静かになったなぁ…と思った頃に合わせて海に行ってみる。
風が途切れた砂浜
素足をくすぐる波
潮も 人も引いてゆく…
葉月から長月に移ろうとしている。
すぅーっと水や砂と一緒に抜けていった地の下には、まだ温かみを感じる夏の余韻が。
やや高度が落ちた太陽が雲の隙間から照らし
大きな花火を映していた沖のほうに光を注いでいる。
何事も無かったかのように鴎が堤の縁で休んでる。
心の中に染まった思い出だけを残していって、
ゆっくり ゆっくりと…
時が進み行くのを実感した。
だけど、
盛りを過ぎたとは思いたくない。
いつでも前を向いていないと新しい風は吹いて来ないと思ったので…
僕は冬を越さぬままに「春」を意識した。
海は街の中以上に、季節=地球の流れを感じさせる場所だ。
月日が経っても自分を見失いたくないからこそ、僕はまめに海に足を運ぶ。