鶏の胸肉をボイルしてブロッコリーとか、いろんな野菜とドレッシングで和える。我が家の今日のメインだ。
あとは妻が好きな「もずく」も用意。それからこれも妻の好物である「うなぎの肝タレ焼き」を2本だけフライパンで焼く。しっかり焼くのがコツだ。そして野菜コロッケがひとつ。ソースは市販の中濃ソースでOK。間違ってケチャップをかけたりしてはいけない。妻はケチャップが好きだが、コロッケにかけると嫌がるのである。しかし、気が変わって自分でかける場合は構わない。要するにこちらで「勝手な判断」はしてはならない。
もちろん、竹輪にキュウリも差して斜めに切ってあるし、キャベツとコーンを具にした味濃いめのコンソメスープもすぐに出せる状態にしてある。実のところ私は手際がいいのである。そこに塩昆布の小さめのおにぎり。べったら漬け。暖かい麦茶などを用意すると、リビングから「ごはんまだぁ」の声がする。妻だ。
時計を見ると22時前ほどか。妻はリビングで犬と一緒にスマホをしながらアマプラなんぞを観ている。巨大な座椅子にちょこんと偉そうに座り(犬と)、台所から料理を運んでテーブルに並べる私に質問してくる。たぶん、スマホで何か見ている。
「かますはますって勝つのん?」
ん?なに?M-1?
「違う!」
私はコンソメスープを温めている火を落として器に入れ、妻のお気に入りの蓮華を添えて運びながらまた問う。ん?なに?だれ?
「かますはます!」
不味い。2回も聞き直したから少々、気を悪くしたようだ。妻は機嫌が悪いと左巻きの活動家くらい面倒臭い。いや、それは「理屈が通じない」という意味一点においてだ。
しかし、かますはます、とはなんだろう。拙い私の知識で憶測するに、これがもし、そのままの意味なら「スズキ目カマス科に分類される魚類の総称とイスラム原理主義組織」になる。それが「勝つのかどうか」を夕飯時に問うなど、いくら我妻とはいえ意味不明が過ぎる。
いや、もしかして、今の季節、カマスは「霜降りカマス」と言うほど脂がのって旨いとされる。そうか、妻は魚、それもカマスが喰いたかったのか、と思ったが、それなら「はます」はなんのことだ。いや、正確に発音すると「ハマース」とかどうでもいいが、飯山あかりじゃあるまいし、ふつうの中高年夫婦の食卓にパレスチナ、スンナ派とかイスラム抵抗運動など話題にならない。カマスが食べたかったの?
「なんやねん!ちがう!」
どうやら違うらしい。それに塩昆布のおにぎり、目の前に3個も置いたのが気に入らなかったようだ。ここは2個だ。「3個見たらお腹がふくれてたべらりひん」と妻はキレるのだった。ちなみに「たびらりひん」はワードで入力すると赤の波線だらけになるが、これは妻語で「たべられない」という意味だ。アラビア語ではない。
私は仕事が終わって家に帰ると、まるでパート主婦が中学生の次男に言うように「ごめんごめん、遅くなって。いまから、すぐ、ごはんするね」と妻に言う。妻は私が仕事から戻ると「ごあんなに?」と聞いてくるからだ。ちなみに「ごあん」は妻語で「ごはん」のことだ。
もちろん、その間、妻は犬と一緒に犬の絵本を読んでいたり、アマプラとかネトフリとかディズニープラスとか観ながら「チャイルドプレイは怖すぎる」とか私に文句を言って、私が謝るまで許してくれなかったりする。高確率で勝手にアイスも食べている。
あ、なるほど。かますはます、は妻語の可能性がある。ゲリラ豪雨はゴリラ雷雨だし、ハンチントンはトンチンカンと訳す妻のことだ。それなら、かますはます、はやはり・・・
スマホをのぞき込むと「アイオワでハリス氏逆転?共和優勢州の地元紙調査」と太字で書いてある記事を見ていた。産経新聞はずっと読んでいるが、もう、そろそろか、と思った。「?」をつけてまで書く理由がわからない。遅い夕飯時に「ちくわきゅうり」のマヨネーズを冷蔵庫から出す庶民ですら、これほんまか?と訝しむ中身を「?」をつけて、投開票3日前に日本の読者に何を伝えたいのか不明な記事を堂々と載せている意味が不明だ。
蓋を開けてみると「3%リード」どころか、やはり世論調査通り、アイオワでは10%ほどトランプがリードして勝っている。そう予想されていたし、そう思っていたから、誰も驚きもしていない。「全米に衝撃」も結構だが、いくら左に巻いたゴミクズでも、こんなあからさまな虚偽報道をするのか、と多くの世界の人々は衝撃は受けたことだろう。
6日当日の日本のテレビも酷いなんてもんじゃァなかった。
米民主党と一蓮托生の「コンナヒトタチ」からなる日本のマスコミであるから、あちらもこちらもトランプが優勢でお通夜状態は仕方がないとしても、あまりのヒステリックな報じ方に一般視聴者、ノンポリの我妻あたりでも不気味に感じていた。
「ごごすま」とかいう番組では、司会のアナウンサーが「4年前もここから逆転したじゃないですか。番組が終わる時間には8:2でトランプさん優勢です、で終わって、翌日、バイデンさんが逆転勝利したじゃないですか」と専門家やコメンテーターを励ましていた。米民主党の仕掛けた細工を信じましょう、また、ハリスはジャンプしてくれますよ、と聞こえる。
沈んだ顔の出演者は、トランプが当選したら日本の物価が上がる、自国ファーストだから日本は酷い目に遭う、民主主義と司法が弱体化する、他もいろいろと酷かったらしいが、ともかくもう、トランプが勝ったら世界がめちゃめちゃになる、と信じ切っているらしかった。
流行語にもノミネートされた「アベ政治を許さない」みたいな左巻き臭漂う不気味さだ。そもそも有権者が「許さない」なら社民党みたいな議席数になる。「許さない」とされたのは岸田政権から続く石破政権である。2021年の今頃、岸田政権は衆院議員選挙にて、自民党276議席から259議席まで減らしたが、それでも絶対安定議席数を確保、ということで、メガネは「政権への信任をいただいた」と見栄を切った。そして3年半ほどして石破で191議席まで減らし、自公で過半数を割るまでになった。これを「許さない」という。
過半以上のアメリカ国民はトランプに対して「許さない」など考えていないということだ。安倍政権が国政選挙、破竹の6連勝とか言っているのに「許さない」とか言う「コンナヒトタチ」と同じく、それはその中だけのことであり、実際にアメリカ国民から「許さない」とされたのは米民主党、バイデンからハリスのことだった。これを「民意」という。
そもそも国民、有権者が「許さない」となるのは経済対策やら福祉、環境や社会問題への取り組みなどではない。今回、国民民主党が躍進とのことだが、これは「手取りを増やす」のキャッチと「103万の壁引き上げ」などの具体的な政策が評価されたのだと誰でもわかるが、これに対して様々議論があることに国民は「許さない」とはならない。原発などで賛成派と反対派がわぁわぁやることに「許さない」ともならない。反対する、反論すること自体に「許さない」とするのは左巻きの活動家くらいで、多くの忙しい国民は尽くされた議論の上で決まった方針は尊重もすることになっている。
国民が反射神経で「許さない」と反応するのは、すべからく「売国」である。
今日明日にでも生活が不安になる、将来が心配である、そして危険である、ということに対して「許さない」と判断して行動を起こす。今回の米大統領選も、過日の日本の総選挙も、多くの国民、有権者は「許さない」という確固たる意志を示した。だから自民党は大負けしたし、米民主党はナントカジャンプでも届かなかった。
例えば、日本語を解さない中国人に簡単な質問を10個出して7問正解したら、日本国内で自動車を運転してよろしいです、は小学生でもわかる危険な行為である。これを嬉々として推し進めるから公明党も代表が落選して議席を減らす。男も女もみな同じ、差別するな、も多くの女性にとって「危険」と判断されるのも常識である。生物学的な男性が五輪で女子選手を殴って金メダルを取った、とか喜ぶのは左巻きのド変態だけである。だからLGBTを法案化してゴリ押しした自民党は「許さない」とされた。私も娘がいる。妻がいる。あいつらを絶対に許さない。当然のことだ。
米民主党もあれほどの不法移民を入れて治安を壊滅させたら、それはふつうに「許さない」とされる。それに対して「許さないぞ」と拳を突き上げるリーダーがいるなら、それは「地滑り的勝利」とかになる。極々、ふつうのことである。2020年は「普通じゃない」ことがあったわけだが、多くの人が普通に予想した通り、その後のバイデン・ハリス政権によるアメリカ破壊は凄まじいモノであった。日本のマスコミに取り上げられて喜ぶ阿呆なコメンテーターも「トランプは自国ファーストだから」と悪口のつもりか知らんが、言うまでもなく、その国のリーダーならば、それはふつうのことであり、日本は岸田から石破までそうじゃないから「許さない」とされた。実に当然ことであった。
私も自宅ファーストであるし、家族ファーストであるし、犬ファーストであるし、なによりもう、四半世紀以上の「妻ファースト」である。これらを危険に晒すことは絶対に許さない、と断言できる。これらを危険に陥らせない、不自由な思いもさせない、不安定な生活もさせない、という前提条件付きで、私は私の周囲の人や知り合いに親切にできる。余力でメシも奢るし、酒も飲ませるし、私の管理下における部下にはお年玉も配っている。
メガネがいくら理屈をこねても、能登半島があの状態のまま外国に金を出している、と日本国民が思うから「許さない」とされた。それは紐付きだ、外貨だ、それにそれは日本に資することにもなるのだぞ、とか言われても、日本の有権者は忙しいから調べたりもしない。安モンの政治屋はすぐに「丁寧な説明を尽くして」とか言うが、申し訳ないが、そんな悠長な説明を関心持って聞いてくれる暇な有権者は多くない。職場で「103万円の壁」の説明をしてみろ。どこのだれが、いったい何名が「ちゃんと」理解してくれるというのか。いや、でも、なんか怖いから、面倒だから、旦那がダメだというから、というイメージだけで働く時間を控える人がほとんどである。だからこそ玉木が勝ったのである。
日本の政治家はどうせアメリカにかぶれるなら、トランプ大統領のリーダーシップにこそ「かぶれて」ほしい。「MAGA」とかわかりやすいじゃないか。今回の大統領選でも「TOO BIG TO RIG」は実に明確でよかった。だから、かますはます、は勝たなかった。
我ら夫婦はささやかながら、今日は「ちょっとお高い」焼肉店を予約した。妻が「なんで?」と不思議がっていたが、それは、かますはます、が負けたお祝いだと伝えてある。
2022年、近大の卒業式での安倍さんの有名なスピーチの一部だ。
なぜ不可能と言われた
総理への再登板が可能となったか。
それは決して私が特別
優れた人間だったからではありません。
残念ながら特別強かったからでもない。
ただ一点
決して諦めなかったからであります。
そして、諦めない勇気をもらったからなんです。
総理への再登板が可能となったか。
それは決して私が特別
優れた人間だったからではありません。
残念ながら特別強かったからでもない。
ただ一点
決して諦めなかったからであります。
そして、諦めない勇気をもらったからなんです。
アメリカの愛国者の方々よ。おめでとう。
日本も負けていられません。次は日本の番です。