ごみのリサイクル率の計算はごみ総排出量に対するリサイクル量で現されます。具体的な計算式は次のとおりです。
リサイクル率(%)={(集団回収量+直接資源化量+中間処理後再生利用量)/(集団回
収量+ごみ総処理量)}X100
次の頁に福津市のリサイクル率の推移表(グラフ1)を添付しています。この項目でリサイクル率低下の原因となっているものは集団回収量と中間処理後再生利用量です。集団回収量とは”子ども会等が古紙等を収集すると補助金が出る”のが代表的なものです。中間処理後再生利用量とは古賀清掃工場のリサイクルプラザや焼却施設に持ち込まれた資源ごみや粗大ごみを処理したのち、鉄、アルミ等を回収した量です。集団回収量が減少しているのは、①月1回と収集頻度が少なく、資源ごみの分別収集会場とは異なる場所で収集が行われて煩わしいこと②自治会により自治会未加入者の古紙等の持ち込みを禁止されたりしていることが原因です。中間処理後再生利用量の分別ごみ種別の変化を次頁のグラフ2で観ていきましょう。スラグと木くずの量が多く、この二つの量の変化が影響していることが分かります。ここで言うスラグとは溶融スラグのことです。北辻政文教授(宮城大学)がDOWAエコジャーナルに掲載した論文によると”溶融スラグは、ごみや焼却灰を千数百度の高温で溶かし、いわゆるマグマ状態にします。これをゆっくり固めると石になり、水の中に入れて急激に冷やすと砂になります。千数百度のマグマ状になったものを冷して固めているので、いわば人工の火成岩を扱っていると思えば良いでしょう。この溶融スラグは建築材料として、アスファルトやコンクリートに加える「骨材」として使われてます。”ということです。
ところで、スラグの量は、ごみ総排出量が増えると比例して増加する傾向があると考えるのが一般的ではないでしょうか。平成25年度のごみ総排出量に対して平成29年度のごみ総排出量は2.3%増加しているにもかかわらず、スラグの量が同年度比較で40%も減少しているのは解せません。古賀清掃工場は福津市、古賀市、新宮町が共同使用しています。焼却量によってスラグの量は2市1町に按分されています。
一度、古賀清掃工場を訪問し、この点を調べてみないと、リサイクル率の数値をそのまま信じるわけにはいきません。