今回、歴史とは関係ないが、一寸云って於きたい事がある。
台風15号、19号と来て、関東を中心として保水能力の限界に達しているだろうから、次に雨が降ったら簡単に越水してしまう所があるだろうと予想していたが、やはり越水した。
しかし、当事者たちの多くが、台風じゃないからそこまででは無いだろうと思っていたという。
去年の西日本豪雨も台風じゃなかったのだが、遠く離れた西日本の話だから他人事として捉えていたという事なんだろうか。
ましてや、台風が二つ通過してかなりの被害が出た上で、豪雨になると気象庁が緊急会見したにも拘わらず、大丈夫だろうと考える根拠が理解出来ない。
昨年の西日本豪雨の時も、「子供が居たら避難だって大変なんだから、警報が出る度にいちいち避難なんてしてられない」という信じられない発言をする女性が居た。
「お前一人死ぬのは勝手だが、子供を道連れにするんじゃない!お前の横着で殺されるかもしれない子供が可哀想だ!」
と頭に血が上って云いかけた。
しかし、大丈夫だろうと避難しなかった為に救助要請をしなければならなくなり、それも100件待ちとかで、何時来てくれるか判らない状況になっている人が沢山居たのが現実だ。
ちゃんとした根拠の無い「大丈夫だろう」が多すぎる。
やばくなってから逃げようとしても、逃げ様が無い状況になってしまうということがなかなか理解出来ないみたいだ。
今回も沢山の車が止まってしまっていたが、皆同じ事してたら渋滞で車は止まってしまうし、ますます逃げ道無くなる。
そうなる前に避難してくださいと呼びかけているのだが、自分が死ぬ思いをしないと理解出来ない様だ。
ギリギリの處で命を張ってスリルを味わうのは勝手としても、救助する側も命掛けなんだから、他人を巻き込む迷惑行為は止めてもらいたい。
避難の判断をするタイミングが6時間から12時間遅い。
目の前でやばい状況にならないと避難の決断が出来ない様だが、その時にはもう手遅れなのだ。
実家は河の堤防の脇にある。増水したら家の2階の天井くらいの水位になる。
1万年前には海だったところで、昔はよく洪水になったらしく、嘘か真か、治水工事に人柱を立てたという伝承まであった。
町内は河の本流と支流に挟まれた地域で、どちらも決壊の危険性があると謂われていた。
大雨が降る度に決壊するんじゃないかと謂われていたし、一部堤防工事をしたこともあったが、家の前の用水路は、増水時には湧き水が吹き出してくる。
河の水が家の下を流れて漏れ出ているのだから、堤防決壊の危険性は恒にあった。
平成になっていよいよやばそうだという事になって堤防を全面改修したが、昨年の豪雨で遙か下流の方で越水し、同一町内会域の一部は浸水被害があったらしい。
元々堤防が決壊したら全域が水没すると考えられていたのだから、やっぱりかという感じではあった。
そんな場所で子供時代を過ごしたから、住む場所を考える時には被災しないということを第一に考える。
住む場所がグチャグチャにならなければ、とりあえず何とかなる。
①河に架かる橋よりも高い場所であること。
*堤防の一番高い所は橋が架かっている所で、それより高い場所なら越水しても浸水は免れる。
②海の近く、河の近くの低地は避ける。
*諸条件にも依るが、瀬戸内の場合は津波が15mとかまで行く可能性が低い。
*ちょっとした高台が良いが、ビルの3~5階くらい。
③高層階のビルは絶対避ける。
*ライフラインの心配。広島駅前にタワーマンションが出来た時、何かあった時には生活出来なくなるだろうに、と思っていたが、今回、それが東京で現実の物となった。
④背後に山とか、谷間、扇状地は避ける。
*社会科の地理の時間に扇状地がどうやって出来るのかということは習っていたから、そんな所に住んでたら絶対やばいと思っていた。そして広島土砂災害があったし、西日本豪雨災害があった。
因みに西日本豪雨災害のあった場所に、その1週間前に行く用事があり、異様な雰囲気にその場に居たくないと思って逃げ出た。何かあっても直ぐには逃げられない環境だった。
⑤家から避難経路が少なくとも2方向あること。
*何かあったら地域が閉じ込められる状況にはならない様な場所。
これを踏まえて避難しないといけない場所に家があるという事を日常で意識して、避難しろと言われれば面倒がらずに避難する事が大事だと云って於きたいが、被災したくなければ、住む場所を考えた方が良い。
子供の頃、避難所は集会所だったが、「堤防が決壊したら、そこも水没するじゃろ。意味ないじゃん」と大人達に言った事があるが、その程度の危機感しかないって事なので、自分の身は自分で守る意識を持つ事で、早めの避難に繋がるし、避難する先も重要な選択肢になるという事は云って於きたい。
追加
2019年10月29日、広島県土木建築局から、
「土砂災害警戒区域等の指定に係る説明会」
の開催の案内と資料がポストに入っていた。
広島県も2014年広島土砂災害の後に2018年西日本豪雨で広範囲に被害が出たものだから、いろいろ対策は練っていた様だけれど、資料のポスティングだけでなく説明会にも本腰入れた様だ。
しかし、多くはそのままゴミになってしまうのだろう。
バッチリと対策が出来ているのなら良いが、単に大丈夫だろうという根拠のない自信はやっぱり無くなる事は無いだろう。
そうして、どうしようもなくなってから言うのだ。
「助けてください!」