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朝日記 2011/8/15
みなさん、おはようございます。
これからラジオ体操です。
**徒然ごと
毎日、私は 暑くてじっとしていましたが、
今日あたり、母をみまってきます。
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きのう、橋爪大三郎先生の本をよんでいて、すぐにことばあそびに入ってしまい数ページでおしまいでしたが、これは正解でした。
その本のなかで、アポリア aporiaというギリシャ語系のことばがさらっとでてきます。 著者としてはすこし唐突ではないかとおもい、教授のクラスでの質問項目として意識することにしました。
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ケンブリッヂの辞典にはでているそうですが、ブリタニカ辞典やウェブスターの普及版には出ていないことばです。
a-というは against、反対を意味するギリシャ語の接頭部分でporiaというは passage 通路。 したがって通路がないからimpasse出口がないという意味になるようです。
ギリシャ神話にからんでいることばでした。
Penia(貧乏の家の子という意味)という名の乙女が
Poria(裕福という意味)という名の青年を お酒で酔わせて 結ばれてしまう。 Peniaはただ、Poriaとはいつも逆のことをする女で結局 ものごとの解決にはならない。つまり a-poriaで「出口のない」という状態を表すことばとしてのこったようです。
ネットをつかって、さらに調べていますと 社会科学の前線でコミュニケーションには、言語だけでは伝達しえないことがありそうだということに気づいているらしく、
このアポリア(aporia)という概念に焦点があてられているらしい。橋爪教授は、その著書「仏教の言語戦略」で 読者の目を本旨から離れないよう、さらっとこのことばを使っています。
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その言葉に、本能的になにかありそうだと感じたことが
上のことばあそびになったわけですが、
実は彼はこのことばをどうしても使いたかった
のだということを勝手に理解したのでした。
仏教は 実は このアポリアからの解脱をすることを意味するということを彼はとらえ、現代世界における仏教の積極的な役割があるという論考を展開します。
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蛇足ですが、先ほどのPoriaとPeniaが結ばれて生まれた
子がEros(エロス)です。この子の中には、豊かさと
貧しさが共存しており、理屈では、まったく整合性がとれない。そして 嗚呼 これが人間を困らされているもとかと
あらためてこの神話の説得力を実感いたしました。
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もうひとつ加えますと、この辺の説明は、ネットでは、
日本語よりま英語版の方が断然 内容が豊富で、検証性がたかいように思いました。ネットの世界でも彼らの学術文化活動の層の厚みに圧倒されるおもいです。大英事典をつくると同じような編纂と執筆をそれぞれのアカデミアが組織的に活動していることを直感させてくれ、あれはネットだと軽視していると日本はまたタダ乗りといわれることが必至のようにおもいました。
徒然ことでした。
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