公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

教室にかかる経費

2008-10-11 | 個人塾の経理
とにかく、好きなことが好きなようにできるってことが一番です。
教室で、学校の宿題の面倒を見ようと、
他のドリル等を持参してくる生徒の面倒を見ようと
会費だってナンだって、自由に設定できます。
時々、耳にする話ですが、
公文の教室で中学のテスト対策の対応をしたり、公文教材以外のテキストの斡旋をしたりする指導者がいるようです。
テスト対策対応は生徒が持参する学校購入のドリルなどで、
わからないところを見てあげる程度のことなら、会費とは別にそのための費用を請求したり、
その間公文教材は使わないからと休会扱いしたりというような「違反」でもしない限り
特に問題になることはないでしょう、指導者にとっては生徒のためとは言いながら、
公文教材外のことで時間も手間もかける(コストが発生する)のに、
ロイヤルティ負担は同じです。

公文で扱っているテキスト以外の斡旋は・・・・、契約義務違反です、もちろん。


うちの教室の場合、教材だけでは覚えない、と思われる英単語のドリルを自作したり、
作文練習の為三行日記を毎回書かせるなどの追加を、
契約解除を考え始めた頃から実施し始めました。
それ以外にも、タイムカードを使用したり、
独自の公文ノートの記録帳を作ってコミュニケーションツールを使用していたりと、
細々とした生徒・保護者へのサービスを実施してきました。

同じ会費をもらって、そういうサービスをする場合としない場合とでは、
かける経費が違ってきます。
ロイヤルティは同額ですから、細々としたサービスを提供すればするほど、
生徒一人当たりの会費からの収入は少なくなるわけです。
だから、「教材をさせて採点をする」以外のことは、まったくしない、という人もいます。
現行の公文のフランチャイズ契約においては、労働対価ということを考えたら、それが正解です。

「本当にすばらしい教材であり、自学自習でどの子も伸びる」というのであれば
他のサポートは必要なくて当然です。
ところが・・・・あいては生き物であり、
機械的に教材を渡し回収して次の教材を渡すということだけでは学習意欲等の持続は困難です。
それで、研究会では様々な研修等を行い、
指導者が提供すべきサービスのあり方について「ああしろ、こうしろ」といってくるわけです。
指導者が生徒・保護者に対して、サービスを増やす、というのであれば、
その分ロイヤルティは引き下げられていいはず、と考えるのですが、
そういうことはありません。

「先生ご自身のお教室の生徒を増やす為です、ご自分の為ですから」
そりゃ、そうかもしれないのだけど・・・・・でも、
公文の収入はコストが発生しない分、丸儲けだよね・・・・やっぱり、変だよ・・・・・
ある時期、こうした指導者が行うべきサービスについて研究会が非常に熱心になったことがあり
それも、「やってられない」気持ちの一因にはなっています。
実を言うと、その類のことは、
うちの教室では言葉こそ違え、ずっとずっと実施し続けてきていることだったのです。
私にとっては、当たり前のこと。

で、現在の教室では、
メインの入会教科以外にかかる経費は、実費のみとはいえ、頂戴しています。
逆に週に一度しか教室へ来ないという生徒の会費は半額です。
教材屋さんへは、この会社の教材を使用している生徒の分のみ支払いをすればよいので
別のドリル、他の教材を使って学習している生徒の分の会費は、うちの収入です。
おかげで、中学生の面倒をよく見てくれるスタッフの時給を上げてあげることができました。
メインの教材屋さんが扱っていない分野については、
テキストのみ購入して、生徒からは同じ会費をいただいているので、問題なし。
それも教材屋さんとの合意事項です。
「先生のお教室ですから、お好きなように。ご使用になっている教材費だけお支払いください」ということですから。
会費については、現在のところ、公文の頃と同額ですが、
若干の入会金は頂戴しています。

それをタイムカードの費用や、細々した学習用品の購入に当てることができます。
三年学習を継続するとして、その間に必要となるノート類やカード、あるいは教材ケースといった
公文ならば指導者負担が当然だったものですが、
その子が学習を継続していく上で必要になるものと考えて、
入会金はいただくことにしました。





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