さて、車遍歴は続きます。
先の117クーペに乗り続け、スカイラインのローンを払い終えた時、私は22歳になっていました。会社での給料も昇給し、一人暮らしの生活にも少し余裕が出て来たころでした。それまでの私はマニュアルミッション・オンリーという拘りがあったのですが、当時、車でもオートマチックがかなり主流になってき始めた時期でもあり、少しオシャレな車に乗りたいと、117クーペを返却しに松戸の中古車屋へと行きました。
そこで展示車を見ると、この車があったのです。
シートもバケットタイプでパワーウィンドにパワーステアリング。ミッションは3速オートマチックで、当時としてはスタイリッシュ。値段を見るとやはりそれなりに80万円となっていました。当時の私は昇給していた事もあり、80万ならば4年ローンで購入しても問題ないだろうと考え、前々からの約束通り、この車の購入を決めました。
この車はFF社でエンジンも軽やかに回り、車体の軽量さもあって、キビキビ走る車でした。何より気に入ったのはそのスタイリッシュさで、当時の私は得意満面でこの車に乗っていたのです。
しかし、、、悪魔はいたのです。
この車を購入し、約1週間ほどたったある夜の事。私のアパートに腐れ縁の先輩が訪ねてきました。聞くと近所のラーメン屋で「キムチチャーハン」が美味しい店があるから、これから飯食いにいかないか」というお誘いでした。
私は晩飯を食べていなかった事もあり、二つ返事で答えて、この車に先輩を乗せて近所のラーメン屋に向いました。
そのラーメン屋は小さな店で、お客は店の前の道に止めて店に入る事になっていたので、私も半分歩道に乗り上げる形で車を店の先に止めてから店内に入りました。そして先輩の勧める「キムチチャーハン大盛」を注文して、食べ始めていました。
店の中ではラジオが鳴っていましたが、入って来たお客さんは一言「何か店の先で車が当て逃げされてるぞ」と言うので、嫌な予感がして、直ぐに見に行くとカローラⅡの右後ろが大きく凹み、テールランプ等のパーツが砕けて散っていました。もちろん、ぶつけた車は当に姿を消していて、その犯人の車のものであろうドアミラーがカローラⅡの脇に転がっていたのです。
「ああ、またやられた・・・・」
思わず膝から崩れ落ちましたが、先輩が「まずは警察に連絡しよう」という事で110番に通報すると、間もなくパトカーで警察官がやってきました。
警察官が「なんだ、路駐車がぶつけられたのか。運転手は誰ですか?」というので「私です」と答えると、そこで路駐していた事を徹底して警察官から責められました。
「路駐していたのは確かに私の落ち度ですが、犯人のものと思わしきミラーが落ちているんだから手配かけて下さいよ」
そういうと警官が「手配はするよ。でも見つからないだろうなー」という感じの答えで、結局、当て逃げの犯人は見つかりませんでした。
先のスカイラインに続いて2台目の当て逃げ。しかも購入後1週間程度で。。。。
その週末に松戸の中古車屋に持っていくと「何だい!またかい!」と言われ、壊れっぷりを見てもらうと、これもやはりフレームが逝っているので修理費用は車の購入費相当がかかると言われました。この車には4年ローンを組んでいたので、直ぐに買い替えなんて出来るはずもありません。この日は知り合いの車も同行して貰っていたので、帰りはその知り合いの車に同乗して帰宅したのです。