ハチの家文学館

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白旗の少女

2009年10月03日 14時07分48秒 | ハチパパのひとり言

黒木瞳扮する比嘉富子が本屋で見つけた沖縄戦の写真集に、白旗を掲げる6才の自分を発見する。その写真集を買い自宅に持ち帰り、幼い自分の姿を見ながら30数年前の戦争体験を思い出して泣き崩れる。1枚の写真が彼女の創作意欲をかきたてた。この体験を私が残さなければと決意させたのである。

この「白旗の少女」については、米軍の記録フィルムに写っている白旗を振って歩く少女がモデルとなっており、少女の後ろに、たまたま通りかかった日本兵が歩いていて、この光景を少女を盾にして投降する「卑怯な日本兵」というストーリーに仕立て上げたこともあったようだが、比嘉富子さんの原作がすべてを物語っているようである。また泣いてしまった。

このシーンを見て思った。偶然とはいえ、たった1枚の写真がきっかけでこの作品が出来上がったことである。「写真は真実を写す」ということを、あらためて実感したし、今私がライフワークにしている写真のテーマ、「祈りの情景」「信仰のかたち」にも、真実を写す気力と行動が必要に思う。ただ撮るだけでなく、心で撮る修行を続けたいと思う。


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