大阪弁で「ドンナラン」と言えば「どーにもならない」という意味になる。「ドモナラン」「ドーナラン」も基本的に同じ。どうしようもない、如何ともし難いということだ。
先週あたり、車の中で聞こえてきた「テレビの音声」でモーニングショーの玉川徹が「僕は自然科学を学んだから解るんですが、マグマが溜まれば富士山はいつか必ず爆発する。だから財政支出をこれ以上増やせば財政破綻する 」とか何度か言っていた。例えば、こういうときに使うセリフだ。こいつ、ほんま、もう、どんならんな、とか言う。
玉川は「赤字国債は違法なんですよ」とかも言っていた。たぶん、財政法第4条のことだが、同法には但し書きがあって「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる 」とのことだ。ま、ドンナランときは使え、と書いてある。だから2007年には25兆円まで下げていたが、2008年の世界金融危機のときに33兆円の増設をした。どんならんかったからだ。
その翌年、民主党政権は44兆3千億円の赤字国債を増設。過去最高額だったが、べつに金融危機があったわけでも、コロナで経済がやられたわけでもなかった。ただ鳩山内閣が発足した。たしかに災害レベルだった。
その後も玉川徹は他のコメンテーターか何かに「将来世代への負担が」みたいにして賛同を得る。しかし未だに、テレビとはいえ、このレベルの話が堂々となされていることに溜息が出る。
ほんま、どんならんわけだが、ラサール石井も菅内閣のコロナ対策をして「人体実験」と称し「コロナ禍に自民政権だったせいで死ななくていい人まで死んだ 」と言う。
ラサールは2019年、沢尻エリカが逮捕された際「桜を見る会」の報道を隠すために、安倍内閣が意図的に逮捕させた、とツイートもした。「逮捕者リスト」があって、政府に都合が悪い報道が過熱すると順次、逮捕してマスメディアをコントロールする、とのことだ。
玉川徹58歳。ラサール石井66歳。どんならんわけだが、テレビのアナログ放送がなくなって、およそ10年が過ぎた。どうしても見たければ録画もするのだろうが、CMなんかスキップで飛ばすから見なくなる、と言われていた。テレビ視聴者は母数が減って弱体化する、広告収入は激減してネットにヤラれる日は遠くない、とか10年前から言われていた。辛うじて死に絶えてはいないが、ほとんど予想は当たっている。
つまり、テレビもタレントも劣化して陳腐化する。
真面目な顔して阿呆を言う。偉そうな態度で頓珍漢を述べる。賢いつもりでぺらぺらの見解を晒す。幼稚な語彙で文章を書いて恥をかく。真面な識者は次々に逃げ出してしまう。出てくれる専門家は限られて色もつく。懸命に嘘を作っても秒でバレる。巧妙に仕込んでも一日持たない。
たぶん、もう、どんならん。