ごめり語。

ごめり・りんご・「   」

自分は、限りなく優しい気持ちで闇に眼を向けていた。帰ってこなくていいよ、圭子、それが君にふさわしい

2013年01月31日 | 日記
圭子と一緒に居るのが心苦しい。ほとんどまるごとの負担を彼女にかけながら、なおそのうえに自分の都合に沿ってくれる女を期待している。自分はいつか彼女に捨てられるだろう。自分はわがままで身勝手で、病者というより欠陥者だ。人に甘えることを知らずにすごしてきたような実感があるが、とんでもない、たえず人に頼らねば生きてこれなかった。弟に頼り、女に頼った。それがあるものだから、自分の主張や望みをストレートに出せない。自分は生きるに値しない。それを記せば身も蓋もない、のだから嫌になる。生きるに値しないが、生きないわけにもいかない。

色川武大の「狂人日記」。
昔も今も私のバイブルです。
節目節目に何度も読み直しています。


上記のように書いたのは、2009年4月12日のことなので、沼田でほうれん草と格闘していた時のことです。
人生の岐路において、「狂人日記」は、いつも私の手元にあります。

私は、介護職になってからというもの、幻聴や幻覚、そういった事例を、たくさん目の当たりにするようになったので、さらに「狂人日記」が身に沁みるようになってきました。なんとも因縁めいているなぁ、そんな風にも感じてます。

狂人日記いえば、大岡昇平の「野火」も印象深いです。

しかも妻の心が彼女の全部でないのも私は知っている。人間がすべて分裂した存在であることを、狂人の私は身をもって知っている。分裂したものの間に、親子であろうと夫婦であろうと、愛などあるはずがないではないか。要するに私の欲するままにさせておいてもらいたいのである。
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