忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

激突・カツカレー対オムライス

2012年10月02日 | 過去記事


早朝のラジオ。私の場合は出勤途中、車を運転しながらになる。最近の季節なら運転席側の窓を少し開ける。マルボロを咥えている所為もあるが、私はその窓の隙間から流れ込んでくる青黒く冷たい空気が好きだったりする。そこに心地よい蜜柑色の光が射してくる。京都の田舎町はゆっくりと動き出す。気持ちよろしい朝だ。

「朝」という漢字は「十月十日(トツキトウカ)」から成る。夜が明ければすべてが「生まれ出る」かのような新鮮さがある。目が覚めてから1時間ほど。朝ごはんも食べた。そろそろ「やる気成分」のアドレナリンとコルチコイドが分泌され始める。

そこに「おかあさんは無理をしないで」とか「お子さんが最初に出会う大人はおかあさんです」とラジオから流れてくる。よく考えるまでもなく、当たり前のことを言っているだけだが、これがまた、覚醒し始めた無垢な思考にならすっと入ってくる。そうなんだよなぁ、親子っていいなぁ、とかなる。なんだったら少し涙ぐむ。つまり、無防備に近い。

朝っぱらから、なんのCMだろう?どういうキャッチフレーズなんだ?と勘繰るのは難しい。まだ朝だ。素晴らしい朝なのである。朝から悪事を企てる悪人はそういないのと同じく、人間は誰でも朝から疑いたくないし、文句も言いたくないし、斜に構えたくないし、頭を使いたくない。だから委ねる。耳から入ってくるに任せる。

「お子さんが最初に出会う大人はお母さんです。お母さんが無理をすると、子供は不安になります。お母さん、どうぞ、無理をしないで―――――創価学会です」

頭の中で飛び起きる。覚めていた目が覚める。朝日新聞の「言葉は感情的で、残酷で、ときに無力だ」みたいなのを思い出す。アレも最後に「ジャーナリズム宣言、朝日新聞」とかオチもつく。ちょっと前は「国民の生活が第一、民主党です」みたいなのもあったが、小沢一郎は「前の部分」だけを持って行った。民主党議員は「民主党です」しか残らないが、それもロゴマークを隠したり、党名を無くしたりした議員もいたから、彼らはもう「政治家です」とか「与党議員です」としか言えなくなった。もうすぐそれも無くなる。

昼になっても頭が朝のままのテレビ脳は、その水洗便所のような綺麗なフレーズがすっと入る。だから後ろ暗い連中は、汚いモノの前には綺麗なモノを並べる癖がある。あるいは反論しようもない「普通に正しい言葉」を並べる。いくら朝日新聞でも見出しに「日本は謝罪して賠償せよ」とは書けない。「尖閣諸島は中国に差し出せ」とも書けない。だからその前には「平和」とか「友好」とか、とりあえず語感で拒絶反応が出ないようにする。

朝日新聞の勧誘が、玄関で「朝日新聞です」と言わないのと同じだ。連中は最初にそれを言うと具合が悪いと知っている。日本と日本人にとって悪さばかりしているから、嫌われている自覚がある。だからまずは「新聞の勧誘です」と言う。「ナニ新聞なんだ」とインターフォンで問うと、中には「読売新聞です」もいた。でも開けると真顔で「朝日新聞です」。

いま、読売と言わなかった・・?と驚くと、いいえ、そんなことは言ってません。連中にとってコレは嘘ではなく「テクニック」なのだとわかる。嘘ばかりで埋め尽くしたペーパーを売るのに嘘を言わないわけもない。それもそうかと妙に納得する。

逆もある。連中は貶めたい相手、イメージ操作したい相手には容赦なく「マイナスワード」を絡めてくる。予想通り、自民党新総裁となった安倍さんに対するネガティブキャンペーンは凄まじい。「ご祝儀」もヘチマもない。選出されてからまだ、ひと月も経ってないのに、テレビやラジオでは看板キャスターの罵詈雑言、さすがに視聴者からクレームが入り、スポンサーには問い合わせが殺到、番組では謝罪とか訂正が繰り返されている。異常事態だ。

選出された第一報からして「政権投げだしの安倍氏が選出されました」とかやる。VTRは5年前の辞任会見を流し、街の声は?とかで「不安ですね」「もう辞めてもらいたい」「なにもしなかったでしょう?」とか言わせたい放題。「お友達内閣」とか「体調不安」はまだマシ。もっと安モンのコメンテーターやらタレントは単なる誹謗中傷だ。モノマネをして馬鹿にしたり、子供みたいだと誹り、お腹が痛いと辞めたのだとか、いやいや違う、アレは病気のせいにして逃げたんだとか、無意味にカレー喰ってる場合じゃない、とか言ってみたり。ともかく政策批判ではなく、人格攻撃、病気を中傷、モノマネして小馬鹿にする。コレが普段、人権とか差別を言う。「虐め」を取り上げる。落語にもならない。

ま、いずれにせよ、普段から売国反日を生業にする連中、よほど「安倍総理」が怖いらしい。保守、というか、常日頃から「日本を憂う」人らは「消去法で安倍さん」とか消極的なことを言ってないで、もっと能動的に積極的に支持したい。「敵の嫌がることをする」がセオリーではないか。売国メディアからすれば、これはもう、政権奪還は避けられない。ならばせめて石破氏に、という断末魔の叫びも届かず、現実としての「安倍総裁」が目の前に出現した。連中は恐怖のあまり、メイン司会者や学者コメンテーターまでがヒステリックな暴言で世間から白眼視される。程度の低い落語家やタレントが病状を中傷して良識の無さを証明する。

「5年落ちの中古」と書いてからかったスポーツ新聞もあった。読者に「5年落ちの中古車」のオーナーはいないのかどうか、もはや想像することもできない。元NHKは「(自民党総裁選は)犬でも投票できる」と言って切られる醜態を晒す。よろしい傾向だ。

阿呆のひとつ覚え。例えば、メディアは「5年前、政権を放り出した安倍氏は」とやる。でも視聴者は民主党政権をみている。エライ目にも遭った。幻滅して絶望して夢から覚めた。それなら「鳩山さんは?」と思い出す人もいる。「安倍さんより早く、国民が聞く耳を持たなくなった、とかで辞めたンじゃなかったかしら」―――

野田再々改造内閣。名前も売れてなければ実績もない副大臣が大量生産された。メディアはその紹介で仕方なく「この人はカラオケが上手い」とか「こっちはスヌーピーが好き」とやる。他に話題がないからだ。これにも視聴者の何人か、この3年強の民主党政権に辟易した人らは「おかしいンじゃないの?」と疑念を抱く。よく考えたらどうでもいいじゃないの、と。否応なくリテラシーが向上する。

政治家の失言、暴言を叩いてメシを喰っていたテレビ屋が、失言、暴言で謝罪して訂正します、を繰り返す。世間は2009年とは違う。あの悪夢の政権交代を経たいま、もう「カツカレー」では振り回せない。巷では「じゃ、オムライスなら良いのか?」と笑っている。



2 コメント

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Unknown (あきぼん)
2012-10-03 22:33:28
「どうせ変わらない」「誰がやっても一緒」の常套句は
阿部総理誕生時には当てはまらないでしょうね。

「美しい国」に向けての第一歩として、
中川昭一氏も草葉の陰でひとまず
喜んでいる事と思います。

17日は京橋駅南口のあの碑で会いましょう
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Unknown (久代千代太郎)
2012-10-06 12:10:47
>あきぼん殿

17日。了解。早く着いたら、先に飲ってる。
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