忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

ガチコメ的「ヨガファイヤー」

2008年03月25日 | 過去記事
■2008/03/24 (月) ガチコメ的「ヨガファイヤー」1

妻との、いつかだったかの「新世界デート」。

その日は「シチューうどん」を食べさせることになっていた。が、しかし、モノが「うどん」だし「汁物」だということで、これは先に「串カツ」をいっとかねばなるまい。そして、そのあとは「寿司屋」で『3個100円』という格安の寿司を摘みながら、焼酎濃い目のホッピーなんぞをグイっとせねばならないと「法律で決まっている」と妻を騙す。許せ。

ほろ酔い気分でじゃんじゃん横丁を歩いていると、妻が「プリクラ」なんぞを撮りたいと抜かす。ふとみると、ゲームセンターがある。将棋屋の斜め向かいのあそこである。

しかし、夜になったら、コインゲームのあちらこちらで「老人が寝ている」あのゲームセンターにプリクラは無い。さすがにあきらめた妻は『老人の生死』を確認しだす。ついでにトイレも借りる。暇な私は、その辺のテーブルゲームを物色する。

見慣れないゲームがたくさんあった。よくみると面白そうなのもあるではないか。まあ、普通にゲームセンターなど「UFOキャッチャー」とか「プリクラ」しか用がなかったが、なかなか・・・・む??こ、これは・・・!!などと、私は童心に返っていた。

「格闘ゲーム」は好きである。あの、「しょうりゅうけん!」とかいうやつも少しはハマッたもんだ。当時、私の「ダルシム」は最強であった。見た目で判断してはいけない。野球ならキャッチャー、サッカーならキーパー、ストリートファイターならエドモンド本田というのは決め付けである。

ともかく、地元のゲームセンターではいつも、私と「ダルシム」の「ヨガヨガヨガヨガヨガヨガ・・・ww」という笑い声が響いていたもんだ。

遅いヨガファイヤー(弱パンチボタン)を繰り出した瞬間、ジャンプして放つドリル頭突きは、どちらもゆったりした動きとなるため、非常にタイミングが計りにくいのであった。

それでも、距離をとられたらドリル頭突きの体勢を解き、すかさず足を伸ばして蹴る!ヨガ!!当たれば捕まえてヨガヨガパンチ!ヨガ!!迂闊に空中攻撃を仕掛ける相手の着地点を読み切りヨガフレイム!5HIT!!ヨガヨガヨガヨガヨガヨガwww

「2」へ

■2008/03/24 (月) ガチコメ的「ヨガファイヤー」2

ほ、ほほぉ・・あるぢゃないか。

なんか知らんが、格闘ゲームだな・・・むふふ・・・

100円いれて・・・っと・・・

new challenger!!

ん?

なんだ?

まあ、いい。うむ・・・これでいくとしよう・・・

私が選んだのは、なんか「木人拳」のキャラクターみたいな、頭から葉っぱが生えている木の人形みたいなやつだった。こ、これが・・・「強・攻撃」だな・・・ふむふむ・・

らうんどわん!ふぁいっ!

え・・・っと・・・む??

一方的に攻撃されている「木」・・・っと・・・!!

KO

ちょ、ちょっと、マテ。

なんだこのゲーム・・・?強すぎるだろ・・・ぜんぜん、なんにもしてな・・・

らうんどつー!ふぁいっ!

一方的にボコられる「木」・・・

おいおい・・・私がオサーンになったのか?ゲームのレベルがあがったのか?

最近の餓鬼はこんなにハードなゲームセンターで遊んでいると・・・!!

ああ!!

こ、これは!!対戦型!!相手はコンピューターではなく、人間だ!!

お・・・おのれ・・・

妻が戻ってきた。

「あんなぁ、おばあちゃん寝てたよ。」

それどころではない。も、もう100円だ!

もちろん、次も「木」で勝負だ。なんとなくわかった。よし。

「おとうしゃん、ゲームしてるの?」

そ、そうだ!妻よ!このゲームセンターのどこかにいる対戦相手を見つけてくるのだ!わかるか?この画面と同じゲーム、同じ動き、同じキャラクターのゲームを探してくるのだ!

「うん。わかた。」

くっ・・・おのれ・・・手も足も出ん・・・も、もう100円だ!

「おとうしゃん!!おった!!おった!!」

くっ・・・どこだ!!このゲーマー野郎は!!少しくらい手加減しろとあれほど・・・

「すぐ前だよ。ここ。」

2人組みのオタクっぽい餓鬼がいた。もう、きゃっきゃと笑っていた。

「なんで、こいつ、木人ばっかだよっwwありえねーwww」

「3」へ

■2008/03/24 (月) ガチコメ的「ヨガファイヤー」3

も、盲点だった・・・まさか・・・すぐ前とは・・・しかも、木人は関係ないだろ!!

You lose

くっ・・・も、もう100円・・・

も、もちろん、「木」のやつ・・だ・・

「おとうしゃん、もう行こうよ。」

妻よ。おとしゃんがここで帰ると・・・だ。すぐ後ろから餓鬼どもの勝ち誇った笑い声がするだろう。そしてそれは、おとうしゃんが笑われているんだぞ?餓鬼どもにいいようにされて、おとうしゃんが情けなくも下を向いて帰り、そのあと「シチューうどん」を食べたとしてだ・・・キミはそれでもいいというのか?

「アカン。腹立つ。殺す。」

よし!!ならば、両替を頼む!!

「わかた!!」

いくぞ。餓鬼どもよ。覚悟はいいか?れでぃ?ご!

ちょ、ちょっと、「くま」に変えてみたが、相手はかなりの腕前なんだろう。やはり、やられた。しかし・・・だ。もう気付いているだろう。少しずつ、少しずつだが・・・私は上手くなっている。

20年前・・・こんなリアルでよくできたゲームは無かった。それでも、己の想像力をフル回転させて楽しめたのだ。格闘ゲームというジャンルもできていないころ、風呂屋の帰りに湯冷めして、オカンがぶち切れるほど「イーアルカンフー」をした経験を舐めるんぢゃない!!ああ、くそ!また負けた!!

「4」へ

■2008/03/24 (月) ガチコメ的「ヨガファイヤー」4

貴様ら、いい加減にせんと、リアルで格闘ゲームの相手になってやろうか?ああ?もう、いくらつぎ込んでいると思っておるのだ!!つ、妻よ!両替だ!!

「あっはっははは!!なにこいつwwww」

聞こえた。2度目だ。

“こいつ”だぁ?

餓鬼ども・・・上等だ。
貴様らが餓死するか、私の財産が尽きるまで勝負だ。そこを動くな。

私は思わず立ち上がって背伸びをした。肩がこったのだろう。うぅ~~~んっと・・・

目が合った。そこは私もフェアプレイ精神溢れんばかりの笑顔で返す。

なぜだか、向こうでボソボソと話し出した。なんだぁ?作戦かぁ?こちらは妻しかおらんのだぞ?ゲームについては素人だ。家ではコントローラーを反対に持っていた妻だぞ?その妻に「スト2」で負ける倅とはいったい・・・倅曰く「動きが読めない」と嘆いていたが・・・ん??

・・・・・!!

よくみると「エドモンド本田」いるっぢゃないかぁ!!名前も顔も少しだけ違うが、同じ様なモンだろう。親戚かなんかだろう。よし!使い慣れたキャラならば・・・

ひゃくれつ!!ひゃくれつ!!

ふはははは!!!

張り手!!張り手!!

「おとうしゃん!!すごい!!」

むははははははははははははは!!!!

You win

そうだろうそうだろう!!ふはははははは!!!

新世界を舐めるんぢゃない!!ふはははは!!

正面側から2人の餓鬼がトボトボと立ち去る。

『どうだ!!おとうしゃんの強さをみたか!!』

「すごいすごい!!おとうしゃぁん♪おとうしゃん♪」

『よし!シチューうどんを食いに行くぞ!!ふはははは!!』

-
-

・・・・!!

「準備中」

・・・・はっ!!・・・あの・・・

「もう、終わったんよ。ごめんなさいねぇ~~」

・・・・・。

・・・・・は・・・はあ・・・

妻は「ブランカ」のように泣いていた。

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