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石原知事の尖閣買い取り「重大危機」と丹羽大使(読売新聞)>2012.6.8

2012年06月08日 | 過去記事

    





石原知事の尖閣買い取り「重大危機」と丹羽大使(読売新聞) - goo ニュース


<丹羽宇一郎駐中国大使が英紙フィナンシャル・タイムズの取材に対し、石原慎太郎東京都知事が尖閣諸島の買い取りを計画していることについて「実行されれば日中関係が極めて重大な危機に陥る」と懸念を表明したことが、7日明らかになった。

 発言は7日付の同紙(電子版)に掲載された。

 日本の領土である尖閣諸島について、中国との間で領土問題が存在していると認めるかのような丹羽氏の発言には批判が出ている。藤村官房長官は7日の記者会見で「個人的に見解を述べたということで、政府の立場を表明したものでは全くない」と不快感を示した。玄葉外相は同日、外務省幹部を通じて丹羽氏を注意した。

 民主党の前原政調会長も同日の記者会見で「大使としての職権を越えている。我が国の固有の領土たる尖閣諸島について、どこが買う買わないで中国と問題になると言うこと自体、見識が問われる」と強調した>








2010年11月1日。ロシアのメドベージェフ大統領は北方領土を「電撃」訪問した。この不法入国はまさに「電撃」だった。というのも日本政府は察知していなかったからだ。当時は菅政権。官房長官は仙谷。その年の9月の代表選を経て「脱小沢」で支持率6割超、最低内閣から最悪内閣に変貌して間もなくのことだった。

当時の河野雅治駐ロシア大使が官邸に呼ばれ、菅直人から「なぜに“行かない”と思ったのか?」と詰問されると、河野大使は「ロシアの外務省がそう言ったから」と子供の使いレベルの言い抜けをした。それから仙谷も問う。「それはプーチン首相の意向なのか?」

河野大使は「私の専門はフランスです。ロシアはあまり詳しくないから」と前代未聞をやった。同大使を任命したのは自民党政権。菅内閣は即座に更迭処分を下した。

そんな菅内閣が任命した丹羽宇一郎駐中国大使がもっと酷いことになっている。ロシアの例で言えば「メドベージェフ大統領の北方領土訪問を批判すれば、日ロ関係は極めて重大な危機に陥る」と言ったようなモノだが、なんと、野田政権はこれを更迭しないらしい。しかしながら、言うまでもなく、これは「注意した」「謝った」というレベルの話ではない。日本の大使がイギリスの新聞を使って「日本を恫喝した」とも受け取れるわけだ。尖閣諸島に関して(買い取り計画が)<実行されれば日中関係が極めて重大な危機に陥る>というのは北京の声ではないか。つまるところ、支那共産党の代弁者なのである。

最近、マスメディアから消えた言葉で「閣内不一致」とか「党内不一致」があるが、この最低最悪無能政権はそんなレベルでもない。普通、いままで、我々は「反対するのは野党」だと思っていた。それを「反対のための反対じゃないか」とか「なんでも反対すればいいというものではない」という批判するのが普通だった。しかし、この不思議な政権は国内問題であれ外交問題であれ、消費税であれ原発再開であれ、内閣としての方針が決まってからでも、堂々と内部からの反対がある。付き合わされる自民党も対策に苦労するはずだ。

これでは何も決まらないどころか、通常の国会議論すら進まない。自民党議員が「まず党内をまとめてから」と国会で連呼する姿は珍しくなくなった。実に無責任極まる無能内閣であるが、これが外交問題、しかも潜在的敵性国家相手の外交なら取り返しもつかない。

北方領土は先述の不様から翌月、早くもシュワロフ第1副首相が国後島と択捉島に不法入国した。菅直人は「大変遺憾だ。佐々江賢一郎外務事務次官からロシア大使に強い抗議を申し上げた」とのことだったが時すでに遅し、その後もロシア政府の人間が続いて不法に上陸を繰り返した。都度、日本は「遺憾の意」を発動するも虚しいだけだった。

その翌年は韓国の国会議員がロシアの外務省に通じて上陸。さらにその翌年には韓国企業が14億ルーブル(約4600万ドル)を投じて択捉島に港湾建設を決めた。支那は国後島に大規模農場をつくると言い出した。色丹島では漁業も行う。北京師範大学国際関係研究所の李興所長は「北方領土はロシア領」と語り「中ロがウィン・ウィンの関係になり、双方とも利益を得ることができる」とした。さらには「日本が不愉快に感じても、関係ない」と強弁する。ロシアは公式にコレを認める。日本の民主党政権なんぞ知ったことかと、文句があるなら言ってみろと聞こえてくる。

つまり、大使を更迭してもコレだった。そして今回は支那人相手に「厳重注意」のみ。相変わらず支那にべったりの売国商売人が大使を続ける。こんなのはもう「誤ったメッセージを」というレベルに無い。支那共産党が「どのように受け取るか」など論じても無意味だ。他国の領土領海を堂々と「核心的利益」と公言して憚らない相手だ。そもそもからして通じないのである。

ともかく、これでまた国会が空転する。当然ながら自民党は「更迭しろ」とやる。これにまたウダウダと民主党閣僚が答える。いままでずっと繰り返されてきた茶番をまた、国民は見せられる。もちろんその間、日本の国益は掠め盗られていく。「子や孫に負担を残すな」とはよく言ったものだ。「国の借金」がどうしたと出鱈目をやっているヒマはもう無い。日本はいま、子々孫々に「国が残せるか」というところまで来ている。




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