昨年最後の完成見学会広告から会社のUSPを「近くの木と職人でつくる家づくり」から「設計士とつくる自然素材と省エネルギーの家」に変えました。
「近くの木と…」は震災の8年前から使用していて、それは地場の工務店として近くの木を利用し、職人を育て活性化しなくてはという思いでつくったUSPでした。
震災前後ぐらいから国も県も地域材を利用した事業が始まり、今では地域型グリーン化事業やエコ住宅とする助成制度、大きく言えば新国立競技場に木を多用しているように公共建築物にも国産材を利用しようということにつながり、今では普通?になりました。
弊社ではこれからもみやぎ材の利用割合は60%以上とし、国や県の助成金を利用することに変わりはありませんが今年からもう少し具体的に何を目指して家をつくるのか、より分かりやすく伝えたいため「設計士とつくる自然素材と省エネルギーの家」を掲げました。地域材や自然素材を利用し、省エネ住宅の家をリーズナブルな価格で提供していきたいと考えています。
「家づくりのちがい」について
情報発信の一つとして今回は「家づくりのちがい」について、私なりにまとめてみました。
大きく分けて①ハウスメーカー、②地域の工務店、③ローコストビルダー、④建築家があります。
①ハウスメーカー
総合展示場に出店をしている資本力のあるところをいいます。価格帯は80万円台~/坪、自社工場生産されたものを多用します。
意外に断熱気密レベルはあまり高くはありません。2×4工法は気密が取れやすいのでまあまあですが軽量鉄骨系はやはり気密の取り方が難しいのでしょうか、よくありません。
一部かなり性能のいい商品も存在しますが価格はもっと高くなるようです。ソーラーパネルをセットで提供し、ゼロエネルギー住宅と名を付けていますがその前に断熱・気密のレベルをもう少し上げないと…。と言われています。
②地域の工務店
地元の工務店も省エネ住宅の宮城県レベルがやっとつくれるようになりましたがもう少し頑張っている工務店さんとして自然素材派と高気密高断熱派を取り上げます。
自然素材派
高気密はビニールのカッパを着ているようで蒸れる?や高性能のサッシは必要ない!など気密や断熱に興味がありません。オール電化を嫌い、薪ストーブやペレットストーブをこよなく愛し、なんでも自然が一番いいと…。木や自然素材を多用するので写真写り、見た目としてはすごくいいのですが…。価格帯は50万円台/坪。
高気密高断熱派
気密や断熱、換気扇にこだわり、Q値(熱損失係数)、C値(隙間相当面積)の数字ができるだけ小さくなるように勉強をしています。エアコン1台で暖房がまかなえる!若しくは無暖房(人等の熱を暖房に利用する)の家を目指して…。
価格帯は50万円台~/坪と自然素材派と同じぐらいになりますが予算を換気扇や断熱材、高性能のサッシに使っているので素材や空間が二の次になってしまい、無機質な空間になっている工務店が多く、残念なところです…。
③ローコストビルダー
以前は26.8、29.8万円/坪の広告を出していましたが最近はコミコミ価格の表現で広告されています。しかし、最終引き渡し価格は45万円前後/坪ぐらいになっているようです。
プランが決まっていて一部変更すると差額が大きく発生するところや、軒の出や庇がないなど必要なところをカットしているところもあります。
広告で掲載している住設等はお得な部分もありますが逆に載せていない部分は不安なところも!断熱・気密材の採用方法は簡単に施工できることが優先のようです。
「安心して暮らす」、「心地よさ」が前提の家ではなく、「つくりやすさ」、「見栄えよさ」等、つくる側の都合が優先になっています。愛着が持てる家になれば問題ないのですが…。
④建築家
私が住宅の設計を依頼するとしたら三人ぐらい…。建築家は常に変わった形状や出会ったこともない建物(一品生産で雑誌にでてくるようなかわった形状)をイメージしてしまいますが三方の感心するところは、自分のスタイルを持っているということです。そして常に同じスタイルを改良し続けているところです。よれゆえ、きれいな線がつながりいい空間が出来上がります。素材をうまく利用し、各納まりもきれいです。何も言うことはありませんが…。
価格は120万円台/坪になり、仕様を落としても100万円/坪に…。
大体は関東から以西で活躍していて、敷地が狭く、小さい建物でどう広く見せるかが重要課題ではありますが気密や断熱に、もう少し気をつかってもらえれば…。
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