
スペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへと続く巡礼路
スペインの北部ロンセスバージェンヌからおよそ800キロ先の、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへと続く巡礼の道・カミーノ。ヨーロッパ以外の国々からも大勢の巡礼者たちが、この巡礼道を時には1か月以上歩きつづけ聖地へとたどり着く。
カミーノを歩く巡礼者は、この10年でおよそ10倍に増加年間17万人もいるそうで、ヨーロッパ以外の国々からもたくさんやって来るそうだ。なぜ人はカミーノを歩くのか。旅人は巡礼の道を歩きながら、その答えを探していく。そして巡礼の旅は聖地サンティアゴの大聖堂の荘厳なミサで終わりを告げる。
「世界の一番美しい瞬間(とき)」の今回の放送は、NHKの出田奈々アナウンサーが旅人となって、様々な国の人たちとの出会いを通して、この巡礼の意味を探るものだった。
出田アナが途中で出会った人の中には、大病の手術で生死の境を彷徨って奇跡の生還を遂げ、神に感謝を込めながら聖地を目指す42才の女性、アルコール依存症に打ち克ち家族の待つ聖地へ黙々と歩く男性など、様々な理由があってこの長い距離を歩いて巡礼している。「この道を歩くことで何が得られるのですか?」との出田アナの問いに、ある老夫婦の夫は「それは終わったときにわかるよ」と含蓄のある言葉で返していた。
巡礼といえば日本でも四国八十八箇所、西国三十三箇所、坂東三十三箇所、秩父三十四箇所など全国にたくさんある。キリスト教と仏教の違いはあれど、自分探しのような信仰の旅に変わりはなく、巡礼の意味は世界共通だと思う。
私自身もこれまで四国、西国、板東、秩父、若狭などの霊場を巡礼してきたが、いずれもマイカーでの移動で歩き遍路は一度も経験していない。このカミーノの巡礼路のように、長い道のりを歩いてこそ精神性の高い巡礼が出来るのだと思う。そういう意味では私の巡礼は地に足が着かないものであったが、訪れた先の寺では真摯にみ仏を拝し、般若心経とご真言を唱えつつ、息子たちを20年間もみてくれた亡き母の供養も兼ねて巡拝してきた。
明日は亡き妻の42回目の祥月命日。亡くなる1週間前にカトリックの洗礼を受けており、死者ミサをしていただいた横浜原宿聖母の園教会に行ってこようと思う。当時お世話になったシスターSさんが隣の修道院におられるので、久しぶりに会ってくるつもりだ。
私は真言宗弘法大師を崇める仏教信者であるが、カトリックのマリア信仰者でもある。神仏崇拝の精神は、いつも私の心の中に息づいている。もうすぐ齢70歳となるが、3度目のヨーロッパ旅行を夢見てモン・サン・ミッシェルやルルド、サンティアゴ・デ・コンポステーラなどの聖地を訪れてみたいものである。
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