もちろん、サンタは私のサイドビジネスでもある。
そして、我が家のビッグイベントの段取りにも余念がない。
妻から途中報告がある。
妻:「おとしゃん!めりーきりしまし!!」
妻の報告内容を確認しておこう。
ちなみに「きりしまし!」というのは暗号だ。意味は「クリスマス」のことだ。
いわゆる「ファミマチキン」を買いに来ているという。今年は私も妻も仕事が抜けられないし、倅は勉強で忙しいと抜かす。だから、仕方なく「買出し」することになったのだ。妻のミッションは「ファミマチキン14個ゲット」である。
おっと、
トラブルのようだ。
なんでもすごい行列らしい。そして、妻は「もう帰りたい・・」とワガママを言いだす。電話越しに励ます。すると、
妻の後ろに並んでいたオサーンが荒れ出したというではないか。
オサーンは「2個」だけ買おうとしているらしい。ペットボトルの麦茶だけを持ち、ファミマチキンの行列に並んでいるというのである、明らかに「自分で喰う量」のファミマチキンを求め、長い列に加わるだけでも相当なアレだが、さらに、
「2個くらい、そこにあるやないかぁ!!なんやねん、どんだけ並ばすんじゃ!」
などと、オサーンにあるまじき身勝手な切れ方をし始める。妻の真後ろで怒鳴るから妻は「怖かったお・・」と嘆いているではないか。私がいれば、そんなオサーンは二つにたたんで大きめのマフィンで挟み込み、ブラックペッパーとマヨネーズで味を整え、「ファミマ特製・オサーンサンド」として売り出してやるのだが・・・というか、そんなんだから、クリスマスイヴにひとりでファミマチキンなんだと、あれほど・・・
妻の番が来た。
妻:「この人に先にあげてください。2個。」
!!
なんと!パブリックマインドである!
行列に並ぶ他のお客さんも不快だろうと察し、自らを犠牲にしてオサーンにファミマチキンを譲るとは・・・そのせいで自分は「次のファミマチキン」が出来るまで待たねばならんというのにである。そのとき、妻は心の中で、
「めりーきりしまし!!」
と思ったという。
オサーンは礼も言わず、威張りながら帰って行ったという。しかし、ファミマの店員からお礼の言葉をもらい、なんと、コーラー2本をげっちゅしたというではないか。さすが妻である。
妻:「オレ・イイコト・シタ・ホメロ」
と妻だけで流行っている「ロボ語」を発しながら喜んでいた。そして、
「あげたてだし、コーラーもらったし、いいことは儲かるなぁ」
という。でも「儲かる」とか言わない方がいいと思う。
-
私も活動を開始。駐車場出口で警備員のおっちゃんから「モチ」をもらう。寒くなってきたので「耳まで隠れる帽子」をプレゼントしたのだが、どうやらそのお礼らしい。「九州の餅」だと言っていた。袋に裸でゴロゴロと入れられている。
なんか、「モチをもらう」ということが新鮮だ。なかなかもらう機会がなくなったぞ「モチ」。妙にうれしかったから妻に報告する。
私:『もちもち?モチ。もらったぞ。モチモチ。もちもち?』
妻は「もしもし」と「もちもち」をかけたダジャレに呼吸困難に陥っていたが、
妻:「わぁい。おもち好き。儲かったなぁ!」
だから、「儲かった」はやめなさい。
娘の家に寄る。
そーちゃんがいる!!
さっそく「スイスイお絵かき」をサンタする。
そーちゃん:「おおぉ~~~うぉ~~~あぁぉ~~~」
抱っこする。
娘もいる!!
お菓子とかいろいろサンタする。
娘:「おわぁ~~お~~~おとしゃぁぁぁん~~~~!!」
抱っこする。
うむ。
我ながら今年も見事なサンタっぷりである。
さて・・
ん?
トカゲがいる・・・・こっちみてる・・・
私:『・・・おいおい・・・・まるで、“ぼくにはないんですか?”というような眼つきぢゃないか。ああぁ?』
トカゲ:「い、いえ・・・そんな・・・」
私:『うえーはっはっは。おいおい、もう、どれくらい日が経ったと思ってるんだ?いつまでもギクシャクするのもアレぢゃないか。自分の分はないと思ったのか?うぇーはっはっは。』
トカゲ:「!!あ、あるんですか??」
私:『うぇーはっは。おいおい・・・たしかに最初はな、アレだったがな、もうこうやってちゃんと暮らしてるし、そーちゃんも大きくなるしな。いつまでも、私がごちゃごちゃして、な?もう、いい加減、水に流してな?仲良くするのもいいんぢゃないかってな?』
トカゲ:「!!あ、ありがとうございます!!」
私:『うぇーはっはっは。ンな、大げさな。たかがクリスマスプレゼントぢゃないか。ほら、手を出してみろ?』
トカゲ:「は、はい!!」
私:『うえーはっは。ほれ。』
私:『つまようじだ。私の使いさしだよ。それも2本。』
トカゲ:「・・・・・・・・・。」
私:『なんだ?欲しいものは勝手に持ってくクセに、くれるものには文句があるのか?ああぁ?死ぬのか?おおぉ?」
トカゲ:「・・・い、いえ・・・あの・・・ありがとうございます!・・わ、わぁい・・」
娘:「もうぉ~~~~おとしゃん!!」
私:『ふん。めりーきりしまし!きりしまし!きりしまし!めりーきりしまし!きりしまし!きりしまし!』
そーちゃん:「まし!まし!まし!wwww」
私:『トカゲよ、お前のとこにもくればいいなぁ?サンタの格好した爬虫類がな!死ぬのか?死ぬのか?死ぬのか?死ぬのか?死ぬのか?』
娘:「そーちゃんが覚えるからやめてぇ~~~~」
私:「いくぞ!そーちゃん!!きしりまし!きりしまし!きしりまし!きりしまし!」
そーちゃん:「wwwwまし!まし!」
その日、私は「ケーキ」と「ポップコーン」と「犬のおやつ」と「お菓子など」とか買って帰った。イチゴを忘れて妻に叱られた。
2008年。めりーきりしまし。
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