日本で「海賊」といえば、なぜだか正義感に溢れ、型破りで大らか、悪人からは奪うが、貧しい人達の味方で、麦わらをかぶり手足が伸びる・・・・などという呑気なイメージが先行していると思う。▼著作権などを侵害する行為、製造元の許諾を得ず、複製したDVDなどを売りさばく行為も「海賊版」と称されるが、出回りすぎて、あまり悪辣なイメージは伝わってこない。▼日本の調査捕鯨船、海幸丸に、またシーシェパードが妨害行為を行ったらしい。右舷から体当たりして薬品の入ったビンを15本投げつけた。▼シーシェパードの「抗議船」スティーブアーウィン号が揚げている海賊旗は「ジョリーロジャー」。意味は「抵抗するなら皆殺し。降伏すれば命は保証。」である。つまり、海賊である。▼他国とは違い「絶対に攻撃してこない」日本相手のレジャー感覚。金集めにもなるし、組織アピールにもなる。止めるわけがないのだ。万が一、この海賊どもが拿捕されても、過日のようにディナーを喰わせて開放してくれるだけだ。そんな国は世界で日本だけだ。▼海賊が横行するソマリア海域に海上自衛隊を派遣する政府案が検討されている。相手はロケット砲まで具備しているという。海保では鎮圧できない。▼海保の面目を保つためにも、このキャプテンハーロック気取りの「海賊版」を殲滅すればどうか。相手は海賊旗をあげて日本籍の船舶を攻撃している。遠慮は要らない。▼ところで、この「スティーブアーウィン」という船の名だが、これはあの「クロコダイルハンター」で有名になったオーストラリア人の名だったはずだ。タレントで環境保護運動家。たしか、アカエイに毒針で刺されて亡くなった。▼その恐怖のアカエイですら、日本人は「えいひれ」にして酒の肴にする。覚えておいたほうがいい。