北岸にて 〜 シドニーの北郊・ノースショアから想う日本のこと、世界のこと。

〜シドニーの北郊・ノースショアから想う日本のこと、世界のこと。

カフェが再開

2020-06-08 12:05:51 | 日々のこと
コロナ禍によって閉店していたシドニー市内のレストランやカフェが先々週から再開しました。

昔から家でのんびり過ごすのは好きですが、集中して何かをするのは家の中では苦手です。苦手というより出来ないといっていいですね、家ではなぜか集中できません。ですので勉強したり映画を集中して見るようなことは、もっぱら図書館や近所のカフェでするようにしてきました。自分では不便な性格だとは思います。家には座り心地の良いテーブルと椅子もありますし、お気に入りのエスプレッソポットでコーヒーを入れることもできます。それをわざわざ着替えて、学生の時なんかは重い辞書をバックに入れて外出しなければならなかったわけです。

大学の時は4年間京都で過ごしましたが、夏は暑かったですねー。その中を重いバックをカゴに入れて自転車で図書館に行くわけですから、よくやったと思います。それで試験勉強の合間に'The Bridges of Madison County' (マディソン郡の橋)を原文で読んだりして、途中から勉強よりもこの小説を読み終えることが目的になってしまい、試験が終わっても図書館に通いました。原文で1冊読み通したのはこれが初めてでしたね。

こういうわけで静かで居心地のいいカフェや図書館を見つけると言うのは、自分にとっては大げさに言うと喫緊の課題と言うことになります。シドニーに来たばかりの頃は、カフェの椅子が木製やプラスティックばかりだったので困ったことがありました。今考えてみると、お客の回転率を上げるため椅子はわざと固くしなさい、とかいうような経営論が既にあったんでしょう。資本主義が行き過ぎても困ったものです(笑)。贔屓にしているカフェでは、コーヒーのほかにケーキなどを一品オーダーしていますし、長くいても2時間くらいですのでなるべく迷惑な客にはならないようにしているつもりです。

ちなみに日本で1番多く通ったコーヒー・チェーンはルノアールです。椅子の座り心地、ひじ掛けの柔らかさ、メニュー構成、内装のシンプルさ、そして何よりもあの落ち着いた雰囲気。。。特に自分が通っていた駅東口にあった店舗では、初老の男性が調理から会計、カップを下げるところまで1人で切り盛りしてらしたのですが、物静かで手際が良くとても感じが良い方でした。将来こういうカフェのオーナーになりたいとさえ思ったくらいです。スタバは自分には少し混みすぎている気がしますね。

と言うことで今週末はカフェに行ってきました。まだ人数制限等ありますから、長居はせずランチだけで済ませました。図書館が再開するのはもう少し先のようです。




送別会

2020-05-24 11:51:41 | 日々のこと
先日、親しくしていた同僚が転職するというので、少人数ながらフェアウェル・ドリンク(送別会)を近くのパブでやって送り出しました。

こちらでは転職というのは珍しいものではありませんし、転職先の方が自宅に近いということで、とても良い雰囲気で送りだすことができました。ただ職場を変えるということは決して軽い決断ではないと思いますし、彼としても思うところがあったのでしょう。ハワイ生まれのアイランダー系で普段から陽気な性格でしたが、1か月ほど前に皆で雑談している時に、珍しく静かにしていたことがあり"Are you day-dreaming?"みたいにからかわれていたことがありました。彼が辞めると聞いた時に、真っ先にそのことを思い出しました。

僕も何度か転職を経験していますが、悶々とするのは辞めることを告げるまでですね。辞める側というのは、すでに肚(はら)をくくっていますので、発表してしまったあとはこれから始まる新しい生活のことを考えたりして前向きな気持ちになるものです。考えていたことを行動に移している分、ポジティブですね。むしろ残された側は普段と全く変わらない生活の中で、その人の不在だけをより強く感じてしまい、こちらの方もそれなりのつらさはあります。たいていの送別会では、送られる人はすっきりした表情をしていて、送る方がどこか寂しそうな顔をしていますね。きれいに片づけられた彼の事務机を見て、そんなことを考えていました。

写真はウォータールー・ロード(Waterloo Road)で撮ったものです。フランス語読みのワーテルローといった方が馴染みがあるかもしれません。ナポレオンが最後に戦ったあのワーテルローの戦い(Battle of Waterloo)の名前を冠していますが、特に英雄的なものを記念しているわけではないですね、ごく普通の産業道路です(笑)。前に英語読みすると名前が素っ気なくなるという話をしましたが、これもその一例ですね。Waterは水ですし、Looというのはトイレという意味がありますので、ワーテルローというロマンある雰囲気が伝わりません。こちらではパリのことをパリスと発音しますし、シャルル・ドゴールはチャールズ・ドゴールと言います(これを聞くと、いつも英国皇太子の顔を思い浮かべてしまいます)。以前、同僚がフランス旅行に行ってきて、どうだった?という話で盛り上がったのですが、「ヴァサー、ヴァサー」と連呼して言うのでなんのことか分からなかったのですが、よく説明を聞いてみたら「ベルサイユ」のことでした。そこまで音を変えちゃうと分からないですね(笑)。





Rain & Sunshine

2020-05-17 12:17:54 | 日々のこと
今週は雨が降ったり、かと思うと陽光が差したりと、天候が安定しない日が続きました。

見出しの写真は朝、通勤の時に撮ったものですが、車の中にいるうちは上着がいらないくらい暖かったです。それが下の写真のように昼すぎに郵便局に行ったときには、けっこうな雨に降られてしまいました。こういうのを大陸性の気候というんでしょうか。日本で降るような一日中続く雨というよりも、まとまってザッと降った後で晴れ間がすぐにのぞくということが多いように思います。日本でいうスコールというものに近いですが、こちらでは'Squall'という言い方はしません。普通は'Isolated Shower'と呼ばれています。「孤立した、一時的な雨」ということですね。こういう天気が続くと、気分も安定しません。



日本では「風薫る五月」とよく言われますね。ゴールデンウィークがあり、自分の誕生月でもある一番好きな月のひとつです。オーストラリアだと11月がこれに相当しますが、こちらでは少し状況が違います。こちらの樹木は常緑樹がほとんどですので、冬でも緑の葉をつけたままです。とくにニューサウスウェールズ州の森林の半分以上を占めるといわれるユーカリの木は、少しくすんだ緑色です。ですので冬の間でも緑があるのはいいのですが、初夏になって色鮮やかな若葉をつけるということがないのですね。「南半球の秋」の回でも書きましたが、湿気をふくんだ柔らかい風が新緑の木々の間を渡るということが、残念ながらないわけです。しかし爽やかな涼風が初夏の匂いを運んでくるというのはいいものですね。

なんだか書いているうちに、5月の日本に帰省したくなってきましたが(笑)。