ハチの家文学館

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曲歌からの風景

2009年06月26日 01時27分20秒 | ハチパパのひとり言

     32年前訪ねた懐かしのシュノンソー城(フランス ロワール)

真っ暗な寝室。枕もとのポケットラジオを取り出し、手探りで電源を入れる。聴き覚えのあるクラシック曲が、NHKラジオ深夜便から流れ出してきた。しかし、曲名も作曲者もわからない。それでも瞼の裏に、昔ヨーロッパ旅行で眼にした美しく壮大な風景が、スクリーンとなってゆったりと現れる。特にヴァイオリンやピアノの曲は、私の心を清々しくさせてくれる。

高校生のころ、吹奏楽部でコンクールの課題曲や定期演奏会の曲目に、必ずと言ってよいほどクラシック曲が入っていた。ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」第4楽章や、ベートーベン交響曲第5番「運命」など懐かしい。
当時の私はバリトンという中音楽器を担当していたが、フレンチホルンとともに、美しい澄み渡った音色をしていて好きだった。近くの中学校の吹奏楽部の練習音が聞こえてくると、幾十年も前の青春時代が蘇る。

ジャズも大好き。高校を卒業して2年目、同じ吹奏楽部の先輩たちと楽団ジェリーメンというスイングジャズのフルバンドを結成した。楽団ジェリーメンは、いまでも現役で活躍している。アマチュアのフルバンドとしては、おそらく国内最長と勝手に決めこんでいる。バンドの最年長者は今年68才になるはずである。

世界最長といわれる原信夫とシャープス&フラッツのさよならコンサートが7月25日にNHKホールで開催される。やっとチケットが手に入り、今から楽しみにしている。尺八の人間国宝山本宝山さんも出演するようで楽しみも倍増である。洋楽と邦楽、官能的なスイングジャズと深山幽谷を思わせるであろう尺八の音色の取り合わせに興味深々である。

音楽はタイムマシンとなって、私の心の中を幾十年も前の風景にタイムスリップして駆け回る。クラシック、ジャズ、行進曲、フォークソング、演歌などなど、曲歌からの風景は、いつの間にか私を夢の中に誘い込んで、深い眠りを与えてくれる。

                       21/2/6 草稿に加筆



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