社民・福島党首「憲法改悪、原発推進と全面対決」
＜社民党の福島瑞穂党首は４日、党本部での仕事始めで、「参院選まで半年しかない。憲法改悪や原発推進をしようとしている安倍晋三内閣と全面対決し、仲間を国会の中でも増やし、国会の内外で戦っていこう」と党職員に呼びかけた＞
倅の通う法学部の教授で弁護士、という刑事法の専門家の名前を新聞に見つけた。このセンセイが死刑に反対かどうかはともかく、記事を読むと、自分が弁護した死刑囚が執行された。顔はなんともなかったが、首にあった3センチほどの＜深く赤い筋があった＞ことが忘れられない、と心を痛めている。それから死刑はやはり残酷になる、別の問題もあるけど「終身刑の導入」も検討すべきだ、と書いてあった。その記事の下には江川紹子。こちらは＜死刑制度の廃止には賛同できない＞という立場からだ。問題点は「冤罪」と指摘し、それから「執行猶予」の可能性に言及する。その猶予中、死刑囚の＜改悛の情の深さ＞などを考慮して、また、執行停止期間を設けるという。つまり、死刑に執行猶予制度を導入、その猶予中に「心を入れ替えた」ならば執行停止もあり得る。なんのことはない。御両人、同じようなことを言っている。
記事の本文を読む。なんでも死刑囚133人を対象に「アンケート」をとったらしい。やったのは「死刑廃止を推進する議員連盟」の副会長、我らが福島瑞穂だ。死刑囚にアンケートする前に、議席がなくなった選挙の分析をしたほうがよろしいと思うのだが、この社民党というところは共産党と同じで「選挙に負けた」の責任が党首にない。普通の政党の責任者は羨ましく思っているかもしれないが、この連中はなにがなんでも責任を問われないから、心情が犯罪者に近い。「やったこと」に関する反省やら分析がない。だから「その結果」である、例えば「死刑」という刑罰に残酷だとか、加害者の人権侵害とか、生命至上主義を取り違えた阿呆な理屈を振り回す。
議論をすれば「粘り強く訴え続ける」と連中は言うが、福島瑞穂のように相手の話を聞かず、浅いところで薄い知識を駆使し、責任がないから覚悟もなく、覚悟がないから真摯に問題に向き合うこともせず、向き合わないから物事の道理もわからず、ただ、困った顔して単調な言語を繰り返すことで、相手の疲弊を誘発、モチベーションを折ることで成り立つ。福島瑞穂が「粘り強く訴えている」ならば、そこらの九官鳥はもっと「粘り強い」。壊れたテープレコーダーは粘り強さの最強になる。
それはまあ、ともかく、133人の死刑囚のうち78人が福島瑞穂に回答した。すると「事前に（死刑執行を）告知して欲しい」が6割以上、現行制度の「当日の朝」では嫌だということがわかった。「1週間前には教えてほしい」とか「いや、1ヵ月前がいいな」とのこと。また、執行方法は「絞首刑は残酷」だから「薬物注射」にしてちょうだい。面会や文通なども厳し過ぎるから緩和しておくれ。医療措置などの拘置所の処遇も改善してくれ、あと＜窓の大部分が覆われ外の景色がまったく見えない＞。
福島瑞穂はうんうんと涙ぐんでくれたかもしれないが、世間の常識というのは社民党の2議席が証明している通り、そうは問屋が卸さない。当日の朝が嫌なら「執行直前」に。絞首刑が怖いならばギロチンとか、窓から景色が見えないならコンクリートで覆うとか、そういう意味ではアンケートも生きてくる。
それにしても「死刑廃止を推進する議員連盟」と言うが、会長の亀井静香は気持ち悪いし、会長代行の中川秀直は引退、副会長も福島瑞穂と斎藤鉄夫以外、仙谷も加藤紘一も落選。事務局長の村越祐民も落選。幹事の辻元清美も比例復活。まあ、なんというか「議員連盟」というほどのアレだろうか。世間はとっくに評価を下しているのではないか。
福島瑞穂も＜参院選まで半年しかない。憲法改悪や原発推進をしようとしている安倍晋三内閣と全面対決し、仲間を国会の中でも増やし、国会の内外で戦っていこう＞と気勢を上げるが、それよりも「なぜ社民党に投票しなかったのですか？」というアンケートでもしたほうがいい。なぜ総選挙という「全面対決」に惨めに負けたのか、ちゃんとわかる。
そこにはしっかりと「阿呆」とか「売国奴」が書き込まれる。「従軍慰安婦を捏造したから」とか、具体的な実例も教えてくれることだろう。慰めてくれるのはブタ箱の死刑囚くらいだ。お似合いのお仲間だ。
