この週末は天気があまりよろしくない予報で、これではバイクの出番はないなぁと言うことで、あまり面白くない事とは思いますが、中耳炎について今回は書いてみます。
まあそもそも自分が今迄に罹患した病気の事を書くのもどうかとは思うんですけど、これはこれで私にとっての「人生経験」の一つなんです。まだ私が子供の頃ですが、両親が見ていたテレビのスペシャル番組で、何かの入院手術を取り扱ってまして、そこで体を切って開いていじくられる様子を見た私は、この「手術」がとても恐ろしく見えました。だから当時、近所の神社に行ったときには「生涯健康で入院や手術なんてしませんように!!」なんて神頼みをしてました。しかしもう還暦も見えてきたこの年齢まで来てみると、豈図らんや私が親族の中で一番際どい治療ばかり受けているという現実。なにせ全身麻酔の手術をこれまで二度もやっているんですからね。
皆さん、本当に健康には気を付けて、日々元気に過ごしてくださいね。
さて今回お話する「中耳炎」ですが、これにかかったのは確か42歳頃かと思います。今から15年前ほどの話です。
当時は次女がまだ小さく、ある時、風邪を引いてしまいました。熱が出てぐずる次女を寝かし付けたりしているうちに、私がその風邪を貰ってしまったのです。
次女は直に回復しましたが、私の方は鼻詰まりも酷くなり、そこらか右耳が詰まる様になりました。これ、具体的にどういう状況かと言うと、山に登り高い場所に登り、耳抜きが出来なくなった様な感じです。
今迄ならば、こんな状態になっても二〜三日で治るのですが、この時はこの右耳の詰まりが酷く、耳の奥に水が溜まったような感じになり、耳の聞こえが悪くなってしまいました。これは少しまずいと近所の耳鼻科へ行くと「中耳炎」と診断され、鼓膜の奥に膿が溜まっているので、切開して出しましょうと言われました。
鼓膜を切開し、奥の膿を出す。
耳鼻科医が言うには、しっかり麻酔をかけてやりますよ、という事だったのであまり気にはしなかったのですが、実際に何かの薬を右耳の穴の中に点耳し、少し待ってから耳鼻科医が太い鉛筆の芯の様な器具を持ってきました。それを右耳の穴の中にいれて「ぶつっ!!」とやられたのですが、正直これはとても痛かった。思わず「うっ!!」と声が出てしまいました。
「先生、痛かったっすよ!」
そう言うと医者は「あれ?麻酔がかかってなかったのかな?」でした。
その後、耳にガーゼを当てましたが、そこには薄ピンクの体液がついていました。右耳はもともと聞こえなくなっていたのですが、中から膿が出るにしたがって「がやがや」と言ったノイズ混じりに聞こえる様になってきました。医者が言うには鼓膜は2~3日程度で塞がって来るので、これで良くなるでしょうとの事でした。一応、抗生物質を5日分出すので、それは飲み切ってください。と言われ、この日の診察は終わりました。
この日の夜から右耳からは、かなりの膿が出てきました。枕にタオルを巻きつけて寝たのですが、朝になると耳から出てきた膿でベトベトになるほどでした。
それから1週間ほど経ちましたが、鼓膜は3日程度で塞がった様で、そこで治っているかというと、何か膿は継続して堪り続けている感じでした。そこで再度、耳鼻科に行くと「これはまだ炎症が治まっていませんね。抗生物質も継続して出す事はできないので、少し様子を見てみますか」という事で終わりました。医者が言うには、中に溜まる膿も鼻の奥の穴から排出されるので、もう少ししたら治まるかも知れないと言うのです。
そこから1週間ほど様子を見てみましたが、良くなるはずもなく、鼓膜の奥の張りが感じる様になり、右耳は全く聞こえなくなり、そこから頭痛まで起きてきました。そして2~3日後には体温も上がってしまい、ある時の朝方には40℃の熱まで出てしまい、この事から高熱性の痙攣までおこしてしまいました。
「これでは駄目だ、、ちょっと大きい病院で診察を受けよう」
そういう事で、自宅から車で20分ほど車を走らせ、地元でも大き目な総合病院の耳鼻科を受診しました。
この総合病院は患者も多いので、1時間ほど待たされました。担当医は20代後半に見える若い先生でしたが、今までの経緯を説明すると「ちょっと耳の中を見てみますね」と、内視鏡を使って右耳の中を診察しました。そこで内視鏡の画像を見せてもらうと、鼓膜が見えるのですが、その奥に膿が溜まっているのがよく判ります。
「ちょっと膿が多く溜まっているので、今日は切開をしてまず出しましょう」
そう診察されましたが、以前の耳鼻科の記憶がよみがえり「麻酔は大丈夫ですか?」と聞くと、「麻酔はしっかりするので大丈夫です」との事。ここでも薬を点耳したのですが以前の耳鼻科よりも薬が多めな感じです。そして今回も切開をしたのですが、今回は全く痛みも感じなく切開が終わりました。
「一応、今回切開して膿は出しました。あと、、ちょっと強めの抗生剤を出します。これは強い薬なので飲む際にはしっかり食事を取ってから飲んでください」
そして一週間後に再診する事が言われ、5日分の薬を貰いました。
この薬がかなり効いたのか、翌日には頭痛も解消し熱も平熱に戻りました。しかし右耳の中に膿が残っているのか、いまいち良く聞こえません。一週間後の診察の時、その事を言うと医者は「まだ右耳の中に膿が残っている様なので、注射器で吸い出しますね」との事。細い注射器でやるので麻酔無しでも大丈夫との事でした。
右耳に細い注射器を入れ膿を吸い出すと、右耳が物凄い良く聞こえる様になりました。まるで水中から出てきた時みたいです。
「おー!!先生、右耳が良く聞こえる様になりました!!」
吸い出した膿の量はそれほど多く無く、医者が言うには炎症は収まっているが、浸潤液(体液)が溜まっていたとの事。一応吸い出したので、再度、1週間後に来てくださいと言われました。
その後ですが、右耳の中に溜まるという感覚は無くなりましたが、右耳に「キーン」という耳鳴りが続く様になっていました。一週間後の診察で医者にそれを言うと「今回の炎症はかなり酷かったので、耳鳴りが治まるのは時間がかかると思います。そこは時間が解決してくれるのを待つしかないですね」との事で、今回の中耳炎の治療は終了しました。
あれから十数年経過していますが、実はこの右耳の耳鳴りは今でも少し残っています。健康診断で聴力検査をしても、聴力自体は低下していないので、これはしょうがないのかなと半ばあきらめています。まあ生活するにも特に支障は発生していません。
中耳炎を発症するのは、多くが子供の様なんですが、こんな事も有るもんなんですね。