないのだが、お恥ずかしい理由で右手を裂傷した際、ひと月ほど入院したのが、その近くの病院だった。

薬指のあたりからざっくりと割れて、小指はもう取れかかっていた。今でも小指は動かないが、それでも現代の医学は素晴らしい、と思った。私の右手は見事に復元した。日常生活でもとくに困らないし、強いてい言えば、うっかりしていると「小指が立つ」から、それが少し恥ずかしかったりする。

「千林商店街」には妻も連れていくことがある。「角屋」という「かき氷」の店が有名だ。バケツみたいなガラスの入れ物に、氷とアイスクリームなんかが山盛りでくる。私などは見ただけで、もう頭が痛くなるが、妻はいつも大喜びで、そこに白玉まで載せて喰っている。私は「アイスコーヒー100円」で付き合うことになる。そのあとは買い物だ。小物屋さんとか服屋さんなどが多い。妻の目の色が変わるのがわかる。

値段は安くて、もう、妻がひとつひとつ選んでいるのを見ていると、急に邪魔臭くなって「ここから、ここまで、全部買いなさい」と言いたくなるほどだ。まあ、奥さんがいる人は一度、連れて行ってあげると良い。女性にはたまらない商店街となっているようだ。



―――――が、しかし、本当の「千林の楽しみ方」はそんなもんではない。先ず、これがまた「立ち飲み屋」が多い。それに古本屋だ。そんなところの近くに私が入院しているのである。朝飯喰ったらいなくなるのも無理があるまい。当時はよく、会社のほうに電話が入り「また、脱走しました!」と通報されたりもした。ゴリラじゃないんだから、外出と言って欲しいものだが、折り返し会社から携帯電話を鳴らされ「また、脱走してますね!」と叱られたりもした。



という理由から、かなり千林付近は歩いた。入院生活序盤は「点滴の棒を引きずったまま」歩き回ったので、近所の奥様連中にジロジロ見られたり、気がつくと、後ろに小学生が何人もついて来ている状態などもあったが、立ち飲み屋に入ると意外に普通。たまに「そういう先輩」がいるのだろう。立ち飲み屋のオヤジも「ひや酒」を「どっち?(口で飲むのか?点滴に入れるのか?)」などと聞いてくる持ちネタ披露である。私も少し迷うふりをしてから「じゃあ、口からで」という余裕。ビバ大阪。お笑いと人情万歳、である。

あの辺りを歩くと、妙に道が狭いと気付く。商店街の造りも古くて、場所は絶対に教えないが、私が気に入っている古本屋など天井自体が曲がっている。それもそのはず、この千林付近は空襲で焼けていない。26日の日曜日、大阪の森ノ宮で米軍が降らせた1トン爆弾の不発弾がまたみつかって、JR環状線が朝から止まっていたらしいが、その前夜、私は虹の会長と大阪で飲んでいたが、ちゃんと真面目に「電車がある時間帯」に帰宅したから大丈夫だった。

それにしても大きな爆弾だ。敵国のサルとはいえ、真夜中、こんなものを生きている人間の上に降らせるなど、性根が腐っていないと出来る所業ではない。我々がハチの巣に殺虫剤を噴霧したり、バルサン焚いたりするのと変わらぬ感覚だろう。この巨大な鉄の塊が、生きている人間の真上に落下し、炸裂して弾け飛ぶと知っておれば、もう少し精密な爆撃をするとか、ナパームは止めとくとか、何かあっただろうと思う。まさに「可哀そうだけど、仕方ないよね、ごめんね♪」という差別感情がビシビシ伝わってくる。

まあ、米軍はよほど日本人が怖かったのだろう。景気も悪いのに、無理してたくさんの爆弾を大阪にも落とした。大阪城公園なんかも、ホームレスのおじさんと酒でも飲んで仲良くなれば「あんな、あっちにも埋まってるで?」と教えてくれるかもしれない。まだ、あるだろうと思う。それを見つけて確保して、東大阪にいるレッカー屋のツレに頼んで吊り上げて、そのまま大阪市西区にある「中国大阪総領事館」まで運んでもらい、待たせてあったガチコメタンクの先端部分に「ソレ」を装着して、あらゆるルートから確保した重火器で「虹の切り込み隊長」に援護してもらいながら、領事館の門をブチ破って、時速100キロでぶつけてみたい、という冗談はともかく、今から少し前、その大阪空襲で被災した方と、その遺族が日本国に対して「ひとり1100万円」の損害賠償請求を起こした裁判があった。なんでも「日本国憲法の法の下に平等」に違反しているのではないか、ということだ。


しかし、この手の裁判は、例えば大阪でも1962年、名古屋市の女性二人が「名古屋で空襲があった際に被害を受けた」として日本国を訴えたことがあった。2年ほど前にも、遺族ら100人以上が日本国を相手取り損害賠償請求したこともあった。もちろん、お気の毒ながら、これは全面的に国が勝訴している。国の言い分はこうだ。


「戦争は非常事態であり、犠牲や損害は国民が等しく受忍しなければならなかった」


しかしながら、原告側は「旧軍人、軍属、その遺族は戦後補償を受けている。空襲の被害者などの民間人被害者には行われていない」という。この根拠は先ほどの「法の下に平等」である。まあ、一言で終わらせるならば「一家全員が焼け死んだ被害者は、どこの誰が訴えてくれるのか?法の下の平等というのは、死んだら関係ないのか?」で済む話であるが、もちろん、日本はこれを支那人みたいに「相手国」に賠償させればいいとは考えない。

それは言うまでもなく、戦争とは単なる加害者と被害者の関係ではないからであり、且つ、国と国との条約などで解決済み、である場合は、その後においても文句は言わないことになっている。それが国際社会でのコンセンサスである。でなければ、欧米列強は向こう1万年ほど謝罪と賠償しても間に合わない。だから、どこも日本にだけ謝れとか賠償しろ、とか言う。日本人も言う。つまり、この被害者らは事の道理を知っている。

被爆したから保障しる!という朝鮮人も、原子爆弾を投下した本人であるアメリカには言わない。ありもしない「強制連行説」をでっちあげてでも、日本からせしめようと企てている始末だ。なぜか?払う可能性が高いからだ。




今日、妻と映画「13人の刺客」を観てきたのだが、その少し前、久しぶりに夫婦二人で昼飯を外で喰った。民主党は多いにビビるがいい。ノンポリ代表のような我妻でさえ「(尖閣の件で)なんで日本が謝れって言われているのん?」と問うてきた。私は「からあげセット」を貪り喰うのを中断して、ちゃんと真面目に答えておいた。妻は怒っていたぞ。

先ず、支那で逮捕された「フジタ」の社員4名についても説明してみた。大日本帝国軍が「遺棄した」とされる毒ガス兵器などの撤去についてだ。これもあえて「武装解除」という言葉を外してみる。妻には申し訳ないが、このリアクションがとてもわかりやすい。

「日本が中国大陸に戦争をしに行って、毒ガスの武器とかをその辺に捨てた。それが今になっても残っていて、その有毒ガスが漏れたりして、今の中国の人が病気になったり、死んだりしているんだ」

とだけ言えば、我が妻でも「そら、日本が悪いなぁ」となる。コレは実験結果だ。

しかし、である。これに「でも、日本は戦争に負けて戦勝国から武装解除させられた。ということは、それは解除させた側に管理責任が発生する。日本軍は埋めて隠したわけじゃない。その事実はないし、その理由がない。その後、日本の武器は中国の共産党軍と国民党軍の内戦でも使われているし、アメリカもソ連も日本の武器をたくさん取りあげた。ンで、戦後、用がなくなって処理に困った分を埋めたり、捨てたりしたわけだね。それが今、問題になって、たくさんの日本の有権者が収めた税金が使われている。さて?」

と言えば「そんなんずるいやんか」となる。実に当たり前の反応だ。しかも、これは麻生政権のとき、吉林省の「不法遺棄化学兵器処理事業」を3年間凍結、合わせて「事業規模を10分の1にする」とされた。既に600億円規模の税金が投入されており、更には処理事業を内閣から依頼されていたPCIという企業も、まあ、様々な水増し請求が発覚して、わかっただけでも3億円の税金を懐に入れていた。平成19年に社長が逮捕されている。麻生内閣は、その遺棄兵器の処理事業に隠れる不正を暴き、且つ、支那に対しても事業の凍結&縮小を飲ませたわけだ。しかしながら、周知の通り、自民党にお灸を!と言いながら政権交代させてみたら、なんと、その事業が復活、一部の報道によると、最終的には60兆円もの巨額の税金を投入することになっているという。その業者が「フジタ」だった、と付け加えれば、さすがの我が妻も「温玉ラーメン」の卵だけを食べて「もう、いらん。メロンパン食べたい」と我儘を言うはずだ。おそらくは、練乳入りメロンパンのことだ。


さて、この25日の夜、なぜに私が虹の会長と大阪でデートしていたのかと言うと、だ。とある「講演会」に行ったのである。わかる人はわかるだろうが、講演者が「ここだけの話」と連呼しまくっていたので詳細は書かないことにする。それと、今から少しだけ批判を書くからだ(笑)。もちろん、尖閣諸島の話は出た。今が旬である。

まあ、私と「他人とは思えぬ」ほどのアレだし、私の尊敬する人物も何かと好意的に接しているので批判しずらいところではあるが、違和感があったのは事実、民主党じゃないんだから、思ったことは口にするのである。というか、書くのである。所詮はブログだ(笑)。

結論から言えば「日本の官僚は賢い」んだそうだ。落とし所もあそこしか無かったと言っていた。もちろん、言っている意味はわかる。これが大人びていてカッコイイのかもしれない。しかし、私はカッコ悪くても良い。やはり、今回の件はダメだと思う。



講演会の最後、年配のお父さんが質問していた。概略するとこうだ。


「温家宝は国連の場で堂々と自国の都合を述べた。日本も友好は否定せずとも、言うべきは言わないとダメだし、言ったところで日中の友好に影響があるとは思えない」


実にその通りだと思った。講演者は「中国には親日派もいる。彼らに花をもたせねばならい。でなければ失脚してしまう。中国が本当の意味で反日一色になれば、それはやはり日本が困ることになる」とのことだった。話題になった「レアアースの輸出禁止」についても「輸出しないと困るのは中国。でも、そう言わないと、共産党内部の反日派や反日の人民から引きずり下ろされてしまう。向こうもギリギリだった」というわけだ。

それに日本国内での「支那共産党に対するデモ」に関しても「ユニクロの服を着ながら、支那人は出ていけ!とやっても仕方がない。日本は経済において中国は外せない」という、まあ、最近よく耳にする発言もあった。私やこの講演者が着る服は「ユニクロ」にサイズがないと思われるが、しかしまあ、これも言っている意味はわかる。

口に入れるモノを避けたところで、日常生活を見渡せば「メイド・イン・チャイナ」は溢れている、ということだ。今さら、支那人は出ていけ!国交断絶だ!と言っても詮無いことではないか、と言いたいのだろうと思う。報道を観て「なにお!このチャンコロめ!」と憤り、日の丸を揚げてデモ行進すれば「気持ちは良い」だろうが、ちょっとマッテほしい!ということを述べておられた。しかし、私もちょっとマッテ欲しいのである!

先ず、それは「日本だけ」であろうか。アメリカもロシアも「メイド・イン・チャイナ」だらけではなかろうか。いや、「日本は国軍がなく、アメリカに国防を依存しているから保護国なんです」はわかる。情けない話だが、それはその通りだとは思う。しかし、私は日本国を指して「芸者国」とまでは言えない。そこまでシニカルに捉える事は出来ない。

また、この御仁は冒頭、学研トイズの地球儀の件を話した。これを書けばもっと、わかる人にはわかってしまうが、書かないわけにもいかないので書く。「台湾を指せば“中華人民共和国です”という音声が流れる地球儀」が問題になったニュースは記憶にあるはずだ。このニュースは、この講演者が「すっぱ抜いた」ニュースであった。

「一企業とはいえ、主権にかかわることでウソは良くない、これを日本の学校で、日本の子供たちが勉強に使うのは良くない、と思いました」は立派である。その通りだと思う。これからもがんばって欲しいとも思う。そのあと「で、この学研トイズという会社、潰れちゃいました」で会場はクスクス笑っていたが、それも仕方のないことだろう。

しかし、だ。

この学研トイズという会社は、会社のホームページに謝罪文を載せ、商品を引き取り、苦情があった人には社長が自ら謝罪と訂正を記したメールを返信してもいる。というか、会社を潰している。わかっているのは、この問題となった地球儀「スマート・グローブ」の生産工場は支那にあったということ、そして支那共産党から「指示」されていたということだ。学研トイズは「会社の利益」を重視して、支那共産党の命令に従った。「日本に輸出しない」と言われれば、この会社は相当なダメージがあっただろう。担当者レベルで対応することも不可能だったと思われる。もちろん、だからといって「台湾を中国の一部」「樺太全島」と「千島列島」をロシアとしたことは許されることではない。だから、この講演者が「すっぱ抜いた」ことで学研トイズは倒産した。

しかし、である。日本政府や日本の官僚が「支那との関係」に配慮して、公務執行妨害で逮捕された支那人船長を「処分保留」というわけのわからん理由で釈放したことが仕方なく、且つ、日本の官僚もカシコイと評するならば、自社の利益を重視して「地球儀」を作って売った会社も許されはしないが、理解が及ぶ範疇ではないのか。軍隊はなくとも、日本政府がせめて「言うべきを言う」ことのできる政府ならば、学研トイズも「ならば工場を引きあげるだけだ!」と強気に出られた可能性はないのか。

日本に国軍はないかもしれないが、世界には弱小と言って大過ない「国軍」しかない国もある。それこそ穿った見方をすれば「日米安保すらない弱小国」も世界にはたくさんある。その国が「戦争したら負けるから」という理由で、日本のような対応をしているだろうか。

嫌な言い方だが、日本が「アメリカ旦那の芸者」ならば、自分に何かすれば、贔屓にしてくれる旦那が黙ってないぞと脅すこともしない。それに日本には自衛隊という実力組織もある。いくら弱腰であろうが、外交音痴であろうが、支那の軍艦が日本の領海内で日本の漁船を拿捕しまくったら、何もしない、などあり得ない。

それに、学研トイズは地球儀を輸出すれば会社の利益になるのだろうが、今回の日本政府の対応が「日本の国益になった」と判断するのは難しい。曰く「一般の国民は仕方がない(一喜一憂する・単純に反応する)」というが、その結果が民主党政権の誕生ではなかったか。これももちろん、言っている意味はわかるが、私はその「質と量」に問題があると思っている。配分と言っても良い。わかりやすく言うと、だ。

よく「2.6.2」の法則とか「8:2」の法則と言われるものがある。ビジネス本などに書かれているのは「8割の社員が2割の売り上げを守っている。2割の社員が売り上げの8割を守っている」とか言われるアレだ。10割の社員が全員、辣腕社員でスーパーサラリーマンというわけにはいかないから、自然と社内で「法則」が発動するということだ。

逆も同じで「顧客の2割が売り上げの8割、8割の顧客が2割の売り上げをつくる」とも言われる。これも言われてみればなるほど、だ。

これを日本に当てはめてみることはできないだろうか。

「2割の国民が国の将来を考えているが、8割の国民は自分の生活にしか興味がない」

コレでようやく「国家」というものが成り立つ、とする。日本は今、この「法則」が崩れているとは考えられないだろうか。最低でも「2割」は必要なのではなかろうか。その「2割」が国会議員になったり、世の中にモノ申す影響力のある仕事に就いたりするのではないか。この「2割」が今、1割を切っている。0.3割くらいかもしれない。だから、国がおかしくなる。つまり、講演者は「8割」が動かないという前提で話している。

これには私も同感だ。いくら言っても「オレ?オレはオレの人生だけハッピーでいいの♪」という阿呆もたくさん知っているが、しかし「投票なんか無駄。誰がやっても一緒」という有権者、あるいは「何か知らんけど手当くれるらしいぞw」で投票する有権者は「8割」が限度なのではなかろうか。これが9割を超したとき、それが去年の夏だった。日本が深刻なレベルで瓦解し始めた瞬間だった。

まあ、そういう意味で勉強になった講演会だった。コレは嫌味ではない。



また、今日観てきた「13人の刺客」であるが、実に面白い映画だった。民主党議員は観に行ったほうがいい。ネタバレは避けるが「天下泰平のために命懸けで阿呆殿を討つ侍」と「如何なる主であろうとも、侍の道義は主君を護り、命懸けで忠義を尽くすこと」として譲らぬ対決がある。共に武士の本分を己に問い続ける結果、血を流して斬り合うことになるわけだ。このどちらも民主党には見当たらないが、代わりに阿呆殿はたくさんいる。

コメント一覧

久代千代太郎
>からすさん


日本って良くも悪くも特殊な国なんですね。最近ようやく理解してきましたw


Karasu
自民の時代から何十回・何百回?
これに近い話しを聞かされましたね

これがオトナの対応なんですよ・・
冷静に冷静に・・

尻尾を丸めた犬が、綺麗な?理屈を
構築してるだけにしか見えなかった

過剰な大陸進出・・そして騒乱
なんで、同じことを繰り返すの
何の学習もしてないじゃん・・
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