個人雑誌編集長兼雑用作家、

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齋藤務作品[武器少女ガーネットスプリンガー] 

2017-02-21 22:33:44 | 新作テスト小説

武器少女ガーネットスプリンガー

ー 第三話 ー

青い星の乾いた荒野、

(囚われの街、)

吹き荒ぶ風が、ガーネットの頬を撫でる。目を細め何かを思うガーネット・・・

広い荒野を、二人は武器馬に跨り、その旅は続く、正也の背中に抱き付いているガーネット、正也が言う、
「君の動力は何だい?超粒子崩壊電池かな、それとも空間粒子発生器なのかい?」

ガーネット、
「主は、もう少しロマンチックな事は言えないのか?こんなに広い場所に二人っきりだと言うのに、」

正也、
「武器の君に、いったいどんな話をすればいいんだ?」

「あーー、それそれ、君とかじゃなく、ガーネットって呼んで欲しい」

「じゃあ、ガーネット、君に何て言えばいいのかな?」

「んーーー、月よりも綺麗だとか?」

「今は、昼だよ!」

「んん、あそこに、二つ見えているけど・・・」

「あれは、昼間の月だよ、ロマンチックって言うなら、夜の月だよ」

「昼間の月じゃだめなのか?」

「まあ」

「まったく、武器を相手に何を囁くんだ。」

「何かいったか、主?」

「あーー、それそれ、僕の事は、正也でいいよ」

「そうか、じゃあ正也、私は月よりも綺麗だろ?」

「まあ、昼間の月よりは」

「そうか、ありがとう」

「ああーー」

武器馬の上で肩を落とす正也、

そんなガーネットと正也は、荒野を抜けて、やっと小さな街へ入った。

だが目的地は、まだ遠いらしい、ここで必要な物を補充して行くと言う、

正也から、少しの間、街を見物していてもいいと言われて、ガーネットは楽しげに街の中を見ている。

すると、そこに、街の厄介者たちが現れた、武装馬に引かせた装甲馬車に何人も男たちが乗っていた。

その中の男は、両手に美しいドレスを着た二人の武器を携えていた。

道の脇から見上げるガーネットを見下げて、ドレスを着た武器たちは、ツンとお澄ましをしている。

ガーネット、
「何だ、あの着飾った武器は?」

武器たちを抱いた男が、下にいるガーネットを見て言った。
「何だ?武器を放置して、どこの間抜けだ!」

ガーネット、
「私の主は間抜けでは無い、バカなくらい優しいだけだ!」

男、
「んん、バカなのか?」

ガーネット、
「違う、バカな位だ!」

男、
「バカに近いのか?」

ガーネット、
「そうだ!」

男、
「なら、バカなんだ!」

ガーネット、
「うううう・・・」

ガーネットは言葉に詰まった。

そこへ、その、正也が、
「どうした?ガーネット、何をバカな事をしているんだ。」

正也は、両手に着飾った武器を持つ男を睨みながら言った。

男は、正也を見て大笑いをした。
「グハハハハハハ、まだ小僧のバカか!グハグハ、ハハハハ」

正也、
「行き成り、人をバカ呼ばわりはしないで欲しいな!」

男は、ガーネットを指をさしている。

正也がガーネットを見る。

いじけているガーネット、正也は、
「もういいよ、あんな服が欲しいなら、買ってやるから、そんな態度はしなくていい」

「あの服、高いぞ!」
正也が、少しのけ反った、だが、ガーネットを連れて、ガラの悪い男たちから離れようとする正也、すると、男たちが、正也の行く手を塞いだ。

「どいてくれないか?」

「いやだね、這いばって通りなよ」

方向を変えていこうとする、正也に、装甲馬車の男が言う、
「おう、ご挨拶だな、そっちから絡んで置いて、詫びもなしかい?」

「絡む、何だ!」

「そこの武器のお嬢ちゃんが、俺に絡んで来たんだ!」

「ああ、すまない、これでいいか?」

「すまないじゃ済まないな、武器が絡んだケンカだ!武器で勝負するのが、この星の法律だ!分かってんだろ小僧!」

「まあ」

「なら、武器を使え、いいー余興になる。ウヘヘヘヘヘ」

男は、装甲馬車から、両手の武器を地面に下ろした。

ドレスを纏った武器たちは、微笑みを浮かべて、両手を剣とマシンガンに変える。

軽やかにドレスのスカートを翻して、足のマシンガンを高く上げて構えた。

正也が言う、
「こっちには、武器を使う意思はない、武器を使わなければケンカには為らないだろう!」

「確かに、だが、使わざる負えない状況なら、使うだろう小僧!」

そう言って、男は、マシンガンを乱射した。

正人とガーネットの周りで銃弾が地面や壁を抉り付けて跳ね上がる。

だが、それに少しも動じない正也、戦おうとするガーネットを抱いた腕で押さえ付けている。

正也に抗議の顔をするガーネット、マシンガンを乱射した男が怒鳴る。
「手元が狂って、間違えで当たる事も有るぜ!小僧、いいのかそれで?」

周りの男たちが、一斉に、マシンガンを構える。
「この街じゃあ、間違って当たっても誰にも罪を咎められねえんだ!ハチの巣に為っててもだ!」

正也が、腰のサーベルライフルに手を掛ける。

それを見るガーネット、正也が小声でガーネットに言う、
「あの武器を何とかしてほしい、君なら出来ると思うが?」

ガーネット、
「私には命令するだけでいい、ガーネット殲滅せよとな、」

「まあ、そうだな、」

男たちがマシンガンを撃ち始めた瞬間、正也が電磁シールドを張った。

無数の弾丸がはじかれる、そして、
「今だ!殲滅せよガーネット!」

「了解、マスター!」

ガーネットが、正也の脇から飛び出し、ドレスを着た武器へと突っ走る。

ドレスを着た武器たちは、飛び込んで来るガーネットを、マシンガンで狙い撃ちにするが、

地面を大きく蹴りながら右へ左へと方向を素早く変えて、猛スピードで向かって来るガーネットを、全く捉えきれない、

アッと言う間もなく接近戦に持ち込まれた。

剣とニードルでガーネットを引き裂き貫こうとする。

だが、ガーネットも腕を電磁ソードに変え、ドレスの武器の女を両断する。

止め切れず地面ごと引き裂かれる武器、もう一体の武器が狂ったように両手の剣で、ガーネットの体を切り付ける。

だが、盾と変化した腕が攻撃を弾き返していた。
「お前は、旧式の武器だ!私には敵わない」

ガーネットの電磁ソードが、ドレスの武器の女を横一文字に引き裂いていた。


一方、正也は、電磁シールドを張りながら、片手でサーベルライフルを構え、男たちのマシンガンを持つ腕を吹き飛ばしていく、

慌てた装甲馬車の男が、電磁マシンガンを取り出し、正也を狙い撃ちにする。

電磁シールドごと吹き飛ばされる正也、だが、地面を転がり、電磁サーベルライフルで装甲馬車を引き裂いた。

ガクリと地面に傾く装甲馬車、武装馬が頭をマシンガンに変えて正也に銃弾を浴びせて来る。

そこへ、ドレスを着た武器を倒したガーネットが、武装馬の胴体を両手の電磁ソードで引き裂いた。

二体の武装馬はもがき暴れながら、地面に倒れ込む、装甲馬車の男が再び電磁マシンガンで正也やガーネットを仕留めようとするが、

どこにも姿が見えない、然し、男の背後で、正也の電磁サーベルライフルが男の腕を切り飛ばしていた。




街で揉め事を起こした正也とガーネットは、直ぐに街から放り出されて仕舞った。

再び荒野を、二人は武器馬に跨って、遠い目的地へ向かって旅をっするが、ガーネットが正也に言う、
「何だ?街の連中は、私たちが、あのごろつきを片付けてやったのに、早く出ていけって言いやがって」

「まあ、ああ言う連中は仲間が一杯いるし、仕方が無いんだろう」

そんな、正也とガーネットを追い駆けて、あの厄介者の仲間が大勢で向かって来た。

正也は、
「ガーネット、あいつらをやってくれないか?」

「分かった!」

「くれぐれも、殺したりしたらダメだぞ!」

「了解、マスター、虫の息位で止める。」

ガーネットが真っ直ぐに突っ走っていく、それを正也が、
「あああ、ガー、ガーネット、ガーネット、ああーー、もう、ダメか・・・」

正也も、武器馬を戦闘隊形を取らせ、電磁サーベルライフルを構えて、突進していく、
「突撃ーーーー!」

そんな正也の武器馬には、高らかに特殊空間騎兵隊の紋章の旗が表示されていた。


風を切って走るガーネット、ガーネットの頬を風が流れていく、

今、かつて聞いた風の音をガーネットは思い出していた。

そんな夕暮れに近付く、赤い空の下で、男たちの悲鳴が、何時までも木霊していた。





2017、2、21、個人雑誌グラス編集部、副編集長兼雑用、主力作家の齋藤 務、

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