根子岳・南峰(1308m) (文字サイズは「中」が最適)
快晴
(行程) 大戸尾根登山口(発10:20)→登山口から視える最初のピ-ク(着11:35)→ピ-クⅡ→
ピ-クⅢ→ピ-クⅣ→南峰頂上(着12:20~発13:25)→大戸尾根登山口(着14:30)
夏には強いが寒さに弱い私であるので、冬場の山行は遠慮がちである。
昨日は穏やかな冬日で、今日・明日は3月上旬の暖かさとの予報である。
天気に誘われ今年の初登山となる。且つ、今日は暮れに買った靴の初卸しでもある。
定年後に登りだして、今回で三足目であるが、今までの靴(シリオ・モンベル)は私の足に合
わないのであろうか・・・?。なぜか左足親指の爪が内出血し、黒くなるのが常であった。
シエルパ(登山用品店)スタッフの奨めで足幅の狭い人向けの靴「スポルティバ(MADE IN ITALY)
を購入した。
▼昨年から7.12北部九州豪雨災害後の根子岳を集中的に登っているが、今日は山友を誘っ
て南峰(別名「山口山」ともいう:出典・「肥後の山675座駆け歩き/西和文 著」より)を検証す
ることとした。
▼南峰は過去2回の山行歴(①09/03/15 ②09/10/31)があるが、常に思い浮かべるのが登り
始めのカヤトのヤブ漕ぎの苦労である。
だがしかし、そのヤブ漕ぎを抜ければ登路は明確で、変化のある尾根歩きを楽しみ、四つの
ピ-クを踏んで頂上に至る。
頂上からの眺めは、天狗岩を眼前にして東峰・西峰に連なる岩稜群と地獄谷・山口谷の谷
底からそそり立つ根子岳南壁の圧巻が登る魅力となっている。
加えて、この時季だと氷柱の落下音(炸裂音?) に遭遇するかも知れない期待感もある。
そんな思いで大戸尾根登山口駐車場に着く。
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[初卸しの靴と豪雨災害で流下して [広域道路(上色見集落)から南峰を望む] 来た巨石 ( 登山口駐車場にて)]
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▼駐車場の牧野小屋は土石流災害から免れ、瀬戸際で残ったようである。
登山口側の駐車スペ-スには、流下してきたと思われる巨石が鎮座し、土石流の甚大さを
象徴するかのような存在であった。
▼南峰への取り付きは、大戸尾根登山口駐車場から土石流で堆積する涸れ河床(上流域は
「地獄谷」となる。)を渉り、右岸に上がって、尾根末端に位置する丘陵原野の真ん中を歩き、
カヤトの中央正面付近に取付く。
目印はススキに捲かれた赤テ-プであるが、踏み跡は幾つも見受けられる。
今回は、赤テ-プが要所要所に捲いてあり、踏み跡もしっかり残っていたので難なく歩くこと
が出来た。(夏場になれば恐らく赤テ-プを探すのには難儀するであろう・・・・。)
▼カヤトの中のヤブ漕ぎの経路を概略すると、
前述の取付き点から最初はカヤトの左側方向に進み、そしてカヤトの中を斜め右上に移行
して、カヤトの中央帯を歩く。
[堆積した土石流と登山口駐車場を対岸から振り返る] [刈込された牧野を歩き、
正面の尾根に取付く]
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▼カヤトを抜け、植林帯に入ると尾根の右筋を歩くこととなり、有刺鉄線に沿って登って行く。
右下には地獄谷の堰堤も見え隠れする。
植林帯から自然林に変わる付近になると左側に表層崩壊した地肌が対岸の尾根筋まで見
え、崩壊流路は浅い谷をつくり、尾根末端まで続いていた。
▼崩壊の源頭直下付近に来ると、登路も消滅していたので崩壊際の灌木林に入り急斜面を
50m位? 登る。
崩壊で生じた浅い谷の対岸となる左下からの尾根と合流する登路地点が崩壊の源頭となっ
ていた。
此処からの登路は、最初のピ-クを目指して点在する赤松の大木を観賞しながら赤松の風
倒木や折れ落ちた枝を踏み越えて登る。
植生は次第にクヌギ等の雑木林に変わり、冬木立の明るい尾根となる。
▼登山口から視えるこのピ-クは実に快適で、私にとってはこのコ-スで一番、癒しを感じる
スポットである。
木立の隙間から遠望する粗母山方面は霞でハッキリしていない、今日の天気であればスッ
キリと見えるはずなのに・・・・。(翌々日の新聞で中国大気汚染の影響と判明)
[従来の登路は崩落しているので灌木の際を登る] [駐車場から視える最初のピ-クに至る]
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▼最初のピ-クから一旦、フラットな尾根を踏み、直ぐに落葉林の登り坂を約15分位で
2番目の尾根小ピ-クに至る。
ピ-ク小広場を離れ、南側の木立の藪に踏み入ると視界が広がり清栄山や丸山が展望さ
れた。
▼2番目のピ-クを過ぎると、ススキが茂る登路から露出する岩場の痩せ尾根に変わり両脇
は切れ落ち、浅い鞍部へと下る。露頭は凍結しているので木立に掴まり用心深く足を運ん
だ。
登り返しの急斜面も凍土となっているため足場が滑りやすく、木立に掴まり徐々に登り上げ
3つ目のピ-クに至った。ピ-クは砲台地形で枯れススキと落葉林に囲まれていた。
このピ-クから頂上方角を望むと、次なる4つ目のピ-クがピラミッドのように突き出た山
容で急斜面をつくっていた。また、眼下の南西側(高森町上色見集落)を望めば西峰への
ル-トとなる鍋の平コ-スが並行して走っていて、尾根筋の地形を間近に対峙して確認する
ことが出来た。
しばし、此処とで景観を楽しみ次なる4つ目のピ-クに向う。
[ピ-クⅢから高岳と西峰・鍋の平コ-スの尾根を望む] [ピ-クⅢからピ-クⅣを望む]
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▼ピ-クからは一旦、緩やかに下り、密生するススタケをかき分けて歩く。
直ぐに登り返しの登路となり、スズタケのトンネルをもぐり両脇のスズタケを必死に掴まえて
よじ登る。まさに、スズタケが無ければ登れない程の勾配でこのル-ト最大の急登である。
▼4つ目のピ-クからはススキの枯れ野を踏んで5分位で頂上に至る。
今日は天気予報通りの麗らかな日和で、
ゆったりと時間を過ごして、頂上からの景観を楽しんだ。
▼期待していた氷柱の落下音は回数が少なく(2回)、炸裂音も僅かな響きで谷間に消えた・・・
昼食後は頂上プレ-トが建っている所から、東側に派生する小尾根を探索したが尾根は
2~30m位で地獄谷に切れ落ちている。
地獄谷への探索は次の機会に残して下山した。
[ピ-クⅢを離れ、スズタケのトンネルを抜けて急勾配のピ-クⅣに向かう] [南峰頂上]
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[頂上から西峰~天狗岩を望む] [頂上から天狗岩~東峰を望む]
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[天狗岩をズ-ムで覗く] [崩壊源頭から、流路状況と駐車場を視る:復路にて]
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(2013/03/05 加筆)
右ひざの具合はだいぶよくなりましたが市長3期目の選挙戦に突入し、山どころの騒ぎではなく多忙な日々でした。結果的には無投票当選となり、今日(2/25)選挙管理委員会から証書をものものしく頂戴?して一応終わりました。
その間、17日の告示日より身体が空きましたのであそに登る会の計画登山で22~24日の2泊3日で伊豆大島の三原山に登ってきました。
27年前の大爆発で1年以上全島民強制避難を強いられた山で低山ながら外輪山に囲まれた阿蘇を小型化したような山でした。 徹爺
選挙事務所活動は多忙な日々を送られた事と拝察いたします。
無投票当選決着、それに続いて三原山登山・・・。益々お元気な徹爺さんですネ 。
ところで、根子岳南峰に関しては豪雨災害による崩壊箇所はありましたが、登路の大きな変化はなく安心して登ることが出来ました。ただ、瘠せ尾根の露岩の所が氷結していたので滑落に要注意でした。
山の誘いまたお願いします。