忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

小耳にはさむ話 

2009年09月25日 | 過去記事
■2009/09/24 (木) 小耳にはさむ話 1

最近、またアルバイトを若干名採用した。若い子(とくに男)の労働力は巷に溢れかえっているようだ。パチ屋のバイト程度ならば「スポーツ新聞」に掲載しただけで面接ラッシュになる時代が戻ってくるのだろうか。昔のように「夫婦採用」なども視野に入れて「時代の逆行」に備えねばならんかもしれん。私個人としてそれは歓迎だがな。

ところで、当たり前だが一口にアルバイトと言ってもいろいろいる。中でも私が応援したくなるアルバイトとは、先ず「主婦」だ。いくら私がネットウヨク(笑)だからといっても、女は家でメシ炊いてろ!とは言わん。働きたければ働けばいいし、専業主婦も楽ではない。ともかく、頑張って生きることには大いに賛同するのである。健気は美しいのである。

また、その「主婦アルバイト」とは、子供が少し大きくなって手が離れたから働きに出た、というものが圧倒的に多い。意外に・・・と言ってよいかどうかは知らんが、生活に困窮して止むを得ず、これも母子加算が廃止されて・・・自民党政治の結果ですぅ・・およよよ・・・という人は見ない。実に明るく前向きな動機を朗らかに言う。

まあ要約すれば「家計の足しに・・」ということになろうが、しかしながら、その「足し」の部分で塩買ったり米買ったりはしない。USJで遊んだり、服買ったり、外食したり、旅行したりという経済活動(笑)を行うがためである。若い男はまんべんなく阿呆だが、若い女の子はしっかりしているのである。

実際、我が社にも「産んで育てて勤めに来て、まだ出来たら辞めて、また育てて~~」という無限ループで働きにくる若き主婦もいる。我が社は「地域密着!働く主婦の味方!」であるので、気持ちよく迎え入れることもする。もうじき、また連絡があるだろう。

他には「芸人目指してます」とか「俳優の勉強してます」などだ。これはまあ、ひとことで言えんが「限界かな?という年齢」までは許せる。頑張れと思う。また、実際にこういう奴は信じられんほど努力家でもある。仕事に対する姿勢も違う。なにかに一所懸命な人間は「手を抜いてやる」ということが、そもそもできないのだろう。

「2」へ

■2009/09/24 (木) 小耳にはさむ話 2

かつて、我が社でアルバイトをしていた若手芸人も、人気沸騰中(当時)の「レイザーラモンHG」を「R-1グランプリ」の準々決勝で下したこともあるが、その後、とくに売れることもなく低迷していた。そして彼は「自分なりのケジメの時期」を見極め、これまでの不安定な生活を親に詫び、あっさりと就職した。現代の就職難など、毎朝、道端でネタを披露したり、夜も眠れずにネタを書いたり、100回でも1000回でも繰り返し繰り返し、自分が納得するまで芸を磨くという習慣がついた彼にはなんでもない話だったのだろう。あっさりと仕事を決め、普通にバリバリ仕事して、さっそくにも出世もしたと小耳にはさんだ。

また、警察官になったとか自衛官になったという連中もいる。私が興味津々で動機を聞くと、いろいろ言うが、やはり「正義感が強い」と感ずる。「公共心が強い」と換言してもいい。今では、あいつもこいつも、どこかで社会正義のために働いているのかと思えば、たかが一時期、パチンコ屋にアルバイトに来ただけとはいえ、なぜだか私も誇らしく思う。

更に繰り返しになるが、そういう連中はホント、真面目なのだ。手がかからないのである(笑)。社会常識から教えねばならぬ、最近の日本の若者と比して、実に逞しく頭が良いのだ。それに前向きで爽やかだ。清潔で健全なのである。やはり、責任感とか使命感、そして忠誠心とか愛国心というのは「人を創る」のだろう。

しかし、中には例外もいる。その彼は「自衛官」になるということだった。ただ、その、まあ、アレだ、先ほどから自慢している我が社の「歴戦のツワモノ」からすれば、ちょっと優しいというか、弱い男だった。これは偶然だし、他意はないのだが、彼は「韓国大好き」で、テコンドーの選手でもあった。全国で2位になったこともある。ソウルにも頻繁に行っていた。言葉も覚えていた。社長マンとハングルで会話するほどだった。

「3」へ

■2009/09/24 (木) 小耳にはさむ話 3

女に振られて仕事に来ない日もあった。私は常日頃から「我が社の従業者に限り、悩みや相談はいつでも24時間受け付けOK!783640(なやみむよう)」なので、不用心だと心配されながらも携帯の番号なんかもオープンにしているのだが、さっそくにも彼から電話相談室だった。

電話でグダグダ泣くから邪魔くさいと呼びつけたら、酷く酔っ払った状態でやってきたことがある。店が閉まり、誰もいなくなった広い駐車場の真ん中で、月を見上げながら胡坐をかいて向き合い、さあ、話くらいナンボでも聞いてやるぞと胸を開いたら、彼は涙と吐瀉物と鼻水でぐしゃぐしゃゲロゲロになりながら、実にダサいことをウダウダ言っていたこともある。

振られて泣くとはダサダサなのである。ゲロも付いているのである。そんなことだから振られるのである。「こんなに好きなのに~~」と「振られる理由」に因果関係はない。こんな時間に「パチンコ屋の駐車場の真ん中」で愛を叫んでも、隣駅の彼女には届かないのである。だからその日は「ウォッカ」で早々と殺した。瞬殺である。

そんな彼も、ついに念願の自衛隊員になったと聞いた。韓国大好きの彼が竹島を護るんだなぁと感慨深く思っていたら、早くも脱走したとも聞いた。コケた。

しかも、逃げ出して数日は隠れ潜んでいたが、やがて金もなくなり、腹が減って、捕まりたい、捕まったら家に帰れると思い、たまたま見つけたコンビニで「金を出せ」とやった。彼は願った通り、駆け付けた警察官により現行犯逮捕されて親にも連絡が入った。その逮捕した警察官というのが、我が社の元アルバイトで・・・・ならばもっと面白いのだが、現実は常に面白くない方へいく。ふん。

ともかく、詳細は知らんが、初犯で実被害もなく、どうなったのか知らんが、現在は親の世話で紹介された会社に就職したらしい。反省して頑張っているのならばいいのだが、見栄っ張りな彼のことだ、また周囲に迷惑をかけて「主人公面」しているのではないかと、もはや、私には関係のないことだが、若干、心配にはなる。

んで、また自衛隊員の不祥事だ。全国紙が取り上げているが、ここはやはり、朝日新聞の記事が秀逸である(笑)。「良心的」な朝日新聞の“想い”が滲み出ている。

「4」へ

■2009/09/24 (木) 小耳にはさむ話 4

http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY200909250111.html
<陸自空挺団2人、殴って現金強奪した疑い 六本木の路上>

先ず、事件の概要である。朝日新聞の記事はこうだ。

<麻布署によると、両容疑者は同日午前2時55分ごろ、東京都港区六本木5丁目の路上で、港区内に住む飲食店従業員の男性(22)に「金を貸してくれ」と声をかけ、背後から首に手をかけて引き倒し、顔を殴って現金約13万円やキャッシュカードが入った財布を奪った疑いがある。>朝日新聞

続いて毎日新聞。

<逮捕容疑は、同日午前2時55分ごろ、東京都港区六本木5の路上で、通行中の飲食店従業員の男性(22)に「金を貸してくれ」と声を掛け、無視されると押し倒して顔を殴るなどの暴行を加え、現金約13万円入りの財布を奪ったとしている。男性にけがはなかった。>毎日新聞

産経新聞はこうだ。

<逮捕容疑は、同日午前2時55分ごろ、東京都港区六本木の路上で、歩いていた飲食店従業員の男性(22)の首に手を掛けて転ばせ、顔を殴るなどした上、現金約13万円の入った財布を奪ったとしている。同署によると、2人は近くの飲食店で食事をした帰りで、路上で「金を貸してくれ」と声を掛けたところ、被害者が無視して歩き続けたため、犯行に及んだという。>産経新聞

ついでに読売新聞はこうなっている。

<発表によると、2人は同日未明、港区六本木のビル内で飲食店従業員の男性(22)に「金を貸してくれ」と要求したが、男性に無視されたため、足をかけて転倒させ、顔面を殴るなどの暴行を加え、現金約13万円入りの財布を奪った疑い。2人は近くに駐車していた車で逃走したが、袋小路で立ち往生し、110番で駆け付けた同署員に取り押さえられた。同署幹部によると、2人は休暇中で、松原容疑者は容疑を認め、岩山容疑者は「ケンカの末に財布を取っただけ」と供述しているという。>読売新聞

もちろん、この阿呆どもは断罪されて然るべきである。しかし、だ。

朝日新聞と毎日新聞の記事では「被害者が無視して歩き続けた(産経新聞)」「ケンカの末に財布を取っただけ(読売新聞)」が書かれていない。つまり、このチンピラどもは「因縁をつけて金を巻き上げようとした」結果、ぷっつん切れて襲いかかったわけだから「恐喝容疑から強盗傷害容疑」に変わったわけだ。しかしながら「その経緯」が意図的に書かれていない。これは「同じようなもの」ではない。

「5」へ

■2009/09/24 (木) 小耳にはさむ話 5

さらに、だ。

「自衛隊大嫌い」な朝日新聞と毎日新聞だけが<第1空挺団は陸自唯一のパラシュート部隊で、最精鋭部隊の一つとして知られる(毎日新聞)>と詳しく書いていることも面白い。邪推すれば、まるで「自衛隊の最精鋭部隊といえどもこの程度。こんな組織は危険極まりないと思いませんか?読者の皆様!!」と言いたいようだ。また、

朝日新聞と毎日新聞は「無断外出して犯行に及んだ」と書くが、産経新聞と読売新聞は「休暇中に~~」と書いている。いずれにしても、やったことは阿呆極まりない犯罪行為だが、微妙に「扱われ方」が違うのである。穿った見方をすれば、こんな極一部の阿呆が出た所為で、反日新聞のネガティブキャンペーンに利用されているということだ。

「一部が全部」とされる詐術はまだ通用するとされている。「悪い情報だけ」を選りすぐり、一方的に片側からのみ発信し続ける。細かい内容はともかく、その経緯もお構いなしに、ただ、自らにとって都合のよい情報だけを垂れ流し続ける。イメージは作られて、膨張して拡散する。マスメディアはその効果をよく知っている。だから権力になる。

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