忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

もうそろそろ「安い=良い」はアレだな 

2009年11月20日 | 過去記事

■2009/11/20 (金) もうそろそろ「安い=良い」はアレだな 1

東大阪にある居酒屋。若かりし頃の行きつけだ。日本酒を最高に旨く飲ませる居酒屋だ。イタリアンシェフだった大将は料理も抜群。味が旨いのは当たり前で、なによりもその「食わせ方」に唸るのだ。

最近、ずいぶん久しぶりに(15年ぶり?)行ったのだが、大将は元気そうだった。その際、私が声をかけなかったので、明らかに私だと気づいていた大将も声を掛けてこなかった。粋じゃないか。

事情や都合、雰囲気や空気、そういうものを汲んで「声をかけまい」と判断したのだ。また、大将が「私だと気づいていた」というのには根拠がある。私は日本酒を注文するとき、とても希少な酒を頼んだのだ。それはその店が「年間に3本(当時)」しか仕入れることができないという銘柄だ。私はそれを毎年一本、一升瓶で分けてもらっていた。つまり、店で出せるのは年間2本だ。一合徳利で20本。普通、その銘柄を頼む客はいない。

私はその店でその銘柄がない時、仕方なく飲む日本酒があった。大阪の地酒だ。つまり、大将が「申し訳ございません。では、これの味を見てください」と差し出してきたのはその酒だった。互いに口元が緩んだ。気づかぬのは一緒にいた店長だけだ。

一口含むと、口の中に広がる風味。ごくりと流せば胸にくる。食材と腕に自信があると言わんばかりの値段設定(手を入れたもの、火を入れたものが安い。比べて素材の味で喰うものは高い)。古くなったが、掃除の行き届いた店内。アルバイトを「使う」のではなく、明らかに「育てている」という人材観(アゴで使うような仕草はない。一緒に働いて教えている。アルバイトの表情からは安心が伝わる。まさに“やってみせ、いってきかせてさせてみせ、褒めてやらねば人は動かじ”である)そして、効きすぎのクーラー(笑)。

うむ。近くに行こう。

また、それまでは日本酒というとカップ酒だった。アルバイト先から自宅に帰る間に、自動販売機で数本買って飲むのだ。見た目、完全にアル中である。そういえば、カップ酒のラベルの裏には季節の花や着物美人なんかの写真があった。飲みながらカップを見るのだ。これも小さな「酒飲みの知恵」だろう。一升瓶片手にどんぶりで飲るのも格好がいいが、やはり、一緒に何かを「つまむ」わけだ。すなわち、酒飲みには酒飲みの美学があるのだ。

「2」へ

■2009/11/20 (金) もうそろそろ「安い=良い」はアレだな 2

参ったのは、一緒に暮らし始めたころの妻だ。ここにも何度か書いたが、ともかく、酷かった。ビールを飲むというのに「歯磨きコップ」で出す。ウィスキーは湯呑に満タン入れる。そんなん、ごくごく飲んだら死んでしまう。だから、ちゃんと教えたのだ。

『焼酎のロックを飲むときはこうで、水割りはこう。ビールはこれでもいいけども、できればこういう感じのもの。日本酒はこれか、絶対にこれ。何かを炭酸で割るときはこうでああで、お父さん、チューハイ飲むときはないから、それはそうでもいいんだョ』

「うぅ~~~わかた!」

もちろん、酒の肴も大変だった。酒飲みは「今日は何を食べる」ではなく「今日は日本酒だな」とか「今日はちょっとアレだから芋焼酎をロックで」とか「今日飲むもの」を告げる癖がある。ま、なければ何でも飲むのが酒飲みの強みでもあるが、“選ぶ楽しさ”も忘れてはいけない。もう、晩酌は始まっているのだ。家に帰ってからが晩酌ではないのだ。「何を飲もうか?」と芽生えた瞬間からが晩酌なのである!!

しかしながら、当時の我が家は、確実に「日本酒を飲む」と告げたにもかかわらず、食卓にはまるで、今日、家に「ハクション大魔王でもくるのか?」と言わんばかりのハンバーグが居並ぶのであった。(※現在の妻は居酒屋顔負けの晩酌メニューを誇る。おかしゃんエライ♪)

『きょ、今日、日本酒って・・・』

「おとしゃん、ハンバーグ好きやんかぁぁぁ!!!」

ここでハゲリーマン川柳を一句。

“日本酒と キミの笑顔と はんばーぐ”

ちよたろです。

ええと、だから最近は、こっちから献立を聞く。つまり、今日のご飯はなに?で、それに酒を合わせる。これなら大丈夫だ。グラタンと日本酒、カレーとウィスキーなどという憂い目に遭わない。ともかく、

酒飲みとアル中は違うのだ。それに他の依存症と同じく「罪悪感がある」とか「禁断症状が出る」などという専門家チックな言葉の羅列など要しない峻別の仕方がある。

つまり、そこに「こだわりがあるないか」であるぅぅぅぅ!!!

あ 酒が切れた。

あ 「3」へ

■2009/11/20 (金) もうそろそろ「安い=良い」はアレだな 3

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/091119/sty0911191953010-n1.htm
<ヌーボーに冷や水?「ペットボトル入り禁止を」と生産地代表者>

これ、私も悪口言ってた。「ペットボトルで売るなww」と言ってたのだ。そりゃそうだ。だって、安くたってファンタじゃないぞ!

フランスから「品質を維持できない」と怒られたら、日本の企業は「保存にも自信があります。それに流通コストが安い」と、いかにも日本らしい理屈を述べている。フランスのボジョレーの本音は「品格が落ちる」と文句を言っているわけだ。

テレビでも消費者が喜んでいるとやっている。おっさんは「落としても割れない♪」と褒めていた。というか落とすなよ。それに「女性にはコルクを抜くのが難しいんですよねぇこれなら簡単に開けれます」とか言っている。もう、みてらんない。

男が開ければいいじゃないか。というか、我妻でも開けられるわい。

ボジョレーヌーボ。私も一応、あれば飲む。酒にはミーハーだし(笑)。そして、詳しくないがワインも嫌いじゃない。同じ「酒」だしな。

ま、しかし、なんとも、今さらの管のデフレ宣言に合わせてモノが安い。パチンコも「1円パチンコ」だらけになったし、牛丼は400円もしない。それでも安売り合戦は続きそうだという今日この頃、そこにトドメの亀井モラトリアムです。強行採決強行採決。

国会はまさにペットボトル入りの安物さを露呈している。保存状態も良くない(笑)。マスコミは鳩山の「審議拒否ですよね」ばかり流している。阿呆どもには「採決拒否と審議拒否」の区別もつかんらしい。私は自民党支持者ではないが、それでも自民党が、最低でも10日以上の審議を経て、それでも民主党が「審議を拒否」していたことは知っている。

「4」へ

■2009/11/20 (金) もうそろそろ「安い=良い」はアレだな 4

テレビは「それゆえに」強行採決した自民党に、わぁわぁと抗議する民主党員の映像を流し、麻生元総理の「ヘン顔」をどアップで写し、ようやく「政権交代しても国会は変わりませんね」と批判したふりをするマスコミの破廉恥さには呆れ果てるほかない。その中身は全く違うではないか。同じではないのだ。

また、国会といえば、本日の「厚生労働委員会」において大阪14区から当選した、我らが「長尾敬」が初質問した。それは本当におめでとうございますと言いたい。ええと、おめでとうございます。がんがれたかし。長尾敬は「インフルエンザ関連」の質問をしていた。

我が孫の「そーちゃん」もついに新型を喰らったので他人事ではない。現在はもう復活した(さすが我が孫)と聞いているが、それでも心配ではないか。画面の中の長尾敬同様、私も緊張して見ていたわけだ。がんがれたかし。

しかし、ワクテカしてみていると、足立信也厚生労働大臣政務官の答弁の後、我らが長尾敬はこんなことを言うから、開いた口からタミフルが出た。リレンザは出なかった。

たかし:「安全と安心を創り上げる鳩山政権の方針を聞いて心強く思いました」

いや、ワクチンが足りると聞いて安心するのは、まあ、わかる。希望者全員がワクチンを投与できるなら、まあ、なんとかなるかもしれない。寒くなるから、怖いのはこれからだしね。

しかし、鳩山政権が「安心と安全を創り上げる」かどうかは、とても難しい。政治家風に言うなら「議論があるところだ」とか「評価が分かれるところだ」とか、いや、もう、「いただけない」とか「いかがなものか」というレベルである。既に「遺憾である」という声も聞こえまくっているはずだ(笑)。

「5」へ

■2009/11/20 (金) もうそろそろ「安い=良い」はアレだな 5

ま、でも、そんなものなんだろう。大阪14区の有権者は勝手に期待して、勝手に投票したんだろう。民主党にいて小沢や鳩山に文句なんか言えるわけない。もういいじゃないか。

議論と何ら関係ない、言わば「言う必要のない」提灯まで吊るしている。それとも本当に鳩山政権が「安心と安全を創り上げる」と思っているのかもしれない。しかも、さらに程度の低い意地悪を言うと、この政党の標語と同じく主語がない。誰の「安心と安全」なのか。どこの「国民の生活が第一」なのか。もちろん、新型インフルエンザに恐怖する「国民」のことを指していると言うのだろうが、それを言ってくれないと不安になるほど、今の民主党は信用がおけないと思うのは私だけなのだろうか。

日本の政治家が「国民」と言ったとき、それは日本国民に限定されるはずだと思ってきた。しかし、その安心安全の友愛総理は「日本は日本人だけのものではない」と胸を張っている。日本はアジアを武力で支配したと靖国参拝などするはずもないと目を輝かせている。

「国民と言っても、それは日本国民を指すとは必ずしもならない」

くらい平気で言いそうではないか(笑)。

信用できるわけがない。権力の維持に金がかかるだろうから、あえて金の問題は置いておくにしても、こんな特定亜細亜寄り丸出しの総理大臣など、日本国民の安心と安全など任せられるはずがない。これは自民党でも民主党でも同じだ。「外国人地方参政権」などにしても、明かに許容範囲を超えている。悪評高いマニュフェストにしても、すべてが安売り、有権者の目先を奪うだけの餌である。そして、その「餌」のリスクに国民は気付き始めた。

前回の総選挙をして、以前の「郵政選挙」と比する傾向がある。いわゆる「劇場型政治」としての批判である。右左問わず懸念する声もあった。多くの国民を扇動して、ムードと勢いで「勝たせ過ぎた」というアレだ。

「6」へ

■2009/11/20 (金) もうそろそろ「安い=良い」はアレだな 6

しかし、決定的に違うところがここにもある。

結果がどうあれ、是非はともかく、その時の日本国民は圧倒的に「郵政民営化」に賛成したわけだ。小泉元首相が「反対する者は全部、抵抗勢力だ」として刺客まで放り込んだ選挙であったが、その中身、つまり、公約内容にも賛同していたのである。(ちなみに、私はずっと郵政民営化反対である)翻って民主党はどうか。高速道路無料化にしろ、子供手当にしろ、暫定税率の廃止にしろ、ダムにしろ、今話題の事業仕分けにしろ、圧倒的支持を得ていると言えるだろうか。よくて6割、悪ければ反対のほうが多いなど、もう、これは「民主党が好い」というよりも、テレビマスメディアに影響された(騙された)有権者が、集団催眠の如く、フラフラと、それこそ付和雷同的に「ともかく政権交代」となったに過ぎない、恐ろしく危険な選挙であったともはや自明だ。

そして、それを自覚しながらも強行採決によって次々と法案を通すなど、これが危険でなければいったい何が危険だというのか。これが独裁政権でなければ、もう、民主党が「日本」国民を弾圧していくほかない。

「政権交代」のワンフレーズに酔った「日本」国民はもう、そろそろ目が覚める。ペットボトルの国会で、安物の「政治劇場」の中身の無さに後悔し始める。希望は政権交代ではなく、政界再編しかないと気づく。そのときこそ、長尾敬のような政治家こそが日本の若きリーダーとなってほしい。売国政治家を斬りまくり、堂々たる国際外交を行い、歴史と伝統、文化と国柄、国民と領土を護る「国士」となってほしい。

私が日本国籍を得たら(もうすぐだと・・)、長尾敬に個人献金をするぞ。少ない小遣いからな。





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