大石 直紀著
光文社刊
カメラマン立花 俊也は、パレスチナの難民
キャンプで孤児になった少女
ナイマ・シェハデを保護する 。
帰国後、立花の養女となったナイマは、
立花沙耶として大切に育てられる。
一方、ナイマの姉ノエルは、両親を殺された
憎しみから、テロリスト(マリカ)となり、要人の
暗殺を繰り返していた。
成長したナイマを連れ、アラファト議長との
インタビューを果たす為に、パレスチナ入り
する立花だったが・・・。
沙耶も、マリカに酷似していることから、
事件に巻き込まれていく。
第2回 日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作
作者は、フリーライターです。
他の作品に、
「キッドナップ」
「サンチャゴに降る雨」
「テロリストが見た桜」
序盤で、ノエルとナイマが、姉妹である
事が読者にわかってしまう所が、惜しい。
個人的には、ラストでわかった方が
もっと楽しめたような・・・。
設定がおもしろいだけに残念です。
描写が素晴らしく、 ノエルの容姿が
見えるようです。
特に、日本に潜伏してからのマリカ(=ノエル)
の行動に興味をそそられました。
難民キャンプの様子や、アラブの街並みも
描かれていて、興味深い。
全体に、意外性の少ない作品ですが、
自然な流れで、うまくまとまっています。
クライマックスは、盛り上がりのある展開で、
一気に読めました。
ランキングに参加しています。
クリックおねがいします。